哀れトヨタとホンダが中国市場で「沈没」
世界最大市場で上半期の販売2ケタ減。成長セグメントにヒット商品が無く、このままではジリ貧だ。
2011年9月号

世界最大の自動車市場となった中国で、トヨタとホンダが「沈没」している。2011年1〜6月の新車販売台数(メーカー公称値)は、トヨタが前年同期比2.2%減の35万4400台、ホンダが同12.3%減の27万1千台とそろってマイナスに落ち込んだ。トヨタの公称値は「レクサス」など日本からの輸入車を含むが、ホンダは現地生産分のみ。ホンダと同じ基準ではトヨタも2ケタの減少だった。

中国市場全体の上半期の販売台数(932万5200台)が前年同期比3.35%増の小幅な伸びにとどまったことや、東日本大震災の影響で日本から中国工場への部品供給 …


ムーディーズが日本国債を格下げ 「首相交代が頻繁」
2011年8月24日 09時23分
 ニューヨークのムーディーズ(ロイター=共同)

 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは24日、日本国債の格付けを従来の「Aa2」から「Aa3」に1段階引き下げたと発表した。格下げの理由について「過去5年間にわたり首相が頻繁に交代したことが、一貫した政策実行の妨げになっている」と説明した。
 ムーディーズによる日本国債の格下げは2002年5月以来、約9年3カ月ぶり。Aa3は最高の格付けから4番目で、中国などと同じ。今後の格付け見通しは「安定的」とした。
 野田佳彦財務相は同日朝、格下げに関して「最近の国債の入札を見ても順調に円滑に行われており、わが国の国債の信認は揺るがない」と強調した。
(共同)

世界デフレ「第2波」に備えよ
バーナンキFRBの「QE2.5」サプライズ。米国債格下げと欧州危機に果敢だが、円高是正は帳消しになった。

2011年9月号 [米国が「時間軸」緩和]
印刷FACTAブックマークに保存

学者出身の米連邦準備理事会(FRB)議長とは思えない剛胆な決断だった。世界の株式市場が総崩れのなか、8月9日に開かれた米連邦公開市場委員会FOMC)で、ベン・バーナンキ議長が決めた追加金融緩和である。世界の株価メルトダウン(底割れ)は、ひとまず瀬戸際で救われたが、代わりにとめどないドル安が日本などを襲った。

「2013年半ばまではゼロ金利を続ける」というFOMCの第一報が伝わると、米国株はまず売られた。冒頭の現状認識で「経済成長は想定した以上に著しく減速している」と景気判断を暗転させたため、市場関係者が肝 ………


ワルとバカとズルの民主党

「この世で一番悪い小沢と、この世で一番バカな鳩山と、この世で一番ずるい菅を、世の中にさらしてしまった」

 渡部恒三民主党最高顧問は今回の一連の騒動に対し、このように発言されたそうです。この世で一番などというと、冗談に聞こえますが、誇張を差し引けば、なかなかよくあたっていると思います。

 小沢氏、鳩山氏、菅氏は民主党トロイカ体制の枢要部を占めているわけですから、ご三方の特質は民主党の特質だといってもよいでしょう。つまり悪くて、バカで、ずるいのが民主党の三大特質ということになりましょうか。

「三人寄れば文殊の知恵」といわれます。その一方、山本夏彦は「バカが三人寄れば三倍バカになる」と言いました。どちらになるかは三人の人物次第でしょうけど、さてこのトロイカ体制の三人がどちらになるかといえば、少なくとも文殊の知恵の方ではなさそうで、どちらかというと夏彦流に近いような気がします。

 ご三方についての多くの情報がマスメディアから流された現在、渡部氏の名言は多くの人が納得するものと思います。しかし2年前はそうではなく、政権交代を夢見たメディアが流す人物像はおよそ違ったものでした。それ故、民主党が政権を獲得できたわけで、メディアは民主党政権の生みの親と言うことができます。つまり製造者の片割れであり、それならば製造物責任を負わなければならない立場ですが、反省の弁すらほとんど聞こえてこない現状では、無理な高望みと言うほかありませんが。

 またダメだったかと、首相に選んだのが間違いであったことが、やらせてみて初めてわかるということが繰り返されました。1年程度しかもたない首相の輩出はこの事情を物語ります。党の、あるいはメディアの事前評価は決してあてにならないということがわかりました。あるいは適任者が全くいなかったのかもしれませんが。

 もうひとつわかったは、野党というのは一流の人材がほとんどいなくてもやっていけるものだ、ということです。大雑把な言い方ですが、野党の主な仕事とは、非現実的な理想論を、あるいは支持団体の利益を擁護する主張を声高に言うことであり、実際に責任をもって国の運営をする立場とは大きな隔たりがあるということです。好き勝手をいう評論家と責任ある実務者との違いに似ています。当然、要求される資質も大きく異なるわけです。

 まあもともと無責任な評論家の集まりのようなものであったのが、突然の政権交代で、急に責任ある仕事を請け負うことになり、バラバラになって右往左往しているといった観があります。

民主党には政権担当能力がない」というかつての小沢氏の発言は卓見です。党代表の、自党に対する発言だけに信用できる筈であり、いま思えばもっと謙虚に耳を傾けておくべきであったと、メディアの方々は思っておられるのでしょうか。


【編集局デスク】揺れた「五山送り火
2011年8月20日

 京都・大文字の送り火に「揺れた五山」の見出しが付きました。
 大震災の津波で倒れた岩手・陸前高田の松を、送り火の薪として使う計画は二転三転した揚げ句に中止になりました。多くの人の祈りを込めた計画が、多くの人の感情を波立てる結果になり残念です。
 最初、薪から放射性物質が出なかったにもかかわらず、汚染を心配する声で中止になったときは驚きました。身勝手で行き過ぎた反応ではないかと。すぐに「京都市民として恥ずかしい」などと抗議が届き、別の薪を燃やすことになりましたが、今度は放射性物質が検出されたために断念。「健康に影響しないレベル」と言われても安心できるかどうか。二度目の中止には賛否がありました。
 「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい」とは物理学者・寺田寅彦の言葉です。野焼きに国の規制値はなく、低線量の被ばくについては専門家でも意見が分かれ明確な答えはありません。
 ただ、被災地の苦しみを思えば「自分だけ安全に」と考えるわけにはいかない。それははっきりしている、と思います。
 (名古屋本社編集局次長・佐藤亮)
無理が通れば道理引っ込む・・・五山送り火を巡る古都の騒動

 津波に流された陸前高田市の松を、京都の五山送り火護摩木として燃やす計画が、放射性物質の汚染を心配する数十本の抗議電話によって中止となったニュースは大きな反響を呼びました。 抗議には、燃やせば琵琶湖が汚染されるといった妄想まであったそうです。

 主要紙の多くがこれをコラムで取り上げました。地元の保存会と京都市がすべての薪を検査して、放射性物質がないことを確かめたにもかかわらず、抗議に屈したのは数百本の護摩木に託された亡き家族への思いなど傷つける残念な行為だという論調が多かったようです。

 この騒ぎは単なる偶然ではなく、起こるべくして起こったという気がします。騒ぎを構成する要素として、
?放射性物質に対する不合理というより病的ともいうべき恐怖心、あるいは
?数値に対する理解能力の圧倒的な欠如
?自分達の健康がすべてに優先するという考え方
?被災した人々の心情への無関心
?主催者側の情けないほどの定見のなさ
が挙げられるでしょう。?〜?は風評被害の成因とよく似ています。ついでに言うと?の定見のなさは菅首相をお手本にしたかのようです。

 近年、ダイオキシン環境ホルモン、BSE、食品の消費期限問題などによる騒ぎが繰り返されました。マスコミの期待にもかかわらず、これらによって実際に健康被害が生じた例は聞きませんが、この度重なる騒ぎによって健康問題は決して侵してはならない聖域として定着したように思われます。

 むろん健康被害が出てはなりませんが、健康に対する安全だけではなく、安心までも重視される風潮が出来上がりました。安心もまた大切なことですが、困ったことにそれは人によって感受性が異なります。鈍感な人もいれば病的なほどに過敏な人もいるわけで、極端に過敏な人にまで安心してもらおうとすると、今回の陸前高田護摩木使用を中止するといったことになります。

 五山送り火の騒ぎでは、一部の人たちの不合理な意見のために、まともな人たちの行為が曲げられたわけで、実に理不尽な結果となりました。「健康に対する不安」と言われればそれが如何に根拠のない話でも逆らえない、といった風潮が広がっているように感じます。健康不安は、誰もが黙る水戸黄門の印籠のようなものとなりました。

 安心は意識の問題です。十分に安全であるにもかかわらず、安心できない人に対しては安全の理由をきちんと説得するのが道理です。汚染牛肉の問題で政府は方針を転換し、放射性セシウムの値が基準値以下の場合であっても、買い上げて焼却処分することにしましたが、このような安易な方法は基準値の意味を失わせるだけでなく、政府自ら不合理を認めるものです。まあモンスターペアレントの言い分に対し、ご無理ごもっともと、お追従するようなものです。

 このような風潮は、健康被害の恐れを強調することによって不安を煽ってきたマスコミの姿勢と無関係ではないでしょう。不安を煽らなければ不祥事の原因者を激しくバッシングできません。また不安そのものがマスコミの商売に欠かすことのできない大切なものです。

 一方、自分で煽った不安を自分で否定することは困難です。その結果、マスコミは根拠のない不安に対して、毅然たる態度をとることができなくなったのでしょう。陸前高田市護摩木を使わないという情けない決定はこのような風潮が生んだひとつの例として理解できます。

 先に述べた主要紙のコラムは他人事のようにもっともらしいこと述べていますが、その遠因に自分達も加担しているという自覚があって欲しいものです。ただひとつ、8月8日の毎日のコラム「近事片々」には反省の気持ちが見える一節があります。

「私たちメディアも何を報じてきたのか。木片が問う」

 その後、京都で陸前高田市の松を護摩木として用いる計画が中止されたことに対して、多数の抗議が寄せられたことは、まともな意見も依然として健在であることを示しており、まあ一安心というところでしょうか。


東海岸でM5・8 原発停止、交通も混乱
2011年8月24日 08時39分
 救急車に運び込まれる女性=23日、ワシントン(ロイター=共同)

 【ニューヨーク、ワシントン共同】米地質調査所(USGS)によると、米東海岸で23日午後1時51分(日本時間24日午前2時51分)ごろ、マグニチュード(M)5・8の地震があった。首都ワシントンでけが人が出たが、死者や重傷者の情報はない。震源バージニア州リッチモンドの北西約60キロの地点で、深さは6キロ。一部の原子力発電所が運転を停止した。
 また、各地の空港が一時航空機の発着を見合わせるなど、交通機関にも混乱が発生した。
 AP通信によると、バージニア州で起きた地震としては史上最大となった1897年のM5・9の地震に匹敵する規模。

脱原発依存 民主代表選 後戻りは許されない
2011年8月24日

 菅直人政権の「脱原発宣言」は、従来の“国策”を大きく揺るがした。福島の現状と国民の心情をくみ取るなら、次の政権も原発に頼らない国づくりに努力すべきだ。もはや後戻りは許されない。
 「将来は原発がなくてもやっていける社会を実現する」。七月十三日夕、菅首相は記者会見で唐突に「脱原発宣言」を打ち上げた。
 党内外から賛否両論が渦巻いた。「政権延命のためのパフォーマンス」とも批判された。首相自身がその直後「個人的な考えだった」と弁明するなど、方針は揺れ動いた。
 原発中心のエネルギー政策を見直すために設置した政府のエネルギー・環境会議は七月末の中間整理案で「安全性を高めて活用しながら依存度を下げていく」とまとめ、当初の脱原発から脱原発依存に退いた感もある。
 とはいえ、再生可能エネルギー普及のために、これまで電力会社が独占してきた発電事業と送電事業を分離する発送電分離の必要性にも触れている。
 これらを受けて国民的な議論を重ね「革新的エネルギー・環境戦略」が来年夏までに策定される。重要な節目になる局面である。
 脱原発とか減原発とか、言葉の言い回しはさておいたとしても、原発を徐々に減らし、自然エネルギーの普及開発を図るという方針がエネルギー政策の中軸にある点に変わりはないだろう。
 福島第一原発事故からやがて半年が経過する。事故は収拾に向かうどころか、高濃度の放射性物質に汚染された周辺地域は長期間にわたって人が住めない状態である実態が明らかになってきた。
 電力がもたらす豊かさを享受しつつも、人々の心の中では目に見えない放射能への恐怖、ひとたび事故を起こせば膨大な経済的損失を伴う原発への不信と不安が大きくなっている。
 代表選への出馬が見込まれる七人の候補者はいまのところ、だれも脱原発依存路線の継承を明言していない。原発事故対策を担当した馬淵澄夫首相補佐官さえ「脱原発依存だが、原発はなくせない」との立場に立っているようだ。
 不人気だった菅政権の政策路線を否定するのは簡単だ。だが国民の不安を将来にわたって取り除き、本当に豊かな社会を維持するためにどうすべきか。原発がいらない社会、原発に代わる自然エネルギーの普及開発、電力事業改革の看板を下ろしてはならない。

保安院やらせ 今のままなら解体せよ
2011年7月30日
 原発を監視する立場の保安院のやらせ指示が明るみに出た。電力会社が民意を捏造(ねつぞう)しようとしたやらせメールより悪質だ。国民を裏切る保安院の指示は、原発の規制と検証を放棄する行為だ。
 いったい、どれだけのやらせや捏造があったのだろうか。
 国民が原発の安全性をこの目、この耳で確認するためのシンポジウムの信頼性に、またもや大きな疑問符がついた。
 経済産業省原子力安全・保安院が二〇〇七年八月、中部電力浜岡原発プルサーマル発電に関するシンポで、参加者の動員や原発に肯定的な発言を依頼していたことが明るみに出た。
 中電は、「自社のシンポに空席が目立つのは適切ではない」との理由で、浜岡原発の社員や地元住民に動員をかけたことは認めた。地元住民にとって、命や生活に重大な影響をおよぼす原発についてのシンポだ。中電が保安院の動員要請に応じた背景には、反対派ばかりが集まり、紛糾や混乱が表面化しては困るという企業の論理の優先がなかっただろうか。
 それより悪質なのは、安全性を監督する官庁が、住民に賛成か中立の立場でやらせ質問するよう、中電に口頭で求めたことだ。いったん発言文案を作成した中電は、コンプライアンス(法令順守)上の問題があると判断し、やらせ質問はやめた。シンポの信頼性確保に、最低限のモラルは守った。四国電力は地域住民らに例文を示して質問を依頼していた。
 中電が当初、作成した文案は「化石資源は何年持つのか」といった、あからさまに原発を推進する内容だった。
 実際のシンポでは、原発の安全性やプルサーマルに否定的な意見ばかりが出たという。国が許可したプルサーマル計画に理解を求めるシンポなのだから、安全性に不安を抱く人たちの懸念に丁寧に答えてこそ意義がある。
 原子力を規制する側の官庁が原発推進に積極的に加担していたとは言語道断。それなのに、保安院幹部は「要請を把握していない」と木で鼻をくくった態度だ。原発事故発生後の情報公開の透明性の低さもひどく、国民の不信は募るばかりだ。
 原発推進側の資源エネルギー庁と規制側の保安院経済産業省に同居する問題点はかねて指摘される。原発事故担当相は来春の保安院分離の考えを示した。今のままの保安院ならいらない。即刻、結論を出してほしい。

放射能被曝」の人体実験
日本は人口密度が高く、放射線の影響が少しでも軽視できない。政府に国民を守る気がないから、不安が募る。
2011年9月号 [「除染で解決」は幻想]

菅政権がこだわる原子力の安全規制体制の改革。細野豪志原発事故担当相がまとめた試案は、原子力安全・保安院経済産業省から分離し、原子力安全委員会文部科学省の規制関連部門と合体して、内閣府環境省の外局に「原子力安全庁」を置く内容だった。原発推進官庁である経産省からの保安院分離は当然だが、体制を変えても大半の要員は保安院から移籍する。経産省の体質に染まった役人を移すのだから、文化が変わるまでには時間がかかる。

原発の安全が軽視されたのは、経済性ばかりに目を向けた原子力ムラの体質ゆえだった。国 ………


東電「賠償総額」果てしなき膨張
西沢社長は「支援機構法が成立したので債務超過の恐れはない」と大見得切ったが、大丈夫?

2011年9月号

8月初めに「東京電力救済法」と揶揄されている原子力損害賠償支援機構法(支援機構法)が成立し、政府の原子力損害賠償紛争審査会(審査会)も福島第一原発事故の賠償の目安となる中間指針を公表した。

東電は9月から賠償請求を受け付け、指針に従って支払いを始めるが、賠償総額は事故と同様に「想定外」の途方もない額になる可能性もある。

賠償の仕組みは、まず支援機構法に基づき、東電や原発を持つ他の電力会社などの負担金で運営する原子力損害賠償支援機構を8月中にも発足させる。政府は機構に最大2兆円の資金を援助し、東電 ………


泊・運転再開 “なし崩し”にはするな

2011年8月18日

 調整運転中だった北海道電力泊原発3号機が営業運転を再開した。大震災後、多くの原発が止まったが、再開はこれが初めて。だからといって、すべての原発再開にお墨付きが出たわけではない。
 調整運転とは、定期検査に伴う試運転のことである。ほぼフル出力で発電もする。営業運転と何ら変わりはなく、法律上検査中扱いになるだけだ。通常は約一カ月実施して、経済産業省原子力安全・保安院の最終検査を通れば、そのまま営業運転に移行する。だが、この“前例”が大きく物を言いかねない。
 今年一月に定期検査入りした泊3号機は、三月七日に原子炉を起動し、調整運転を開始した。だが、その直後に福島第一原発事故が起きたため最終検査が受けられず、五カ月以上、試運転の状態が続く異例の事態になっていた。
 保安院は、営業運転再開はすぐにも可能と考えていたようだ。ところが、菅直人首相が難色を示し、道も「地元軽視」と反発したため、保安院の検査結果を原子力安全委員会がダブルチェックし、地元自治体の同意を得ることが、特別な再開条件とされていた。
 九州電力のやらせメール事件もあって、停止中の原発再開に逆風が吹く中で、泊3号機を再稼働への呼び水にという声も上がっている。しかし、拙速は禁物だ。
 新たな二条件を満たしたことで、住民の不安が解消されたわけではない。ダブルチェックとはいうものの、原子力安全委員会による審議はわずか十五分、高橋はるみ知事が再開容認を諮った道議会の特別委員会でも「安全論議が尽くされていない」という声が強まり、審議は深夜に及んだ。
 同意した四町村以外にも、再開に不安を覚える自治体は少なくないし、泊原発の周辺では大きな活断層が見つかっている。
 高橋知事は「調整に時間をかける性格のものではない」と述べていた。まったく逆だ。議会や住民などとの合意形成には、十分な時間を費やしたい。
 福井県には、全国最多の商業用原発十三基が集中し、うち九基が停止中である。
 西川一誠知事は「福島第一原発の事故を踏まえた新たな安全基準が示されなければ、再稼働は認めない」という姿勢を堅持する。
 再開ありき、では不安は増すばかりだ。地域住民の不安をくみ取り、地質や気象の条件なども踏まえた議論と判断を、原発立地道県のすべての知事に望みたい。

中電、浜岡再開さらに厳しく
2011年7月30日
 中部電力の水野明久社長は29日の記者会見で、経済産業省原子力安全・保安院からの「やらせ」要請を受け、中電側も「会場に空席が目立たないように」と社員や関係者の動員をかけていたと明らかにした。原発政策への不信は高まるばかりで、中電が目指す浜岡原発静岡県御前崎市)の早期再開はさらに厳しくなりそうだ。
 水野社長はこの日の記者会見で、社員らの動員について「議論を誘導する意思があったとの誤解を招くおそれもあり、深く反省する」と陳謝した。
 さらに「席を埋めるという意識を(保安院と)共通して持っていた。当時はコンプライアンスに抵触とまでは考えていなかった」と判断の甘さを認めた。水野社長の言葉には九州電力の「やらせメール」問題で高まった批判の声を意識していることをうかがわせた。
 一方で監督官庁による「やらせ指示」を明らかにしたことについては「保安院の依頼の事実を粛々とご報告したということ」と述べるにとどめ、国に協力せざるを得ない事業者の立場をにじませた。
 中電は浜岡原発の早期再開に向けて、政府に対して来年12月に完了を予定する津波対策後に許認可手続きを迅速に進めるよう求めてきた。しかし、安全にお墨付きを与えるはずの国の「やらせ」指示で信用は失墜。中電の動員にも疑惑の目が向きかねず、地元の合意形成に向けてさらに難しい状況になっている。

脱原発方針 明確な工程表を早く
2011年7月30日
 菅直人首相が記者会見で、原子力発電への依存度を下げる中長期政策を表明した。「脱原発」の炎を絶やさないためにも、現内閣だけで終わらせず、次期政権にも方針を引き継ぐことが重要だ。
 首相の会見は今月十三日以来。前回の会見では将来の「脱原発」を表明したが、閣内からも批判が相次いだため、「個人の考え」に軌道修正をしてしまった。
 この点、首相はこの日決定した「革新的エネルギー・環境戦略」を「政府の統一的な政策を示すもの」と述べた。原発依存度を下げることを政府の方針と明確に位置付ける意味があるのだろう。
 重ねて言うが、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発をなくすという方向性は支持する。
 共同通信が二十三、二十四両日に行った全国電世論調査によると、首相の「脱原発」方針に「賛成」が31・6%、「どちらかといえば賛成」が38・7%と、合わせて七割以上の人が賛成だ。すでに脱原発はほぼ国民的コンセンサス(同意)があると言ってもいい。
 ただ政府は、当面の電力需給安定策として「安全性が確認された原発の再稼働を進める」ことも決定している。
 すべての原発を停止するまでにどれだけの時間をかけるのか、原発停止で減る分の電力をどう補うのか。脱原発の実現までに、詰めなければならない点が多々ある。
 政治の役割は、具体的な将来像とそれに至る明確な工程表を国民に提示し、着実に実現することである。どれが欠けても、政治の役割を果たしたとはいえない。
 菅内閣はどうか。将来像を示したことは評価したいが、工程表の欠如と実現力のなさが問題だ。
 自然エネルギーの拡大や原発依存度の引き下げなどの数値目標づくりはこれからだ。実現力という点では、すでに退陣表明した首相にどれほどの力が残されているのか、疑問は消えない。
 国の根幹にかかわる中長期的なエネルギー政策は政権が代わっても引き継がれることが重要だ。首相の個人的考えとして軽々に語られるべきものではない。脱原発の方向性を担保するためにも閣議決定などの手続きが必要だ。
 現行法では、エネルギー基本計画は経済産業相が作る。官僚の抵抗で骨抜きにされないためには強い政治主導が欠かせない。
 首相に残された役割は、次の政権に脱原発方針を引き継ぐため、政治生命を賭すことである。


古賀茂明

1955年生まれ。麻布中学校・高等学校を経て[1]、東京大学法学部在学中、大蔵省や民間企業からも採用内定を得たが、結局1980年大学を卒業し通商産業省(現経済産業省)入省。大学時代は二年留年した。同期入省に西山英彦など。高校の同期に湯浅卓、大西洋など。
大臣官房会計課法令審査委員、経済協力開発機構OECD)勤務、経済産業省課長、中小企業庁部長、独立行政法人産業技術総合研究所理事を経て、2008年に国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、渡辺喜美行革相の考えに近いハードランディング的な公務員制度改革に取り組んだ。
政権交代後の2009年12月に、突然民主党幹部によって[要出典]国家公務員制度改革推進本部の任を解かれ経済産業省に戻ったが、正式の役職ではない官房付に長期間とどめ置かれる異例の措置を受ける。この間、数度にわたり雑誌などで政府の公務員制度改革案を批判するなどして広く名を知られるようになった。また、2010年10月15日の参院予算委員会みんなの党参考人として出席、政府の天下り対策など批判したところ、当時の仙谷由人官房長官が「上司として一言申し上げる…こういうやり方ははなはだ彼の将来を傷つけると思います」と発言、「恫喝」であるとして話題になった。
2010年7月に経済産業省から高待遇を条件に事実上の退職勧奨である民間出向の打診を受けるが、拒否。2011年6月には、7月15日までに辞職届を提出するようにと、海江田万里経産大臣、松永和夫事務次官から言い渡されたが、7月13日、これに応じない考えを経産省幹部に伝えた。
略歴 [編集]

1974年 麻布高等学校卒業、東京大学入学。
1980年 東京大学法学部卒業、通商産業省入省。
1994年 通産省産業政策局総務課産業組織政策室長
1996年 OECD科学技術産業局規制制度改革課長
1999年 通産省産業政策局取引信用課長
2001年 経済産業省商務情報政策局取引信用課長
2002年 経産省産業技術環境局技術振興課長
2003年 産業再生機構執行役員
2005年 中小企業庁経営支援部長
2006年 独立行政法人中小企業基盤整備機構理事
2007年 独立行政法人産業技術総合研究所理事
2008年 国家公務員制度改革推進本部事務局審議官
2009年 経済産業省大臣官房付
著書 [編集]

『日本中枢の崩壊』(2011年5月20日講談社)ISBN 978-4-06-217074-1
『官僚の責任』(2011年7月16日:PHP新書)ISBN 978-4-569798059
『日本が融けてゆく』(2011年7月6日:飛鳥新社。須田慎一郎との共著) ISBN 978-4-864100984
脚注 [編集]

^ 古賀茂明「原発震災を防げなかった本当の理由とは」ビデオニュース・ドットコム2011年6月18日
外部リンク [編集]

古賀茂明Twitter
古賀茂明『官僚の責任』|PHP新書 特設
YouTube 古賀茂明氏が語る『日本中枢の崩壊』:超人大陸(平成23年6月13日号)より転載

7月31日 古賀茂明氏の自宅前に、頭と口から血を流したハクビシンの死骸が捨てられていた(ゲンダイネット
カテゴリニュース

2011年7月31日、日刊ゲンダイが古賀茂明氏に関する報道を行いました。

転載
=====
公務員改革を訴える古賀氏に嫌がらせ?
【社会】
2011年07月31日 01:29 更新
 これは悪質な嫌がらせなのか?
 天下り問題や東電の発送電分離などについて、著書「日本中枢の崩壊」やメディアで発言している“改革派官僚”の古賀茂明氏(経産省大臣官房付)の自宅(神奈川県川崎市)が30日夜7時半ごろ、突然、停電に見舞われた。当時、大気が不安定で雷が鳴るなどしていたが、古賀家の隣近所で他に停電している家はなく、不可解な状況だった。
 東電のサービスセンターに復旧を頼んだところ、営業所から「あちこちで停電しているので時間がかかる」と連絡が入り、結局、復旧したのは3時間後の午後10時半だった。この間、東電のホームページでは、神奈川県内の停電を伝える情報は一切なかった。古賀氏の自宅では先週、玄関前に、頭と口から血を流したハクビシンの死骸が捨てられていた。
=====

会見書き起こし(初稿です。訂正などは後ほど行います。)

古賀「経産省の古賀でございます。今日はあの、えー、夕方お忙しいところ、あの、お集まりいただいてありがとうございます。プレスの方もたくさんいてありがとうございます。えっと……(着席を促されて)えっと、座ってやらせていただきます。えー今日はあのー、5時くらいから20分程度、海江田大臣とお会いしました。これはあの、わたくしは海江田大臣と今日お会いするのは実は、大臣としてということだけではなくて、議員としての海江田先生とも一度もお目にかかったことがなかったので、まさにあの、はじめまして、というあの、会談でした。それでえー、まあ、冒頭私はその、始まる前の経緯を申し上げますと。あのー、まあマスコミの皆さんからですね、是非会談はオープンにして欲しいというようなお話も沢山いただいてましたのと、それからまあ普通人事の話ってのはオープンにするような話しではないんですけれども、ちょっと今回の場合は普通の人事の話とは違うなと私も思いましたので、えー、大臣の方にはですね、マスコミフルオープンでお願いしますと、いう事をお願いしておりました。まあその関係で、事前にはオープンにはできないよというお話しいただいておりましたけれども、あのー、プレスの方カメラも沢山こられて、ちょっともう混乱するようなぐらいたくさん来られていたので、もちろんそこはあの全部制止されて、???られてしまいましたけど。大臣とお会いして一番最初にですね、マスコミの方も沢山おられるので是非オープンでお願いしたいと、いうお話を申し上げましたけれども、そこはあの平行線のままで、まあ大臣の方からはまあ人事の話ってのは普通はオープンにしないものだというようなあのー、お話で、平行線のまま結果的には私と大臣のですね、まあ2人だけで、つまりあの大臣には秘書官とか次官とかですね、そういう他の人はつかないでですね、大臣と私と一対一でおはなしをさせていただいたというところでございます。で、えー、まあそのあと本題に入りましてえー、私の方からは、退職勧奨、松永時間から受けたんだけれども、それはお断りを申しました。それは大臣はご承知ですね、ということでもちろん大臣は、聞いてるよと、いうことでありました。で、それで私は従って私としてはあのー、役所にいてですね仕事を与えていただきたい、いうお願いをしましたと。で、えー、今、その??お願いをしたんだけれども大臣のお気持ちをお聞かせください、という話をしたところですね、大臣の方からは、まあ君はいろいろ本を書いたりテレビに出たりいろいろ発信することもできるそういう人だから、えー、まあ外に出てですね、自由に活動してもらったほうがいいんじゃないかと、いうふうに自分は思っていると、いうあのお話をいただきましてですね。で、私はそれは要するに私をクビにしたいということですかと、いうあのー、率直に申し上げたんですけれども。ま、大臣の方は???そのクビにするなんてことは言ってないよと。辞める辞めないというのは勧奨退職っていうのはですね、あくまでも勧奨だから僕はそうしたほうがいいと思うよということを言っているだけであってですね、首にするだとかそういう強い言葉を使わないでくれ、いうようなことをあの、言われました。で、えー、まあ???、その結局ほとんど同じことの繰り返しでですね、えー、要するに、仕事を与えていただけるのかどうかと、私はそのポストでなにか残りたいとかそういうのではなくてですね、えー、仕事を与えていただけるのかどうかということだけをお聞きしたいと、で、えー、もうやめないんだ…辞めなくても仕事は営々んにないんだよということであればそれはそれで考えなくちゃいけないし。えー、仕事は与える可能性はあるんだよということであれば、それは待たせていただきたい。で、その2つしかないじゃないですかと。大臣どちらでお考えなんですかという話を申し上げましたけど、まあ大臣の方は、なんていうか、まだ会ったばっかりじゃないかと。いう…(会場大爆笑)それとちょっと20分くらいしかなかったんですけども、なんかあの大臣の方で予定がいろいろ予定があの変わっちゃってねと、充分に時間が取れないんだよと、それは申し訳ない申し訳ないとおっしゃってましたけども。それでちょっと今日はもうこのへんでということでですね。えー、別にその今日限りと言うつもりもないし、あのこれから何回も会っていくんだからと、あのー、仲良くしようよというような趣旨のことをおっしゃられてですね、会談を終えたと。ですから結論的に言えば、何も結論は出ていなくって、えー、あと、まあ何回か、会おうよってのはその大臣の方から声がかかるのかまたあの、部屋はいつも空いてるからということもおっしゃっていたので私の方からお願いをしろという趣旨なのかちょっとそこはよくわかりません。また秘書官の方にですね聴いてみたいとは思いますけれども。えー、ちょっと中途半端な状況で申し訳なんですけども。今のところそういうところで終わったと、そういう事でございます。」

古賀「???先生にそういうふうにつめられると私も(会場笑い)困るんですけど。ですからそこは私も正直言ってよくわかりません。で、あの大臣は2つのことを言われて実は外で活躍したらいいと思うよとそれはまあなんていうか、それは辞めろという趣旨ではなくて、私が上手くつながるように解釈するとすれば、暖かい親心としてですね、えー、アドバイスをして頂いてると。で、えー、まあだからその決してクビにするというようなことを言っているわけじゃないんだと。まあきょうはまだ会ったばっかりでお互いの事をよくわかりあえてないから、何回か会ううちに分かり合えるんじゃないかというようなご趣旨だと思います。まあ、普通それは辞めろと言う前にやるんじゃないかと(会場笑い)思うんですけどね。」

質問「自分の決断で退職を鑑賞したということを明言したんですね、委員会で」

古賀「そうですね、そこはあのー、私はその、松永さんにそう言われてお答えしましたといったときに、いやいやそれは自分も知ってるしじゃあそれは大臣はどうなんですかということについて先ほどおっしゃったように、外に出て活躍した方がいいと思ってるようなことでしたから、基本的にはやめたほうがいいよと。いう事でそこは事務方と一致しているという意味合いだと思いますけれども。ただ松永次官はまあ強い調子で辞めろというのに近いような言い方をされたのに対して大臣はけっし辞めろと言っているわけではないと。というあのー???。

福島瑞穂「じゃあなんに着いての話し合いを継続してるんですか?」

古賀「いやなんか、分かり合えるという…(会場笑い)」

質問「あのー、みんなの党の江口ですけど、あの、発信力があると言うようなことであるならば海江田さんは大いに経産省に古賀さんはいって、経産省のことを、世の中に発信してもらったほうがメリットがあるんじゃないかというふうに経産省のPRにもなるんじゃないかと思いますけれども。その、ニュアンスはどうたったのかということと。もうひとつはあの、何回も何回もこれからお会いしてと、そのニュアンスは最終的にはやっぱり退職というか、そういうような示唆をしようとしてるんでしょうか? ニュアンスはどうだったのでしょうか」

古賀「えっとニュアンス、いや、私、から見ると、あの分かりあってきっと君は辞めたい気持ちになるだろうという意味で言ってる(会場笑い)のではなくて、なんかこう、なんか上手く終わるんじゃないのっていう、まあそれはいつまでなのか、とかそういうことも全然わからなかったです」

原口「もうすぐでなきゃいけない、古賀さん頑張ってください。あの、結局何を理由に松永さんはあなたの職を勧奨退職しますよといったのか。私もちょうど去年の今頃まで、その全体の公務員の人事管理をする立場にいましたけども、公務員は身分保障って言われていて、これは別に親方日の丸でその人達を身分を守るって言うのではなくて、政治的な中立、どんなことがあっても変な理由で辞めさせられないっていうのが公務員の身分保障なんですね。そのへんはどういう言質を彼等は出してるんですか?何をもって貴方が辞めなければいけないと言ってるのか。そこを教えていただきたいです」

古賀「あの私が最初に退職勧奨を受けたときに言われたのは、本当に一言で、あなたにふさわしいポストはないからというそれだけでした。なにか悪いことをやったとか、能力がないとかそういうような、事は一切言われずに、ただあなたにふさわしいポストはないからやめてくれということでした」


2010/11/11とりあえず、のブログ

「再編成絡み告知?」  名古屋市交通局、JR、名鉄と周辺交通について
ついに発表されたようです。

地下鉄桜通線野並・徳重間の開業にあわせたバス路線の再編成について

今回のものと素案との違いについて

1.相生11(案)→鳴子16

これは、素案では地下鉄相生山を挟んで島田一ツ山〜藤田保健衛生大学病院を結ぶ予定(?)だったものが、地下鉄鳴子北〜鳴子町〜鳴子みどりが丘藤田保健衛生大学病院に変更となるもの。

2.幹原1延伸

これは、相生11(案)の内、島田一ツ山〜地下鉄相生山間が無くなることに対して、幹原1延伸(島田一ツ山〜相生山住宅間の一部延伸で島田一ツ山〜地下鉄相生山間のアクセスを設置)で救済されるもの。

3.幹野並1改め幹鳴子1の経路

ぶっちゃけ言えば、野並〜地下鉄鳴子北(現:野並車庫)間が無くなるだけに。あ、緑文化小劇場(現:徳重)〜緑車庫も。かわりに緑文化小劇場〜地下鉄徳重間は設置。篭山西折り返しは廃止ということ。

4.徳重14、緑巡回延伸

有松駅改め名鉄有松〜鳴海団地間を伸ばし、地下鉄徳重〜鳴海団地間に(一部は地下鉄徳重〜名鉄有松)。これと緑巡回(素案)の有松町口無池〜名鉄有松延長によるJR線〜桶狭間地区の補完整備により、名鉄バス有松駅発着の名古屋市内分に関しての市バス代替はほぼ完成。

5.名港16

これは、中京病院周辺住民が地域生活道路にバスが、といった苦情から、改正おじゃんになったものです。すなわち、改正前と同じ。

6.新瑞15増発

野並住宅利用者の苦情に応じて、新瑞15のルートを活用して出入庫系統扱いを付加するもの。
出入庫による新瑞橋〜地下鉄鳴子北間の増便。


2010/11/14
「素案「相生11」改め鳴子16問題についての提案他。」  名古屋市交通局、JR、名鉄と周辺交通について
 今回の地下鉄桜通線野並〜徳重間延長に伴うバス再編。全ての地域に円満に解決するものであればいいが、必ずしもそうはいかない。場所によってはバスの大幅削減で、かえって不便になるというお年寄りや障害者もいる。彼らは乗り場が遠距離の高速交通より乗り場が近距離の利便性のいい交通を選んでいる。というのも、足が不自由だったり体力的問題から、高速交通の利便性を相殺してしまうためだ。
 つまり、ゆっくり行っても目的地にきちっとたどり着く方が彼らの利便性として優れているわけだ。

 ということもあり、今回の再編も素案から見直しが行なわれ、計画路線である新瑞15の増便(元の幹原1から比べると若干の減便)、「素案」相生11の地下鉄鳴子北乗り入れの伴う「計画路線」鳴子16への変更がなされたわけだ。

 しかし、彼らの言い分が時には思わぬ被害を与える場合もある。つまり「割を食う」というものである。

 それは、平手交差点から細口、鳴丘三丁目、小坂一丁目、滝ノ水一丁目、神沢三丁目に至る、地下鉄予定道路から少し離れている地域である。
 小坂一丁目周辺の地図
 ここは、野並14の沿線で通勤時の輸送でも平手以遠より利用率が上がる地域であり、かつ神沢2丁目バス停でほぼ満車になる程の地域でもある。

 今回、路線改訂素案の段階で島田一ツ山〜地下鉄相生山〜神沢2〜藤田保健衛生大学病院となったが、鳴子町〜鳴子みどりが丘間の利便性低下から住民が反発、
地下鉄鳴子北〜鳴子町〜鳴子みどりケ丘藤田保健衛生大学病院に変更となった。

 鳴子町〜鳴子みどりが丘間の連絡および鳴子住宅住民の藤田保健衛生大学病院へのアクセスという面では解決したと言えるため、一件解決したかに見える。

 ただ、私は鳴丘2丁目周辺から徳重方面のアクセスについて緑文化小劇場の地域懇談会で述べたが、これを反古にされたばかりか、速達性についても無くなったわけで、その点は改悪と言わざるを得ない。

 そこで、新たに相生山住宅〜地下鉄相生山〜神沢2〜平手〜地下鉄徳重といった路線を設定すればどうか?起終点がショッピングセンター等もあり、決して不便な路線とはならないと思う。バス運用も、担当も野並営業所が主だが緑営業所も時間帯によっては担当する神宮11や、私が提案する「素案」相生12改め「計画路線」相生11の改良案によって余剰になった車両を回すことで朝の運用を行ない、継ぎ足しの形で昼間以降の運用も活用することで、50本以上の割当がなされるのでないか?

 なお、私案では平日ダイヤでは”鳴子16”を62本、"相生12"を62本とした。理由には、”鳴子16”の輸送主体が高齢者の藤田保健衛生大学病院への輸送をターゲットとしているため、昼間主体のダイヤになると推測(30往復、6〜19時台30分間隔を想定)、担当も野並営業所(一部緑営業所)を想定した。
 一方、"相生12"は6〜9時の朝ラッシュ時に9往復を想定、10時台以降も40分間隔で、夕方は30分間隔の62本を、担当を緑営業所と想定している。ちなみに"野並14"は現在平日61本を運転している。

「相生11」
島田一ツ山〜地下鉄相生山〜神沢2〜藤田保健衛生大学病院66

鳴子16
地下鉄鳴子北〜鳴子町〜鳴子みどりケ丘藤田保健衛生大学病院 66

鳴子16
地下鉄鳴子北〜鳴子町〜鳴子みどりケ丘藤田保健衛生大学病院 62
(30往復、6〜19時台30分間隔を想定)
相生12
相生山住宅〜地下鉄相生山〜神沢2〜平手〜地下鉄徳重 62
(神沢、鍋山周辺短絡化補完、朝夕を中心に、昼間40分/毎)

関連の2系統についても提案を。

神宮11
名鉄神宮前〜新瑞橋〜相生山住宅 47
名鉄神宮前〜新瑞橋〜島田一ツ山 59
新瑞橋〜島田一ツ山 18

名鉄神宮前〜新瑞橋〜地下鉄鳴子北 44
名鉄神宮前〜新瑞橋〜相生山住宅 3
名鉄神宮前〜新瑞橋〜島田一ツ山 59
新瑞橋〜島田一ツ山 18

朝の中根→新瑞方面はともかく、地下鉄駅に近いこともあるので、そこに接続するのが望ましいが。

「相生12」→相生11
島田住宅〜滝ノ水公園〜大清水 50

島田住宅〜滝ノ水公園〜大清水 45
島田住宅〜地下鉄相生山〜相生山住宅 朝3夕2
地下鉄相生山←滝ノ水公園←大清水 朝5
(相生山→徳重回送)

完全な片輸送故、そことのバランスを考慮し、相生山からの回送についても上記の"相生12"を活用。

 仮に、"鳴子16"のみがそのまま採用となり、"相生12"は却下された場合、神沢2付近からは"篠の風"で"相生11"を使用するほか、自転車を使って相生山駅もしくは神沢駅へ使うことが想定(生活道路の影響や、事故の発生元にも)。

 また、他の地区も鍋山地区周辺が平手付近から徳重へ、小坂周辺が"相生12"等と分散する恐れもあるため、"鳴子16"の沿線効果は最小限にとどまるのではないか。

 次に、篠の風北〜ほら貝方面の路線問題についても述べたい。


2010/11/14
「ずいぶん遅れましたが、ヤマダ名鉄百貨店進出。」  とりあえずいろいろ
 今週の新聞で話題になった、ヤマダ電機名鉄百貨店への出店。
 『名駅地区の保有資産の有効活用について』(その2) 名鉄百貨店ヤング館へのヤマダ電機LABI名古屋駅前店(仮称)」出店及び本館のお買場改装について(名鉄HPより)
 来年を機に出店の話となっているが、一方、今年8月29日をもって閉店した松坂屋名古屋駅店の入居する名古屋ターミナルビルは名古屋中央郵便局名古屋駅分室(旧本室)のビルとともに、改築となり、そこにヨドバシカメラがオープンとなるが開業は2016年。遠い話である。

 ただ、今回の戦いで最も苦しい戦いになりそうなのは、実は名古屋の「古株」エイデンだったり。
 というのも、駅前から離れた柳橋交差点近くに存在するため、更に顧客離れが、との心配も。
 そういえば、かつては柳橋西広小路通り沿いにCompMartとMacMartがあったが、南側にあったMacMartが先に閉まり、あとにCompMartも閉まり、ともにエイデン本店に移っている。

 ちなみに、秋葉原での写真撮影会等が行なわれる石丸電気もいまやエディオン傘下。もう一方の写真撮影会等が行なわれるソフマップビックカメラの傘下に置かれている。名駅西を見ると家電量販「茶番」戦争にも見えてくる。

 秋葉原と言えば、九十九電気が有名だった(この地域では大須に集中)が、経営破綻後、ヤマダの傘下に。ヤマダの傘下と言えば、マツヤデンキを軸とした星電社サトームセンと統合した「ぷれっそホールディングズ」も、新生銀行に「売られて」傘下になった形。さらに、あの名古屋の家電量販店「ベリーズ(ホーエーの方が有名?)」も今やヤマダ傘下。

 と、家電戦争によって、影響力をつけ続けるヤマダに対し、他社陣営がどう望むのか気になるところでは....。


ヤマダ電機出店で合意 来秋、名鉄百貨店の現ヤング館に
2010年11月10日 02時03分

 名古屋鉄道は9日、家電量販店最大手のヤマダ電機との間で、名鉄百貨店本店ヤング館(名古屋市中村区名駅)への出店で合意したと正式発表した。併せて、隣接する本社ビルから鉄道事業本部を移転し、生じた空きスペースを貸し出すことも発表。名駅という一等地の資産を有効活用し、集客力の向上と新たな収入源の確保を狙う。
 ヤマダの店舗は都市型大規模店「LABI(ラビ)名古屋駅前店(仮称)」。2011年秋にも開業する。営業面積約1万2千平方メートルで、現在のヤング館のほぼ全館にあたる地下1階から6階を占める。ヤング館は来春で営業を終了。百貨店は本館、メンズ館との3館から2館体制へと縮小させる。
 名鉄百貨店は、近接するジェイアール名古屋高島屋との競合に加え、消費低迷により業績は振るわず、事業の見直しが急務となっていた。名駅地区では、JR東海が16年度に完成予定の新ビルに、家電量販店第3位のヨドバシカメラを誘致する方針を公表したばかり。既存の大規模家電店もひしめき、一大激戦地となる。
 一方、鉄道事業本部は「名鉄バスターミナルビル」から、名鉄神宮前駅(同市熱田区)に新設する鉄道業務ビルに移す。
 子会社の移転を含め、ターミナルビル9、10階を空け、テナントを誘致する。
 鉄道業務ビルは、地上7階の事務棟(延べ床面積7300平方メートル)と、地上6階の現場担当者用の宿泊棟(2100平方メートル)の2棟で、12年1月に完成予定。神宮前駅には運転、電気、土木など現場の部署があり、鉄道の運行と管理部門を一体化させるのが狙い。運転指令も最新システムを導入する。


LAOXが銀座の松坂屋進出って、まさにジム コリンズの「トレードオフ」に書かれている上質と手頃の間の幻影をおったデスバレーに陥る戦略に見えるけど大丈夫か あのラオックスが銀座松坂屋のテナントになったのか 同族経営gdgdで迷走のあげく中華資本に買収

松坂屋。確かに銀座の百貨店の中では完全に三越松屋に距離を開けられたな。ラオックス受け入れも必至だったんだろうけど、Forever 24、ラオックスTiffanyというテナント顔ぶれ。何をやりたいんだ
またチャイニーズがぎゃあぎゃあ言う声が聞こえることになる。 松坂屋は大きなイメージダウン

化粧品の売り上げ比率

中国から日本にきたのに、中国人相手の商売って。海外の日系デパートも似たようなものだろうけど。もったいないな。 QT @linsbar: テレビ朝日サンデーフロントライン。銀座松坂屋に、ラオックス銀座店。。(ま、中国資本による、中国観光客の囲い込み戦略ですね)

ラオックスの戦略はクロス。銀座松坂屋にテナントで出店。見物に行ってみるか客層と品揃え。銀座も外国人観光客が目立つ様に

中京銀頭取に深町氏
2010/11/12 22:12

 中京銀行は12日、深町正和副頭取(58)が2011年1月1日付で頭取に昇格する人事を発表した。末安堅二頭取(66)は代表権のない会長に就任する。11年秋に情報システムを全面刷新するのを控え、早期に新体制を発足させることで円滑な稼働を図る。

 深町 正和氏(ふかまち・まさかず)1975年(昭50年)慶大法卒、東海銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。2008年三菱UFJ証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)常務執行役員。10年中京銀顧問、副頭取。群馬県出身。


高橋名商会頭を選任 中小の環境整備に重点
2010年11月3日 朝刊
記者会見する名古屋商工会議所の高橋治朗新会頭(右)と岡田邦彦前会頭=名古屋市中区で

 名古屋商工会議所は2日、名古屋市内で臨時議員総会を開き、名港海運の高橋治朗会長(77)を27代目の新会頭に選任した。任期は2013年10月までの3年間。
 高橋新会頭は就任あいさつでキャッチフレーズを「共創と前進〜共に創(つく)ろう!明日の名古屋〜」と表明。「政治、経済、社会の大きな変革の時代を迎え、機敏な対応が求められている。地域の強みや魅力をさらに磨き上げ、国内外との交流を進める」と意欲を述べた。
 円高など懸念材料について「大多数の中小企業にとって、極めて難しい局面が続いている。高い技術力や優れたビジネスプランを持つ中小企業が、生き生きと活躍できる環境を整備し、さらに力を伸ばすのが重要な使命だ」と話した。
 新しい副会頭には東邦ガスの水野耕太郎会長(69)、岡谷鋼機の岡谷篤一社長(66)、J・フロントリテイリングの茶村俊一社長(64)、トヨタ自動車の立花貞司相談役(63)がそれぞれ就任。名古屋鉄道の木村操取締役相談役(73)、三菱東京UFJ銀行の佐々和夫常任顧問(63)の両副会頭は再任した。会頭を退いたJ・フロントリテイリングの岡田邦彦相談役は、記者会見で「高橋新会頭は地域の誇る名古屋港の歴史そのもの。陸海空のインフラの大切さを身をもって知っている」と述べた。
 高橋新会頭と岡田前会頭、新副会頭4人はこの後、同市中区の中日新聞社を訪れ、大島宏彦最高顧問、白井文吾会長、大島寅夫社長らと懇談した。

トヨタ2年ぶり黒字 9月中間 下期、円高で減速も
2010年11月6日 朝刊

 トヨタ自動車が5日発表した2010年9月中間連結決算(米国会計基準)は、エコカー補助金による国内販売の好調などを受け、売上高が前年同期比15・5%増の9兆6784億円だった。営業損益は3231億円の黒字、純損益も2891億円の黒字を確保し、中間期としてはいずれも2年ぶりに黒字化した。アジアなど新興国市場での販売が大幅に伸び、急激な円高の影響をカバーした。
 同時に発表した11年3月期の業績予想は、売上高が8月発表の前回予想から5000億円減の19兆円、営業利益が500億円増の3800億円、純利益を100億円増の3500億円に修正した。
 ただ、高止まりする円高水準を踏まえ、想定為替レートを1ドル=90円から85円に切り上げ。下半期(10年10月〜11年3月)の営業利益は、上半期実績の6分の1程度にとどまる見通しだ。
 小沢哲副社長(経理担当)は「収益改善で円高による減益をはね返す」と強調。さらに「日本の経済と雇用を守る視点から、何としても日本での生産を守りたい」と述べ、現状の国内生産規模を維持する姿勢を示した。
 9月中間決算の連結販売台数(ダイハツ工業日野自動車含む)は、前年同期比18・7%増の371万5000台。地域別の営業損益は、エコカー補助金効果があった日本をはじめ全地域で改善。特に、タイやインドネシアなどで販売が急増したアジアは、中間期として過去最高の1642億円の利益を記録した。
 ダイハツ工業日野自動車などを除くトヨタ単体の9月中間決算は、輸出採算の悪化などで営業損益が1494億円の赤字。固定費削減などの社内努力効果で、赤字幅は前年同期の2657億円から縮小した。
 11年3月期の連結販売台数見通しは前回発表から3万台上乗せし、741万台に上方修正。市場の回復が遅れている北米を8万台減とする一方、好調が続くアジアなどでの拡販を見込んだ。

「質問が不愉快」苦情殺到 名古屋リコール再審査
2010年11月10日 09時04分

 名古屋市議会の解散請求(リコール)に向けた署名の再審査で、署名時の状況を確認する調査票を受け取った多数の署名者が「質問の内容が不愉快だ」との声を各区の選管に寄せている。多くは「どのように署名を求められたか」との質問に、「自ら署名したのに」と反発。再審査への不満が根底にあるとみられ、選管は思わぬ反応に戸惑っている。
 調査票は「誰に署名を求められたか」などの質問に選択式で答える。5日に9300人分を発送した名東区選管には6〜8日に200件の電話があり、職員が週末出勤で対応。瑞穂区選管には8日だけで50件、千種区選管には9日までに100件の電話があった。多くが「求められたか−という受け身の表現はおかしい。自分の意思で署名した場合は答えようがない」との苦情だったという。
 北区の男性(59)は「質問の仕方に悪意を感じる」と憤る。瑞穂区の男性(56)は「誰からも求められていない。自分の意思で署名した」と調査票に書き込んで返送したという。
 これに対し市選管事務局は「調査目的が署名を集めた人物の特定にあるので、集めた側からの表現にしたのですが…」と説明する。
 調査票の発送は5日から始まり、9日には16区の選管が発送を終えた。市全体の発送数は、受任者欄に記名がなかった署名11万4千人分から、重複などの無効署名を除いた9万9千人分。
 質問は、どんな場所や状況で署名したか、誰に求められたかなど。「街頭や自宅、職場での対面で」「請求代表者」または「分からない」と答えた場合のみ有効となる。
 一方、河村たかし市長の意向を受け、市の入倉憲二総務局長は8日、市選管事務局長あてに質問状を出した。再審査の調査票が無返送だった場合の有効、無効の判断基準を再審査終了まで明らかにしない理由▽署名の審査基準などを変えたとの指摘についての見解−を尋ねている。


2010/11/14
「西蒲線自治体支援と名鉄鉄道本部移転」  名古屋市交通局、JR、名鉄と周辺交通について
名鉄西尾・蒲郡線が存続へ 沿線自治体、支援で合意(朝日)西尾・蒲郡市名鉄に年2.5億円支援 2路線運行継続(日経)

 ずいぶん前に、「廃線予定がらみ」路線に対して気になっていたころがありましたが、今回もその類です。
 ただ、どうする?と訊ねながらも自治体がなんとかかわしているようです。

 名鉄西尾・蒲郡線、西尾〜蒲郡間27.3Km。3年7億5000万円が西尾、蒲郡両市と吉良、幡豆両町が負担することで存続延長となった。
 ちなみに市町村は、負担分1/3を愛知県による支援を求めているが、愛知県は「最大限の協力をしたい」。「最大限」ってところに、今の「TOYOTAショック」の余波が続いているということなのだろうか?皮肉だ。

 ちなみに、2011年4月に吉良、幡豆両町は一色町とともに西尾市と合併、新「西尾市」が誕生する。一色、吉良両町とは三河線代替バス「ふれんどバス」の対策協議会のメンバー。吉良、幡豆両町は西蒲線の対策協議会のメンバーで、新・西尾市は「廃線」処理継続と「廃線まぎわ」の処理の二つを強いられる。

 ただ、岐阜市のドタバタから見た600V廃線劇を目の当たりにした西蒲線の対策協議会にとっては、とりあえず凌ぐ形をとりながらも「いずれ」を踏まえた対応をしなければならない。

 にしても、西尾〜吉良吉田間が「トランパス」対応、さらに「manaca」対応?ということを考えると名鉄も罪づくりであるな。

 で、その名鉄が鉄道事業本部を名鉄バス発着場のビルから神宮前に移転建設するようで。
 ちなみに名鉄バス等も移転し他のフロアを貸し出すというもの。
 一方、運転部門が既に神宮前にある(神宮前乗務区)ため、管理部門である鉄道事業本部との統合となる。
名駅地区の保有資産の有効活用について』(その1)神宮前駅東口での鉄道業務棟建設計画の概要がまとまる〜安定的な列車運行と事故・災害時対応力の向上〜(名鉄HP)

経験してみるまでは、何事も現実ではない。人生が教えてくれるまでは、諺ですら諺とはならない。          (ジョン・キーツ イギリスの詩人)


御室会頭は続投 浜松商議所新体制内定
09/14 07:51
 10月末で3年の任期満了を迎える浜松商工会議所の次期正副会頭人事が13日内定した。現会頭の浜松信用金庫理事長御室健一郎氏(65)は続投し、5人の副会頭は、スズキ顧問宮川勇氏(68)=元スズキビジネス会長=、ハマキョウレックス代表取締役会長大須賀正孝氏(69)、ブティック・ビギ代表取締役社長石井義勝氏(67)の3人を新任し、エフ・シー・シー代表取締役会長山本佳英氏(68)、ヤマハ取締役常務執行役員岡部比呂男氏(58)を再任する。
 専務理事は現職の坂本豁氏(62)の再任が内定。いずれも11月1日の臨時議員総会で正式決定する。
 13日に会見した御室氏は「実業界の経験を重視して」、ともに創業者の大須賀、石井両氏を迎えることを挙げ、宮川氏については「県内トップ企業のスズキグループを代表して迎えたい」と語った。新体制の下、リーマン・ショック後の不況や円高の難局に立ち向かい、中小企業対策にも全力を挙げる決意も強調した。
 現副会頭の静岡エフエム放送代表取締役会長山口治郎氏(69)と谷島屋代表取締役社長斉藤行雄氏(59)は退任する。


富士山人気、駐車問題が深刻化 対策求める声
09/14 14:41
 富士山人気の高まりに伴い、登山口に向かう道路で交通問題が顕在化している。好天に恵まれたことなどから今夏の富士登山者や観光客は前年を大幅に上回り、交通量も増加。5合目駐車場をあふれ出た車両が、例年以上に長い路上駐車の列を作った。「交通事故の危険性が高まるとともに、観光面にもマイナス」として、マイカー規制の拡充など来シーズン以降の対策を求める声が強まっている。
 県内の3ルートを利用した今夏の富士登山者は14万3695人で、前年より12・8%増加した。これとは別に、各登山道の5合目には多数の観光客が詰め掛け、車やバスの通行台数が急増。県によると、最も来訪者が多い富士宮口の県道の渋滞は7月31日のピーク時で約9キロに上った。5合目駐車場に収用できない場合は下り線の路肩に縦列駐車していくが、同日はその列が最長9・4キロに連なった。
 縦列駐車の最長距離はこの5年間で約3・8倍に伸びた。高速道路の休日上限千円に西富士道路の無料化が加わり、落石対策工事で駐車場の収容が50台減ったことも拍車を掛けたとみられる。通行の妨げにならないようカーブ部分は駐車禁止としているが、徹底されず、交通障害となって渋滞が長引く悪循環も。行政と地元の警察署、観光協会には登山者からの苦情や要望が相次いだという。
 県は7月の「海の日」や8月の週末を中心にマイカー規制を実施しているが、今夏は規制日以外も渋滞がほぼ慢性化した。富士宮市内の観光関係者は「交通量の増加は来年以降の明確な課題。交通規制を拡充するか駐車場を増やす必要がある」と指摘。「せっかくの来訪も不快な思いをさせてはリピーターにつながらず、観光面でマイナスになる」と懸念する。
 県は「改善を求める声は把握している。関係機関と協議しながら今後の対応を検討していきたい」(富士土木事務所)としている。


中部空港―ヘルシンキ、毎日運航へ フィンランド航空
2010年9月8日
 フィンランド航空は、来年3月27日から、中部空港発着のヘルシンキ線を週7便にして毎日運航する。円高などを背景に利用者が戻ってきたため。現状は週6便。10月28日からは週4便といったん減るが、12月31日からは週5便となり、来春から大幅な増便となる。


松本経由の静岡―札幌便 運賃見直し検討 FDA
09/14 14:44
 10月31日からの冬ダイヤで静岡―札幌の直行便を運休し、代わりに松本経由で静岡―札幌間を運航するフジドリームエアラインズ(FDA、牧之原市、鈴木与平社長)は、「サービス低下」の指摘などを受けて8月30日に発表した松本経由の静岡―札幌便の運賃の在り方を見直す方向で検討していることが14日、分かった。
 松本経由便は所要時間が直行便の1時間40分から1時間余り増えるのに、料金(普通)は1200円高くなるため、利用者からは不満の声も届き、川勝平太知事も13日の定例記者会見で、「明らかにサービス低下」とFDAの鈴木社長に改善を求める注文を出していたことを明らかにした。
 冬ダイヤのチケットはすでに販売が始まっている。FDAは直行便並みの運賃に引き下げるか、あるいは運賃はそのままにして別のサービスを付加するかなどを検討しているという。


鳥取ワイド : 米子−中部便利用増へ運賃助成へ
 全日空(ANA)が来年1月で運休する米子−中部便で、地元経済団体が搭乗率向上への取り組みを加速させている。会員企業の利用の呼び水にしようと、商工会議所や観光協会が独自に運賃助成制度を創設。鳥取県や経済団体で組織する米子空港利用促進懇話会は10月までの3カ月間、搭乗率80%を目指しての強化月間と定めており、目標の達成に向けて尽力する考え。


中部電、温暖化対策へ現実策 西名古屋火力発電を刷新
2010/9/15 5:47

 中部電力が西名古屋火力発電所(愛知県飛島村)の設備を全面刷新することを決めたのは、環境規制が強化される中で、原子力発電所の比率が低いのを補い、温暖化対策を強化するための現実策をとったといえる。14日に名古屋市内で記者会見した水野明久社長は「会社全体の発電効率を向上する上で意味がある」と述べ、他の火力発電所の高効率化にも意欲を示した。

 新設備は出力が現在の約2倍の220万キロワット級で、液化天然ガス(LNG)を燃料に使う。2019年度に運転を開始する計画で、総投資額は2000億〜3000億円規模になる見込み。最新鋭の高効率設備の導入により、二酸化炭素(CO2)排出量を現在の設備に比べ年100万トン削減できる。

 中部電が火力発電所の既存設備をすべて撤去した上で、新たに発電所を建設するのは初めて。水野社長は「CO2の削減は経営の最重要課題。高効率の発電所の導入でCO2を削減できる」と述べ、目的の1つが温暖化対策であることを明らかにした。

 中部電の発電電力量のうち原発の比率は09年度で14%と、20%を超える東京電力や40%超の関西電力を下回っている。中部電は浜岡原発静岡県御前崎市)以外の新規立地の開発を含め、原発比率の向上を目指しているが、実現は容易ではない。

 この状況下で現実策として浮かび上がったのが、老朽化した火力発電設備の全面刷新だ。西名古屋火力を選んだ理由について、稼働から約40年が経過していることに加え、「送電線など既設のインフラを活用できるうえ、(新規立地でないので)開発期間が最も短くて済むため」と水野社長は説明した。

 中部電は10カ所の火力発電所を運営している。今後の刷新の計画について、水野社長は「現時点で計画はないが、それぞれの設備の(稼働からの)経年や、全体の構成などを勘案して最終判断していく」と述べた。

 中部電は販売電力量1キロワット時当たりのCO2排出量について、08〜12年度に1990年度比で平均20%削減する目標を掲げている。だが08〜09年度は2年連続で目標に届いていない。今後も環境規制の強化が見込まれる中、火力発電の高効率化が引き続き重要な切り札になりそうだ。


中部電、西名古屋火力発電所を刷新 2000億円超投資
2010/9/14 20:50

 中部電力は14日、西名古屋火力発電所(愛知県飛島村)の設備を全面刷新すると発表した。既存設備を撤去したうえで液化天然ガス(LNG)を燃料とする最新鋭の設備を導入する。総投資額は2000億〜3000億円規模になる見込み。発電設備の高効率化で燃料コストの削減と、二酸化炭素(CO2)排出量の抑制につなげる。

 2014年度に着工し、19年度に運転を開始する。出力は220万キロワット級と、現在の約2倍になる。中部電が火力発電所設備の新規開発を決めたのは14年ぶり。

 現在の設備は稼働から約40年が経過し、燃料には重油原油を使っている。燃料を環境負荷の低い天然ガスに切り替えることで、現在の設備に比べCO2排出量を年100万トン、燃料費を約200億円削減できると見ている。

 中部電はCO2排出量の少ない原子力発電の比率が東京電力関西電力などに比べて低く、温暖化対策への対応が課題となっている。環境規制の強化が見込まれるなかで、今後も火力発電の高効率化に取り組む方針だ。



野村証券は9月13日に「建設セクターの維持更新市場」についてのレポートを発表した。  
 その中で、JR東日本(9020)は今後5年間で新幹線・在来線合わせて12,200本の鉄道橋の補強を進めていく予定で、2010年3月期には、このうち1,606本を東鉄工業(1835)が施工したと解説。

 1964年に開業した東海道新幹線は、東京オリンピック開催に向けて、東京?大阪の全区間の工事が集中的に行われたため、全線にわたって更新時期が一斉に到来する。 

 JR東海(9022)は、2018年頃?2027年までをめどに、鋼橋1,500本すべてを取り替える計画。コンクリート
150kmやトンネル70kmについても修復工事を実施し、総事業費は1兆円に達すると見られていると解説。(W)
[NSJショートライブ 2010年9月14日


2014年度中の長野〜金沢間の開業に向け工事が進む北陸新幹線。2009年1月、新潟県北陸新幹線の建設主体である鉄道・運輸機構から「建設負担金の増額」を求められた。新潟県がその理由について独自に調査したところ、様々な問題点が浮かんできた。新幹線は地域活性化を目的に全国各地で工事が進められている。しかし、1997年に開業した長野新幹線は地域に格差を生んだ。新幹線のルートから外れた小諸市ではデパートが姿を消し、新幹線のために新設された佐久平駅(佐久市)は大きく発展したが、市内の商店街は閉店に追い込まれた。北陸新幹線開業後、新幹線と並行して走る在来線の信越線・北陸線の一部はJRから経営分離され、自治体と民間が出資する第三セクター鉄道が運営することになる。第三セクター鉄道の経営は厳しく、新潟県は大きな負担を背負うことに…。番組では「地域振興・活性化」という光と、その裏に隠された影の部分に迫る。


名探偵コナン」のトムス セガサミー完全子会社に
 「名探偵コナン」などのアニメーション作品の企画制作・販売を手がける名古屋証券取引所2部上場の「トムス・エンタテインメント」(東京)は27日、株式交換によって、12月に親会社のセガサミーホールディングスの完全子会社になると発表した。トムスは上場廃止となる。

 セガサミーは、トムスを含む子会社3社を同時に完全子会社化し、グループ全体の競争力を強化する。セガサミーはトムスの発行済み株式の53・33%を保有。残る株式について、トムス1株に対し、セガサミー0・26株を割り当てる。

 名証で記者会見したトムスの岡村秀樹社長は「完全子会社化で、3D作品の台頭などアニメの世界的な流れに対応する戦略や投資がやりやすくなる」と話した。トムスは名古屋市に本社を置く繊維会社時代に上場し、その後、事業転換した。
(2010年8月28日 読売新聞)


セガサミーホールディングスは、子会社のサミーネットワークスセガトイズトムス・エンタテインメントの3社をそれぞれ株式交換にて完全子会社化すると発表しました。これにより、3社は上場廃止となります。

セガサミーでは完全子会社化を通じて、グループの機動性向上、リソース配分の柔軟化に繋げたいとしています。

株式交換の効力発行日は12月1日で、それぞれセガサミー普通株式を、サミーネットワークス普通株式1株に対して333株、セガトイズ普通株式1株に対して0.33株、トムス・エンタテインメント普通株式1株に対して0.26株を割当てます。


セガサミー:サミーネットワークスセガトイズトムス・エンタテインメントの3社を完全子会社化、総合エンタテインメント企業としての競争力を強化
2010年08月27日19時03分 / 提供:Sakura Financial News
【8月27日、さくらフィナンシャルニュース=東京】 セガサミーホールディングス(東1:6460)は27日、サミーネットワークス(東M:3745)、セガトイズ(JQ:7842)、トムス・エンタテインメント(名2:3585)を株式交換により完全子会社化すると発表した。

株式交換は12月1日付の予定で、サミーネットワークス普通株式1株に対して、セガサミー普通株式333株を、セガトイズ普通株式1株に対してセガサミー普通株式0.33株を、トムス・エンタテインメント普通株式1株に対してセガサミー普通株式0.26株を、それぞれ割当て交付する。ただし、セガサミー保有するサミーネットワークス普通株式2万4804株、セガトイズ普通株式1125万株とトムス・エンタテインメント普通株式2354万9,000株については、本株式交換による株式の割当ては行わない。

同社では、グループ内の経営資源を相互に有効活用し、総合エンタテインメント企業としての競争力を一層強化していくことが不可欠だと判断。今回の完全子会社化で適時かつ最適な人的・物的資源配分が容易に行えるようになるほか、グループ経営戦略を実現するための柔軟で迅速な経営判断・執行が可能になるとしている。

子会社となる3社はこれに伴い11月26日に上場廃止となる予定。


トムス・エンタテインメントストップ高、明日は343円めざす公算
サーチナニュース
トムス・エンタテインメント <3585>はストップ高の246円(50円高)で大引けとなった。前週末27日の大引け後、セガサミーホールディングス <6460>が同社はじめセガトイズ <7842>、サミーネットワークス <3745>のグループ3社を12月1日付けで完全子会社化すると発表。 ...


2010/09/03 (金)
トヨタ株:ホンダが逆転 円高や補助打ち切り懸念で 毎日新聞
ホンダ株が終値で初めてトヨタを逆転、新興国での期待度に差 ロイター
ホンダ株価2859円 トヨタ抜く SankeiBiz

最近の連結決算を比較してみました
売上など大きな金額の単位は百万円 「一株当たり」の単位は円になります
灰色がトヨタで無色がホンダです

2008年3月期 2009年3月期 2010年3月期
売上高 26289240 20529570 18950973
12002834 10011241 8579174
営業利益 2270375 -461011 147516
953109 189643 363775
経常利益 2437222 -560381 291468
895841 161734 336198
当期利益 1717879 -436937 209456
600039 137005 268400
一株当たり利益 540.65 -139.13 66.79
330.54 75.5 147.91
一株当たり純資産 3768.97 3208.41 3303.49
2504.36 2208.35 2385.45
総資産 32458320 29062037 30349287
12615543 11818917 11629115
自己資本 11869527 10061207 10359723
4544265 4007288 4328640

たしかに「逆転」は一理あります。売上のわりには営業利益からホンダに負けていますし一株益もトヨタを大きく引き離しています
株価が逆転するのも当然の結果と言えます
ただ規模が違うし株価だけで優劣がつくものでもありません


トヨタ株:ホンダが逆転 円高や補助打ち切り懸念で

 2日の東京株式市場で、トヨタ自動車の株価が前日比7円安の2850円で取引を終え、同52円高の2859円だったホンダに逆転された。円高エコカー購入補助打ち切りの影響がトヨタの方が大きいと市場に受け止められているためだ。

 トヨタが大規模リコール問題で苦境に陥った2月には、取引時間中にホンダの株価が一時上回ったが、終値ベースでの逆転は、ホンダが株式分割をした06年以降では初めて。

 急激な円高の進行で、両社とも株価は下落基調にある。ただ、対ドルで円相場が1円円高に振れた場合の営業利益の減少額は、トヨタの300億円に対し、ホンダは170億円と半分程度。通期の想定為替レートもトヨタの1ドル=90円に対し、ホンダは1ドル=87円と堅実にみている。対ユーロでは、想定レートは両社とも1ユーロ=112円だが、1円円高に振れた場合の営業利益減少額は、トヨタが50億円、ホンダが15億円とやはりトヨタの方が影響が大きい。

 また、エコカー購入補助が9月末で終了した後に予想される反動減の影響も、国内シェア約5割のトヨタの方が大きいと市場は見ている。

 日興コーディアル証券の橘田憲和氏は「ホンダは中国など新興国経営資源を集中させているが、トヨタは先進国を含めた『全方位型』。トヨタ円高や先進国の景気動向の影響を受けやすいため、当面は厳しい環境が続く」と分析している。【大久保渉】

毎日新聞 2010年9月2日 20時26分


中部大阪商取 解散へ 石油は「移管」決着
業者への影響 最小限に

 中部大阪商品取引所名古屋市)が来年1月末までにすべての取引を終えて、解散する方向となった。現在運営している金と石油の先物市場のうち、中小石油業者らの存続の要望が強かった石油市場は東京工業品取引所(東工取)が引き継ぎ、取引参加者への影響は最小限に抑えられる見通しだ。一方、国内4商品取引所の一角が事業継続を断念したことで、取引所の再編論議は加速化している。(中村紘子

 中部大阪商取は28日、石油市場でガソリンと灯油の最後の発会が行われ、来年1月末が現物の受け渡し期限となる取引が始まった。金市場はすでに5月末から来年1月末が期限の取引が始まっている。今後は両市場とも、2月以降が期限となる立ち会いは行わない。

 商品先物取引は、立ち会いの開始日から6か月先など、将来の一定期日に商品を売り買いする契約を結ぶ取引のことだ。期日にやり取りする代金は、将来の価格予想に基づいて契約時点で決めておくため、その商品の卸売・小売業者らにとっては、価格変動のリスクを避けることができるメリットがある。

 中部大阪商取が2000年1月に開設した石油市場も、東海・北陸地方の中小販売業者のリスクを回避するニーズを取り込むことに力を入れてきた。このため取引参加者側から市場存続の声が多く、東工取が中部大阪商取の移管要請に応じる形で、10月12日に「中京石油市場」を新設することで決着した。東工取は来年2月末、3月末、4月末が期限の取引から開始する方針で、中部大阪商取の市場を利用してきた石油業者らが、先物取引を中断せずに続けられる場を提供したい考えだ。

 中部大阪商取の出来高は、減少が続いており、取引がゼロになった時点で市場は休止される。市場休止後の取引所の運営について、黒岩進理事長は「解散以外の選択肢は考えにくい」としており、市場は廃止されることが確実だ。

 中部大阪商取は、会員(出資者)組織による特別法人で、取引がなくなった段階で臨時の会員総会を開き、解散を決議する方向だ。

 国内の商品先物取引出来高は03年度をピークに減少が続いている。営業上の規制強化や、投資商品の多様化による個人投資家の“先物離れ”が背景にある。一方、世界の市場規模は拡大し、個人投資家中心だった日本の先物市場は、国際競争に遅れを取っている。

 政府が18日に閣議決定した「新成長戦略」では、証券と同時に原油穀物などの商品取引なども一括して扱う「総合取引所」の創設が盛り込まれた。中部大阪商取も07年1月に中部、大阪の両商品取引所が合併して発足した当初は、市場のグローバル化を踏まえて株式会社化を目指すなど、「拡大路線」を掲げた。

 しかし08年秋のリーマン・ショックによる投資意欲の冷え込みも追い打ちとなり、出来高減に歯止めがかからなかった。取引を仲介する受託会員はピークの61社(05年度)から14社にまで減少。大型投資も経営を圧迫し、「市場衰退の潮流を止められない」(河合成治常務理事)結果となった。
(2010年6月29日 読売新聞)

 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」8月25日号にいわくありげな一文を見つけた。ゴールドマンサックス、BPと並んでトヨタが「世界三悪企業」?なぜ日本企業は広報(情報戦略)にこれほど脆弱なのか、なる見出しからして考えさせられてしまう。

 大山鳴動してネズミ一匹。トヨタがいわれなき「リコール騒ぎ」に突如、巻き込まれ、悪のイメージを振りまかれ、米議会に社長が呼びつけられて謝罪までして、おどろくなかれ、トヨタが原因の事故はなかったという結果がでた。

あのマスコミの集中砲火はトヨタをまるで殺人犯扱いした。カネ目当ての悪徳弁護士と偽消費者らしき人が組んだとしか思えない、奇妙な裁判に平行して事故究明が続けられた結果、トヨタは欠陥車をつくっていなかったことが明白となったのである。

では、この責任を誰がとるのか?トヨタのリコール問題は09年9月に一度浮上した。おりからGMが倒産し、アメリカ人はスケープゴートを求めていたとも考えられる。

GMはその企業経営悪化の原因が技術革新を怠って、現場を見ないトップらが呼号した能率アップと業績上昇だけの経営と、自家用飛行機を贅沢に乗り回した経営者もさりながら左翼労働組合の怠慢、傲慢にくわえ、途方もない年金、諸手当の累積が経営を圧迫していた(JALも似ている)。

そのGM批判をすり替えるにも、トヨタは格好の攻撃材料として使われた。GMは政府管理から僅か1年半で黒字転換し、株式の再上場を射程に入れ、ことしの中国国内での生産を150万台と豪語し始めた。

時系列に幾つかの事件とどたばた劇のタイミングをたどれば、ひとつの方程式=「トヨタを悪者にする」という、したたかな情報戦略が浮かび上がる。

企業イメージがいたく傷つけられたトヨタは、まだ地球的規模で経営と販売がふらふらしているが、これも饒舌を多としない企業風土、三河武士の伝統からくる硬直した気質なのだろう。


 危機管理能力が問われた。しかしBPとゴールドマンサックスの評判が悪いのは身から出た錆であり、トヨタを同列に論じて貰っては大いなる不満が残る。

だが欧米ジャーナリズムは意図的にそれをやるのだ。ヘラルドトリビューン紙(8月23日付け)は「ゴールドマンサックスはバンパイアと『ローリングストーン』誌に叩かれたように投資家の生き血を吸って太り、司法取引に応じて5億5千万ドルを支払う。

BPはメキシコ湾岸で米国石油市場最悪の事故を引き起こしても過小にみつもって発表したため株価が暴落し、そのうえ天文学的保証金に応じる。トヨタはまた。。。。。」と書き出した。

危機管理能力が問われたのは言うまでもないが、トヨタ以外の企業は、広報担当のベテランがその都度、記者会見で『弁明』をせず、論理的に自己正当化を試みる一方で、かならず明るい未来を語り、そう簡単には責任を認めない。ときには強気で会見に臨み、イメージを死守し、ひいては株価を守る。

だがBPもゴールドマンサックスも、それが裏目に出た。BPの場合は事故発生同時「たいしたことはない、湾岸への流失は一日1000バーレル程度」と損害の過小評価をしていた。2010年4月21日だった。このためオバマ政権の初動が遅れ、フェンスを緊急に輸入しても湾岸の原油汚染は広がって、最後には一日60,000バーレルが流れ出した。

国を挙げての損出となり、BPは再起不能に近いといわれるまでの財務状態に陥った。ゴールドマンサックスの場合は08年リーマンショック直後から株が暴落を始めたが、AIU救済で納税者の救済措置をはたらきかける背後で、インチキを繰り返したことがばれて、本格的な株価下落は2010年4月17日からである。

トヨタに代表される日本企業はまず記者会見で謝罪する。これは保証を約束したと同義語であり、責任をみとめることであり、それは日本人であれば美意識に基づくことがわかるが世界はわかってくれない。

日本の常識は世界の非常識、企業も国家も謝罪するということは負けを認めることなのである。
 
 PRの本義とは。トヨタは議会証言でトヨタはシロだと強弁するところを謝罪してしまった。2010年1月21日の議会証言だった。直後からトヨタ株は半値近くまで暴落した。だが。「トヨタはその後、社をあげて誠実に対応したので消費者の疑惑が薄まり、イメージは一番先に回復した」とヘラルドトリビューン紙は一転して論調を変えた。「車の性能と燃費効率を再確認し、その安全性が壊れていなかったことに消費者は安堵した」と。

PRというのは PUBLIC RELATION(社会との関わり)のこと、日本ではPRは単に「宣伝、広告」と勘違いされているが、ひろく「弘報」(広報を含むイメージの創成と維持)を意味する。欧米の企業ではこの部署にはベテラン広報マンと弁護士がチームとなって対応する。日本も国際化時代に突入してしまった以上、同じ対応をとる必要がある。日本企業は往々にしてこの重要作業を電通などに委託している。

陰謀があったとは言わないまでも、トヨタのイメージが大きく毀損され、この間隙をぬって、実に逞しく売り上げを伸ばしたライバル自動車メーカーがあることは紛れもない事実でだろう。
   

トヨタの“苦しい”内実、業績予想の上方修正でも喜べない理由」10/08/25 東洋経済オンラインの記事は、巨大企業の矮小修正を追っている。注目された2010年4〜6月期決算。8月4日、トヨタ自動車はその発表と同時に11年3月期の予想を上方修正した。だがその幅は限られ、かえって先行きの厳しさを印象づけた。

 まず今期の世界販売台数は、前期比横ばいの729万台から、同2%増の738万台へと上方修正。期初見通しと比較すると、ギリシャ危機の渦中にある欧州以外は、軒並み上積みされた。特にタイやインドネシア経済の好調に支えられた、アジアにおける健闘が際立っている。

 これに伴って連結営業利益は、期初見通しの上期1000億円に対し、4〜6月期だけでそれを軽く上回る2116億円に達した。今回、上期の営業利益予想を2700億円に上方修正したが、通期の増額幅は500億円にとどまる。実質的に下期の利益予想は下方修正された計算だ。

7月以降は尻すぼみに。4〜6月期の増益は、米国での金融事業の改善によるところが大きかった。その中には、貸し倒れや残価損失など引当金の戻し入れが500億円ほど含まれていたが、7月以降はそうした寄与が消滅。円高によるマイナスや販売費の積み増しも加わり、7〜9月期の利益は尻すぼみになる。

 大規模リコール問題も当初の想定以上に尾を引いている。前期にトヨタは無償修理費用で1019億円を前倒し計上。今期に発生する品質関連コストは手当て済みのはずだった。しかし、今期に入っても「レクサス」のハンドル不具合など、リコールは沈静化していない。その結果、発生する品質関連費用が通期で400億円のマイナス要因になるようだ。

 足元では米欧での苦戦と円高がダブルパンチだ。米国でGMとの合弁、「NUMMI」を閉鎖した分などは国内からの輸出に切り換えている。今期は320万台の国内生産のうち180万台が輸出される計画で、前期51%だった輸出比率は56%に上昇。円高リスクは拡大の懸念がある。

 国内生産も計画線を維持できるかは微妙だ。政府によるエコカー補助金が打ち切られる10月以降、需要の反動減が確実視されている。現状で1万4000台近いトヨタの1日当たり生産は、10月には1万2000台を割る見通しだ。これは多くの部品メーカーにとって、損益分岐点を下回る水準とされる。

 トヨタ自身、4〜6月期でも国内は275億円の営業赤字。為替の前提は1ドル90円で、80円台の円高が定着すれば、さらなる重圧にさらされる。いまやトヨタの利益を牽引するのは、アジアや中南米など新興国での稼ぎだ。国内での生産体制見直し、新興国の一層の強化が、待ったなしの課題となってきた。


住信中央三井が統合比率を発表 11年4月に経営統合
08/24 22:50

 住友信託銀行中央三井トラスト・ホールディングス(HD)は24日、東京都内で記者会見し、2011年4月に持ち株会社方式で経営統合する際の統合比率などを発表した。持ち株会社は現在の中央三井トラストHDを衣替えして「三井住友トラスト・ホールディングス(HD)」とし、住友信託株1株に対して持ち株会社株1・49株を割り当てる。
 三井住友トラストHDの総資産などは、信託首位の三菱UFJ信託銀行を上回る見通し。信託業界は両社にみずほ信託銀行を加えた3グループに事実上集約されることになる。
 持ち株会社の社長には中央三井の田辺和夫社長(64)が就き、会長には住友信託の常陰均社長(56)が就任することも正式に発表した。
 傘下に入る住友信託、中央三井信託銀行中央三井アセット信託銀行の3行が合併し、12年4月をめどに発足する「三井住友信託銀行」の社長は常陰氏の就任が有力となっている。
 住友信託と中央三井は統合後の中期目標も発表し、16年3月期連結決算の実質業務純益を4600億円程度、純利益を2200億円程度とした。


子会社マルアイの乾物類 「はごろも」で販売
08/22 07:55
 はごろもフーズは23日から、子会社のマルアイ(名古屋市)が製造している花かつお類、のり類、ふりかけ類など家庭用乾物製品をはごろもフーズの商品として販売する。マルアイの製品は中京地区では高い人気を誇るものの、他の地域では思うように売り上げが伸びなかったため、知名度の高い「はごろも」ブランドを武器に本格的に全国展開に乗り出す。
 はごろもフーズがマルアイの株式を取得し、子会社化したのは2005年4月。今年5月にはマルアイの販売事業を譲り受けていた。
 「はごろも」の商品として売り出すのはマルアイのほぼ全製品に当たる167品。内訳は花かつお48品、のり48品、ふりかけ44品、その他27品。当面パッケージのデザインはそのままで、ロゴマークの部分をマルアイからはごろも
に変えた。
 はごろもフーズの10年3月期の連結決算によると、807億円の売上高のうち、花かつお・のり・ふりかけ類は71億円。家庭用食品の中では主力のツナ、パスタ&ソースに続いて3番目。マルアイ子会社化以降の売上高は横ばいだが、原材料費が上がっても商品の値上げが難しいため利益が出にくい状況という。
 同社によると、乾物製品は全国ブランドが少なく、それぞれの地域で親しまれている商品が多い。マルアイは1946年設立の老舗で、商品は全国で販売しているが、名古屋を中心にした地域ブランドの色彩が強い。同社は「名前が変わることにより中京地区での今後の売れ行きは不透明だが、他の地域で売り上げを伸ばせる」と全国での売上増を目指す。


8月も下旬だというのに、相変わらず酷暑が続いています。先週末、秋田に帰省しましたが、東京よりましとは言え、やはり暑さは厳しく、埼玉育ちの妻が「こんなに暑い秋田の夏は初めて」と嘆いていました。たまらず実家の近くの海水浴場に出掛けたものの、すでにクラゲの海。案の定、右腕を刺されて激痛に見舞われました。

長野・軽井沢に出掛けた時も、「これが避暑地!?」と思うような暑さ。それで、昼時のレストランはクーラーをつけていないところが多く、涼しい店を探すのに一苦労しました。もっとも、秋田も軽井沢も朝夕はだいぶ涼しく熱帯夜続きの東京とは大違いでしたが。


愛知県岡崎市立図書館HPアクセス申請OFF
1 :エージェント・774:2010/08/22(日) 14:09:09 ID:4NWg/vFy

★図書館長「了解求めないアクセスが問題」 HP閲覧不能
http://www.asahi.com/digital/internet/NGY201008210009.html
愛知県岡崎市立図書館にサイバー攻撃をしかけたとして図書館が被害届を出し、男性(39)が 逮捕され、不起訴になった問題で、大羽良・同館長は21日、同市役所で報道陣に対し、「(男性の自作プログラムに)違法性がないことは知っていたが、図書館に了解を求めることなく、アクセスしたことが問題だ」と説明した。

男性は自作プログラムで図書館のホームページから蔵書の新着情報を収集。朝日新聞の取材で、図書館のソフトは蔵書データを呼び出す電算処理を継続したままにする仕組みで、アクセスの集中でホームページが閲覧できなくなり、サイバー攻撃を受けたように見える不具合があったことがわかった。
ホームページが閲覧できなくなったことについて、大羽館長は「図書館側のソフトに不具合はなく、図書館側に責任はない」との認識を示した。

●愛知県の岡崎市立図書館のホームページに集中的にアクセスし、閲覧
 しにくくしたとして、愛知県警は25日、ホームページ作成会社社長を
 業務妨害の疑いで逮捕し、発表した。
 県警生活経済課と岡崎署によると、容疑者は、4月2日から15日にかけて、
 岡崎市中央図書館のホームページに、計約33,000回のアクセスを繰り返し、
 ホームページを閲覧しにくい状態にしたという疑いがある。
                    朝日新聞 5月26日
●愛知県内の男性(39)が、自作プログラムで図書館ホームページから
 新着図書の情報を集めたところ、サイバー攻撃を仕掛けたとして逮捕された。
 しかし、朝日新聞が依頼した専門家の解析によると、図書館ソフトに
 不具合があり、大量アクセスによる攻撃を受けたように見えていたことが
 分かった。同じソフトを使う全国6カ所の図書館でも同様の障害が起きて
 いたことも判明。ソフト開発会社は全国約30の図書館で改修を始めた。
                    朝日新聞 8月21日
   __________
   佐々木の視点・考え方
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      
★要は、「ハッカーが図書館にアタックしてサーバーを意図的に止めた」
 として逮捕し20日間勾留したものの、サーバーダウンの原因は図書館の
 プログラムに問題があって、それを警察・検察・裁判所が理解できずに
 誤認逮捕され、長期間勾留されたというもの。

 つまり、いつも行く図書館の新着本のデータをとるためにWEBにアク
 セスするプログラムを作って動かしたらいきなり逮捕されたのだ。

 岡崎市立図書館のこの事件についての顛末は、7月には知っていたが、
 新聞でようやく書いてくれたのでとりあげることが出来ることになった。

 上記朝日記者の取材で全国の同じシステムの図書館に問題が発生している
 ことが明らかになっており、プログラムの改修が順次行われている。
 また、当該プログラムは国立国会図書館の出しているルールに違反していた。
 http://takagi-hiromitsu.jp/diary/
 
 この事件の問題は、人質司法と長期の監禁を可能にする発展途上国以下の
 司法制度と、その応援をするマスコミは置いておくとして、図書館とその
 システム管理会社の行動にやりきれなさを感じる。

 図書館のサイトを攻撃してるのかと思ったのなら、良く調べて、特定のIP
 からのサーバへの接続を止められるし、図書館サイトのトップの自動巡回
 情報収集のお断りという警告を出すことも可能だった。

 しかし、実際にやったことは、利用者に違法行為が無かったことを図書館
 側が知っていたにも関わらず、黙って図書館利用者つまり顧客のアクセス
 データ並びに個人情報、読書記録を警察等に自主的に渡していた。
 http://www26.atwiki.jp/librahack/pages/16.html

 図書館は「図書館の自由に関する宣言」をどこも出している。
 戦前・戦中に利用者情報を軍部・特高に漏らしたことによって、戦争犯罪
 加担した。この反省に立って憲法を順守し、利用者データは必ず守るように
 しているのだ。
 http://www.jla.or.jp/ziyuu.htm

 図書館利用者は、通常の一般人であるため、警察官から「お前は図書館に
 迷惑をかけた」と言われたことと話が通じる人がいない絶望感から、警察
 の言うとおりに署名してしまった。もし、検察が起訴していたら無実なの
 だが有罪になっていただろう。
 http://togetter.com/li/43777

 無知と責任転嫁が重なると、恐ろしいことが起こるという好例。


【愛知県】 地味だからこそ、日本経済を牽引
都道府県データ:Vol.1
 厳密にいうと、江戸時代以前からのなごりで、愛知県は西部の尾張地方と東部の三河地方に分かれる。もちろ

ん、それぞれ県民性にも大きな差がある。

 三河のほうは東隣の遠州遠江静岡県西部)と共通したものがあり、地味だが進取の気性が強い。冒険をい

とわないから、傍から「大胆すぎるのでは……」と思われても、委細かまわず突っ込むところがある。トヨタ自動車

祖といってもよい豊田佐吉も、元をたどれば遠州の出だが、三河に移っても違和感を抱くことはなかっただろう。

 これに対して尾張のほうは保守性が目立つ。「石橋を叩いても渡らない」といわれるほど慎重だし、とにかく堅実

なことにかけては日本一なのではないか。当然のこと、冒険を嫌うから、面白みのない経営になりがちで、目立とうと

もしない。ただ、それこそが実は名古屋流で、目立ってロクなことがあったためしはないという、戦国時代の体験がそ

の土台にある。

 その代わり、コツコツとモノづくりにはげむことは得意である。お金は額に汗して稼ぐものという考え方に徹しているか

ら、バブルともほとんど縁がなかった。それが、今日の名古屋‐愛知県の独り勝ちにつながっている。そして、その影

響は三河にも及んでおり、県全体としては地味だが、いまや強烈な存在感を示しているわけだ。

愛知県人には、地味で堅実な
姿勢をアピールすること

 そういう愛知県人(三河尾張を問わず)に対する禁句の一つは、彼らの地味さをあげつらうことである。

 もっとも、それをとやかくいわれたところで、愛知県人はいささかも動じまい。「たわけたこと言っとるわ」と、心の奥で

はせせら笑っていることだろう。

 地味であったからこそ、今日の日本経済を牽引する実力を備えるようになったのは、誰もが認めざるを得ないこと

なのだ。

 他県人が愛知県人に対して、「自分たちは時代の最先端を行っている」などと自慢しても逆効果である。逆に、

「あなたたちは腰が軽すぎるのでは」と疑念をもたれる恐れすらある。

 愛知県人の信頼を得るには、自分も地味で堅実であることをアピールするに限る。

◆愛知県データ◆
県庁所在地:名古屋市/県知事:神田真秋/人口:731万2151人(2007年2月)/面積:5161km2/製造品

出荷額等:35兆8015億円(2004年)/県の木:ハナノキ/県の花:カキツバタ/県の鳥:コノハズク/県の魚:ク

ルマエビ


岐阜県】素直でおとなしい美濃の人 気品感じさせる飛騨の人
都道府県データ:Vol.15
『岐阜は名古屋の植民地!?』と題する本がかつて、ローカルではあるがベストセラーになったことがある。もちろん、ご

当地・岐阜県でのことだ。タイトルだけからすると、岐阜県というのは自立していないのかと思われそうだが、決してそ

ういうわけではない。ただ、今から500年前、戦国時代の岐阜県(当時は美濃=県南部と飛騨=県北部の2ヵ国

に分かれていた)の位置づけを思うと、今はあまりに名古屋・愛知県の影響下にあり過ぎるのではないかという思い

を、多くの岐阜県人は抱いているようである。

 当時は、「美濃を制する者は天下を制す」といわれるほど枢要な地域であった。京都にはほど近いし、中仙道が

走り、東海道も目と鼻の先にある。情報や物資が行き交うなか、岐阜に城を構えた斎藤道三が力を蓄えていった

のも決して理由のないことではないのだ。

 当然、人びとは進取の気性に富んでいたはずである。もちろん、全国でも1、2を争うほど肥沃な濃尾平野の一

角を成す農耕地帯で生きていたわけだから、保守的な部分も持ち合わせてはいたが、それは豊かさの裏返しでも

ある。

「海のない県」に共通する柔軟さ

 ただ当時は、押さえておかなければならない「要衝」だったが、その後それ以上の重みを持つに至らなかった。特に

江戸幕府ができ、すべてが東海道中心の体制が確立してからは、もっぱら「裏」に回ることを余儀なくされたので

ある。それが300年近く続いたことで、いつしか素直でおとなしい気質が培われていった。御三家の1つである尾張

名古屋)徳川家の動向に注意を払うことが習い性のようになっていた影響もあるだろう。

 小京都の1つ・高山市を中心とする旧飛騨国は、同じ岐阜県でもさらに精神的余裕に満ちた人びとが多い。京

都とのつながりが深かったぶんプライドが強いし、時には気品すら感じさせる。

 いずれにせよ、海のない県におおむね共通する人あたりのよい柔軟さは魅力で、そうした部分に気づいているとい

った態度を適度に示すことが、岐阜県人と上手に付き合うコツといえそうである。

岐阜県データ◆県庁所在地:岐阜市/古田肇県知事:/人口:209万4430人(H21年)/面積:1万621平

方キロメートル/農業産出額:1184億円(H19年)/県の木:イチイ/県の花:レンゲソウ/県の鳥:ライチョウ


愛知の大学生がクルマに求めるものは、「安全」がトップ
2010年08月18日

▲愛知県ITS推進協議会のITS大学セミナーグループが、平成21年度の活動報告をまとめている。先日、早稲田

大学環境総合研究センターの石太郎氏より活動報告が行われた。これは昨年度一年間8回に渡る愛知県内の

11大学でのセミナー後に、参加学生1355名からアンケートを取り、それをまとめたものだ。これがまたかなり面白い

ので報告したい。

▲まずは参加者分析。理系学生が3/4を占め、自動車所有率は64%。卒業までにクルマ取得予定という人を

加えると90%となり、さすが愛知の大学生というところ。こと愛知県においては、若者の誰もがクルマを持つ、という

原則はいまだ崩れてはいない。クルマが好きですか、という質問にも70%の人がハイと答えている。

▲クルマ社会に対するイメージは、という自由記述の質問では、「非常に便利で移動を楽にしている」「地域ではな

くてはならない移動手段」「最先端技術」「環境、エコを考えている」というポジティブ意見と、「環境を破壊している

」「事故が多くて危険である」「安全性に不安がある」というネガティブ意見が出てきているが、4割近くの若者がどち

らかというとネガティブにとらえているようだ。必要な移動ツールだけど安全じゃなくて環境に悪い、ということか。

▲クルマを魅力的なものにするには何が足りないかという質問には、クルマ通学が認められていない名城大学生が

、安全(33.8%)、コスト、デザインと答えるのに対し、認められている愛知工科大学では、デザインやカッコ良さ・ワ

クワク感(30.3%)、コスト、安全と答えている。いずれにしても安全性がまだ足りないと思っている若者が多いことは

、要注目だろう。またお金があったら何が買いたいかという質問には、まず最初にクルマを持ってくる人の割合が圧

倒的であることも分かったという。

▲そしてアンケートのうち7大学341名の回答を「テキストマイニング」という自由記述文章の言葉をバラして分析す

る方法で解析している。その結果、クルマ社会のイメージという記述では「便利、事故、環境、悪い、クルマ、危険

、快適、移動、渋滞、排気ガス」という順で言葉が出現しているという。クルマを魅力的にするには、では、「安全

性、デザイン、環境、価格、安い、配慮、エコ、快適、事故、道路」という順。この二つから漠然と見えてくるのは、

やはりクルマは便利だけどネガティブな面が多い、とか、安全でカッコよくて環境によくて安いクルマが欲しいという実

に分かりやすい結果だ。

▲さてこれに対する私の感想をまとめてみたい。愛知県の大学生はクルマが必需品ゆえ、より安全でエコなクルマを

求めている。特に「安全」がこれほど要望されているのは意外だった。今の大学生が生まれた頃と比べたら、クルマ

の安全性は飛躍的に向上しているはずだが、事故報道が変わらず多いからか、どうもそれが伝わっていないように

思える。同時に、クルマに対して絶対的な安全性を求めているようにも思える。それはありえないのだが。また今や

絶対的な正義ともいえる「エコ」に関しては、それに抗う意見など、さすがに大学生では持つことはできないというこ

とだろう。

▲はっきりしていることは、これからクルマをもっと売ろうとするのであれば、安全性とエコを強調するしかないということ

だ。それに続いてカッコ良さと経済性か。とにかく走りなど誰も求めていない。そこをメーカーもしっかり認識する必要

があるだろう。それがはっきり見えたアンケート結果といえる。そして主題である「安全や環境に寄与するITS」に関し

ては、カーナビやETCこそ8割以上が知っているが、VICS、バスロケ、ヘルプネット、安全運転支援などは6割以上

が知らないと回答。大学生が安全を求めているにもかかわらず、こうした新技術の情報がほとんど伝わっていないこ

とは、大いなる課題に思える。まずは大学構内などで、学生対象にスバルEyeSight試乗会を開催すべきなのでは


2010年08月18日17:58
エコカー補助、独自に継続 愛知・安城、普通車10万円 ? 朝日新聞

9月末に期限を迎えるエコカー補助金制度について、愛知県安城市は18日、市独自の補助金制度「環境対応

車購入支援事業」を新設し、10月以降も「エコカー補助金」を事実上継続する意向を明らかにした。市議会9

月定例会に1億6550万円の補正予算案を提出するという ...エコカー補助金「継続」 安城市が独自策中日新

エコカー補助金、期限前打ち切りも 申請急増で予算が底エコカー安城市、独自に補助…国と同額を来年3

月まで毎日新聞nikkei BPnet -上場ドットコム -nikkei BPnetall 9 news articles ≫


8月16日付のニューヨークタイムズの経済面トップ記事は、公表された第二・四半期の経済指標によれば、中国が

日本を抜いて世界第二位の経済大国になったという記事を大きく掲げていた。AP通信ブルームバーグも同様の

記事を配信し、アメリカのCNBCやABCニュースでも報じていた。ところが、日本のメディアではこのニュースがほとん

ど流れていないことを知った。これは一体どういうわけだろう。たかが指標じゃないか、というなかれ。その現象に潜む

象徴的な価値がいかに大きなものであるかを考えるべき重要な意味合いを持つニュースだと僕は思う。
アメリカに次ぐ世界第二位から、とうとう三位に転落、しかも中国に抜かれた。

この現実に最もナーバスになっているのは、実は、内閣府および諸官庁と、それをカバーするメディアではないか。こ

アメリカでの記事に目を通してみてそのように実感せざるを得ないのだ。The Second Largest Economy。この

語の呪縛がいかに戦後の日本人の生活を縛り続けてきたか。ある時はそれは大いなる国民の「誇り」と「矜持」に

結び付き、ある時は醜悪な「奢り」に結び付き、またある時は自らの境遇との比較においていかに無意味な数値に

すぎないのかを思い知らされる「空虚」の象徴でもあった。さらには、幸福と言う概念と、この第二の経済大国という

語がいかに無関係であったのかも私たちはある程度認識してきたはずだった。

 ところが日本のメディア(僕もそこに属している)は、中国に抜かれたことをほとんど全く報じないのだ。見事なくらい

に横並びだ。ニューヨークタイムズフィナンシャル・タイムズの記事の方がよほどしっかりとこの逆転の意味について

報じている。世界第二の経済大国になったと言っても、中国の個人の所得はひどく低いレベルにあって生活水準は

日本や他の先進国には遠く及ばないこと、中国共産党が進める現在の国家経済政策には大きな陥穽も潜んでい

ること、何よりも国際政治の舞台で、中国が第二の経済大国に見合うリーダーとして役割を演じる気配が希薄で

あること(China becomes world's second-largest economy but it's far from being a leader.)などと、き

ちんと報じているのだ。だが40年以上続いた日本の第二の経済大国失墜の意味合いはやはり大きいのだ。なぜそ

のことを日本のメディアは直視しようとしないのだろうか。今のままのペースで中国の経済成長が続けば、2030年に

アメリカを抜いて中国が世界一の経済大国になるという予測もニューヨークタイムズは掲げていた。四半期ベース

でのGDP比較はあまり意味がない、との内閣府の説明を鵜呑みにする前に、では一体いつのタイミングで中国が

第二の経済大国になったことを日本のメディアは報じるつもりなのだろうか。2011年に入ってしまって、第四・四半

期のGDP数値の結果が発表されてからおもむろに「中国に抜かれていたことが判明しました」とでも報じるつもりな

のだろうか? 今回の彼我の報道ぶりの違いをみて、そこになにがしかのバイアスを感じざるを得ないのだ。メディア

が「鎖国」をしたら、もうおしまいである。 
投稿者: 金平茂紀 日時: 2010年8月18日


主要旅行会社、6月の海外旅行取扱額は53.2%増−学生団体、企業需要が回復
[掲載日:2010/08/18]
 観光庁がとりまとめた主要旅行会社の6月の旅行総取扱額は、前年比18.3%増の4880億9149万円となった。

総取扱額、海外旅行、国内旅行、外国人旅行すべてで前年を上回っており、とりわけ海外旅行取扱額は53.2

%増の1883億552万4000円となり、4ヶ月連続で前年を上回ったなかで伸び率が最も高かった。学生団体旅行

が好調に推移したとともに企業需要が回復したことが影響した。また、国内旅行も学生団体が回復し3ヶ月連続

の増加となった。外国人旅行は円高の影響を受けつつも新型インフルエンザの反動や、アジアからの訪日旅行が

好調だった旅行会社もあり6ヶ月連続で増加している。

 会社別で海外旅行取扱額が最も多かったのは、ジェイティービーJTB)グループ14社で、67.0%増の326億

8768万4000円。次いで、阪急交通社で55.6%増の287億3007万6000円、エイチ・アイ・エス(HIS)で44.1%増

の209億5456万1000円となった。また、伸び率が最も高かったのは、i.JTBで249.3%増の5億9517万9000円、

名鉄観光サービスで125.7%増の12億3608万1000円、JTBグローバルマーケティングトラベルの123.9%増の1億

3538万7000円であった。伸び率が前年を下回ったのは全体のうち2社のみとなった。このほか、海外募集型企画

旅行は、55.9%増の536億3770万4000円となり、取扱人数も47.1%増の31万1102人と前年を上回っている。

 旅行総取扱額をみると、伸び率の高かった旅行会社に日立トラベルビューロー、エヌオーイー、内外航空サービス

ジェイティービービジネストラベルソリューションズ、阪急阪神ビジネストラベルなど業務渡航をメインとする会社も目

立ち、企業からの需要が回復傾向にあることを裏付けている。
 

 名古屋鉄道の2011年3月期第1四半期(2010年4月1日〜2010年6月30日)の連結決算で、ホテル業やレス

トラン、旅行業などを含むレジャー・サービス業の営業収益は、前年比1.7%減の131億8600万円、営業損失は4

億7200万円(前年から4億2000万円の改善)となった。このうち、名鉄観光サービスなどを含む旅行事業は営業

収益が13.0%増の30億7600万円で、営業損失が3億9100万円(前年から1億円の改善)。昨年の新型インフル

エンザの影響による取扱減の反動で各社軒並み増収となり、収支改善となった。


「東京発着」に本格参入 海外旅行で名鉄観光
2010年8月19日 朝刊
 名鉄観光サービス(名古屋市)は、羽田空港の国際化に合わせて、成田空港を含め東京を発着する海外旅行

の企画を手掛ける専門部署を新設する。海外旅行商品の販売態勢を強化し、全国での顧客開拓につなげる。
 9月21日に東京の関東営業本部内に「東京海外企画仕入れセンター」を開設。名古屋、大阪で航空機の座

席確保などを担当していた5人を配置する。航空会社との折衝や、北海道や四国、九州から国内線を乗り継い

で海外に向かうなどの新商品づくりを担う。
 同社は、中部国際空港発着分については航空会社から直接座席を購入する態勢を備えているが、成田や羽

田、関西空港分はこれまで同業他社から買っていた。幅広い目的地や日程の商品を拡充させることで、基盤とす

中部地方以外でも顧客を掘り起こす考えだ。
 羽田空港は新滑走路の完成により10月以降、国際線が一気に拡大する。同社の綛谷企史(かせやひろし)

海外旅行部長は「成田(を発着する航空機)の座席に余剰が出る想定も含め、東京に“本格参入”する絶好の

機会」と強調する。
 将来、羽田に人気路線が集中することで、国際拠点空港である中部、関西をはじめ、地方空港からの海外直

行便が先細りする可能性もある。綛谷部長は「今後も中部空港を商品構成の中心とすることに変わりはないが、

早めに手を打っておくことも狙い」と話す。
鈴木智重)


中部空港の地上業務2社株 鈴与、日航から取得
08/20 07:50
 子会社のフジドリームエアラインズ(FDA)などで航空事業に参入している総合物流会社の鈴与(静岡市清水

区、鈴木与平社長)は19日、会社更生手続き中の日本航空中部国際空港で地上業務を手掛けるグループ

会社のJALスカイ名古屋(愛知県常滑市)と、中部スカイサポート(同)の発行済み株式を95%ずつ取得すると

発表した。
 さらにJALカーゴサービス(千葉県成田市)が中部国際空港で行っている航空貨物取り扱い事業を譲り受けるこ

とも決めた。株式の譲渡は9月30日の予定で、残り5%は日航グループが保有を継続する。事業の譲渡は10月

29日に予定している。
 静岡空港を拠点にFDAと静岡エアポートサービスで航空事業や地上業務を展開している鈴与は、事業拡大と

ともに日航の実績やノウハウを取り入れることでサービスの向上を目指す。日航は今年秋に中部国際空港の路線

を大幅に縮小することに伴い、経営の効率化とグループ従業員の削減を目的にしている。
 鈴与と日航グループは、FDAが静岡空港から撤退した日航路線を引き継いだ後も福岡便などで共同運航(コ

ードシェア)するなど業務提供を続けている。
 鈴与の鈴木社長は「日航グループの地上業務の強みは、長年の経験に基づく高品質のサービスが外国航空会

社との強い信頼関係を構築している点にあり、FDAをはじめ航空事業各社のサービス水準の向上につなげていき

たい」とコメントした。


日航名古屋空港なら黒字」 中部−花巻、青森の2路線
2010年7月28日 朝刊
 日本航空が廃止を決めた中部国際空港(愛知県常滑市)−花巻、同−青森の2路線について、同社が今月

中旬、中部空港会社や中部財界の幹部に対し、「県営名古屋空港(同県豊山町)から青森、花巻へ運航すれ

ば黒字化できる」として2路線を移管する方針を打診していたことが分かった。愛知県は路線存続を優先させたい

考えだが、中部空港への定期便一元化を目指し、廃止撤回を求める中部空港会社や中部経済連合会は反発

しており、調整は難航しそうだ。
 関係者によると、日航の大貫哲也事業計画部長らは22日、中部空港会社、中経連、名古屋商工会議所

幹部を訪問した。
 この中で、日航側は、青森・花巻便の使用機を従来の150席クラスから50席クラスへ小型化して空席率を下

げ、さらに中部空港より着陸料の安い名空港を発着地とすれば、黒字化は可能と説明。ただ、中部発着では小

型化しても赤字で、存続は不可能とした。
 これに対し、路線を奪われる空港会社幹部は「名空港から2路線が運航されることは一切考えていない」などと

反発。中経連幹部も「路線移管の話は不信感を招く。中部財界など関係者との手続きが抜けている」と不満を

表明したという。
 一方、名商幹部は「利用者の利便性を考慮すれば検討に値する」と話している。
 日航は5月、愛知県の路線存続の要望に対し「名空港へ移管すれば可能」と答えていた。県は青森、岩手両

県と協力して路線維持に全力を挙げる方針を示していた。今回、日航が財界へ移管を打診し、実現に向けて踏

み込んだ形となった。
 航空法上、路線移管は国土交通省への運航計画届け出のみで済み、空港会社や中経連が反発しても拘束

力はない。ただ、県は今後も両者との連携を重視したい考えで、今後、苦しい調整を迫られる可能性もある。


浜松ホトニクス(6965)は東証1部上昇率3位に躍進 
MSCI指数への新規採用で需給妙味の高まりを意識

株価指数を開発・算出するMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が指数構成銘柄の定期見

直しを行ったことが手掛かり材料に。

多くの機関投資家が運用指標とする「MSCIスタンダードインデックス」に浜松ホトニクス株が新規採用されたため、

株価連動を目指す機関投資家からの組み入れ需要が発生するとの見方で、需給妙味の高まりを意識した買い

が活発化している。

MSCI指数への反映は8月31日引け値段階。次回の定期見直しは11月の予定。浜松ホトニクス(6965)の株価は

10時16分現在、140円高の2,590円。
[NSJショートライブ 2010年8月18日 10時16分 更新]


河村名古屋市長 住基ネット離脱、事実上断念へ
8月8日2時30分配信 毎日新聞

河村たかし名古屋市長=名古屋市役所で2010年7月28日、加藤潔撮影
 河村たかし名古屋市長は7日、住民基本台帳ネットワークシステムの離脱に向けて設立を模索してきた第三者

委員会の設立を断念する方針を固めた。住基ネット離脱に対しては市の事務当局にも異論が強く、離脱を前提

とした委員の人選が進まなかったためだ。河村市長は政府が検討している国民共通番号制度の問題点を国に提

言することを目的とした諮問機関を20日に設ける予定で、1月に表明した住基ネットからの離脱は事実上断念し

た。

 見送りを決めた背景には、設立後に必要となる住基ネット侵入実験費用など数百万円の予算が、対立が続く

市議会で認められることが難しいとの判断もあると見られる。

 河村市長は7日、毎日新聞の取材に対し「今後の対応は国の一連の流れの中で考える」と明言を避けながらも

、「プライバシーや税金の無駄遣いという住基ネットで心配していた問題が、よりはっきりした。総背番号制にして医

療や税金に拡大することが市民のために本当になるのか勉強し、国に提言する必要がある」と説明。政府で議論

が進む共通番号制度に議論の力点を置く姿勢を明確にした。

 共通番号制度について名古屋市経営アドバイザーの石村耕治・白鴎大教授は「健康保険や介護サービスまで

使えば住基ネットよりも容易に番号が漏れる危険がある」と述べており、新機関では国の情報管理に対する問題

点がクローズアップされる見通しだ。【丸山進】


名古屋市議選に43人、「減税日本」擁立方針
2010年8月17日(火)08:06
 地域政党減税日本」の代表を務める名古屋市河村たかし市長は、次の市議選で、市内全16選挙区(定

数計75)に43人の候補者を擁立する方針を固めた。

 市議会との対立を深める河村市長は「最後の手段」として、27日から予定している議会解散請求(リコール)の

署名集めの陣頭指揮を執る一方、出直し市議選の候補者選びも本格化させている。

 議会と激しく対立する河村市長は、「このままでは公約を実現できない」とリコールを先導。出直し市議選では“

河村チルドレン”を2、4人区に2人、5人区以上には3人の計43人を擁立し、多数当選させて議会の主導権を

握りたい考えだ。


国際コンテナ戦略港湾 「次点」伊勢湾昇格に望み
IT活用評価 課題は貨物増

国際コンテナ戦略港湾選定で次点になった名古屋港。国内港湾での競争力の低下が懸念される(愛知県飛島

村で、本社機から)=谷之口昭撮影。
 国土交通省が選定を進めてきた「国際コンテナ戦略港湾」で、「次点」となった伊勢湾(名古屋港、三重県

日市港)陣営では6日、関係者に落胆が広がった。一方、伊勢湾の整備に対する国の予算は、今年度と同等の

水準が来年度以降も維持される見通しで、一部の関係者からは「国の支援が全くなくなるという、最悪の事態は

避けられた」と、安堵の声も上がった。(小野田潤、四日市支局 黒岩宏行)

 「単純にコンテナの数だけで決めれば、大消費地が多いに決まっているじゃないですか。いかんわな」

 名古屋港管理組合管理者の河村たかし名古屋市長は、出張先の中国・上海から記者団の電話インタビュー

に応じ、怒りをぶちまけた。一方、含みを残す「次点」の位置付けに、四日市市の田中俊行市長は「ほっとしてい

る」と述べ、コンテナ港湾とは「別枠での予算、税制面の支援を」と訴えた。

 国交省が公表した各地域の「採点表」によると、「コスト低減」「荷主へのサービス向上」など、評価基準の7項

目のうち3項目で伊勢湾は最高得点だった。名古屋港が実施している、IT(情報技術)を活用した国内初の無

人ターミナルや、港湾使用料の減免措置などが評価されたとみられる。

 一方、点数の配分が高かった「釜山港シンガポール港に匹敵するサービス提供」や「広域からの貨物集約」な

どの項目では、京浜港東京港、川崎港、横浜港)と阪神港(大阪港、神戸港)に大差をつけられた。伊勢湾は

、地元製造業の輸出拠点としての性格が強く、「海外や国内他地域から貨物を集めるのは不得意」との前評判

は覆せなかった。

 記者会見した前原国交相は「国内港湾の国際競争力の強化は、ようやくスタート地点に立ったに過ぎない」と

述べ、3年後をめどに各港湾の中間評価を行い、今回の選定結果を見直す考えを示唆した。

 「コンテナ港湾」を巡る“第2ラウンド”は始まっている。今後は、阪神港京浜港への対抗策が問われることにな

る。

 将来的に伊勢湾がコンテナ港湾に「昇格」するためには、今回の採点結果を通じて浮かび上がった伊勢湾の強

みと弱みを分析した上で、港湾の利便性をさらに高め、コンテナ貨物を増やすことが必要だ。荷主、船会社を含め

た両港の連携は一層、重要性を増しそうだ。
(2010年8月7日 読売新聞)


港湾選定 名古屋港「バルク」応募 「戦略」劣勢で「次の手」
衣浦、三河は「重点」に

 アジアのハブ(拠点)港湾の育成を目指し、国土交通省が選定を進めている「国際コンテナ戦略港湾」の検討委

員会が3日開かれ、立候補地への採点が終了した。選定結果は週内にも発表される見通しだが、京浜港(東京

港、川崎港、横浜港)や阪神港(大阪港、神戸港)に比べて、伊勢湾(名古屋港、三重県四日市港)の劣勢が

伝えられる中、関係者が選定の行方を見守っている。(小野田潤)

 「日本の輸出産業をリードするこの地域が選定されなければ、産業界にとって大変な損失だ」

 名古屋港管理組合管理者の河村たかし名古屋市長は3日夕、記者団に対してこう述べ、伊勢湾が“落選”

した場合、地域経済に悪影響が出るとの見方を示した。

ガントリークレーンが並ぶ名古屋港(本社機から)=尾賀聡撮影
 一方、三重県の野呂昭彦知事は、3日の記者会見で、「選定から漏れても、(伊勢湾が)日本で最も重要な

港湾の一つとして、役割を果たしていかなければいけない」と述べた。

 名古屋港関係者も「独自の営業活動で国内外の貨物を集めることは可能」と話し、国交省への提案書に盛り

込んだ「四日市港との一港化」や、新たな「生産・物流拠点の設置」構想などを進める考えを強調した。

 一方、バルク(ばら積み)貨物を対象とした国交省の「国際バルク戦略港湾」の応募が3日締め切られ、名古屋

港は単独で、トウモロコシを扱う港湾として正式に立候補した。バルク港湾の選定を受ければ、港内のしゅんせつ

などで国の手厚い支援が受けられるだけに、「仮にコンテナ港湾で落選しても、十分挽回
ばんかい
できる」(名古屋港関係者)と期待を寄せる。だが、名古屋港が当初、念頭にあった取扱高の大きい「鉄鉱石」は

、企業側の同意が得られず、応募を見送るなど、目算の狂いも出ている。

 また、国交省が全国103港の重要港湾を43港に絞り込む「重点港湾」を巡っては、「1県1港」が選ばれる見

通しだったが、東海地方では、愛知県の衣浦
きぬうら
港と三河港が選ばれ、三重県の津松阪港と尾鷲港が選定に漏れた。
(2010年8月4日 読売新聞)


JR東海、リニア始発は品川駅 羽田への接続考慮
08/08 15:02

 JR東海が、東京―名古屋間で2027年の開業を目指しているリニア中央新幹線の始発駅を、JR品川駅とす

る方針を固めたことが8日、明らかになった。東京都と、品川駅構内の地質調査を委託しているJR東日本にこの

意向を伝えた。
 地質調査のこれまでの結果を踏まえ、羽田空港への接続の良さを考慮し品川駅に絞り込んだ。東京駅も候補

だったが、JR在来線や地下鉄が入り組んでおり、新たな大型駅設備の建設には余裕がないと判断したとみられる


 始発駅は地下駅。深さ数十メートルの地中に長さ約1キロの空間を堀ってつくる案などが検討されている。JR

名古屋駅では、トラブルなどでリニアの運行が休止した場合に、利用客が東海道新幹線のホームに10分程度で

移動できる設計を検討。品川駅についても同様の設計にする可能性がある。
 リニア中央新幹線は、東京―名古屋間を約40分で結び、建設費用は同区間で約5兆1千億円に上る。JR

東海は当初、25年の開業を目指していたが、主力事業の東海道新幹線の収入の落ち込みから今年4月、2年

延期するとの修正計画を発表した。


東海東京証券と浜銀TT証券の関係は?東海東京証券の…

東海東京証券と浜銀TT証券の関係は?東海東京証券の支店が閉鎖され、浜銀TT証券の支店が同じ場所に

開設されました。。ホームページ上では東海東京証券横浜銀行合弁会社のようです。閉鎖された支店での過

去取引の件で見に覚えの無い取引の記載を発見したため、東海東京証券に問い合わせをいれました。すると、そ

の支店での取引情報は全て浜銀TT証券に移管されていて調べられないと言われました。金融庁所管の窓口に

問い合わせると、東海東京証券時代の取引の件であるから浜銀TT証券には関係なく東海東京証券が調べられ

ないはずが無いと言われました。この2社の関係はどう解釈すればいいのでしょうか?
質問日時 - 2010/08/05 20:49

ベストアンサー
責任のなすりあい。面倒なことはやりたくないからね。東海東京証券の本社に電話して、顧客勘定元帳を取り寄

せてみてはどうでしょう?証券会社は顧客との取引履歴を少なくとも10年間保存しておかなければならない、とい

う規則になっています。だから、金融庁の窓口の方も調べられないはずがない、と答えたのだと思います。訴訟ごと

にまで大げさにするようなことでもない、程度にお考えなら、取引していた支店の浜銀TT証券に問い合わせてみる

ことです。何が何でも納得した説明を受けたい、というのであれば、金融庁のクレーム窓口を使う。証券会社は金

融庁経由のクレームには素早く対応します。行政処分とか面倒なことにならないような対応をするはずです。証券

会社は過去の顧客の対応とか、手数料にならない仕事はやりたがらないものです。粘り強く対応されたし。


<愛知知事選>民主県連に2氏が名乗り
8月4日14時12分配信 毎日新聞
 来年2月に任期満了を迎える愛知県知事選に衆院議員(愛知6区)の石田芳弘氏(64)と元自治官僚の御

園慎一郎氏(57)が、民主党県連幹部らに立候補の意向を伝えたことが4日、分かった。同党県連は両氏以外

も含めて政策などを見極め、独自候補の人選を進める。自民党が中心に支えてきた現職の神田真秋知事(58)

は4選出馬について態度を明らかにしていない。【加藤潔】

 民主党県連幹部によると、石田氏は2日、書面で、知事選立候補の意思を伝えたという。石田氏は県議、犬

山市長を経て前回07年知事選に同党などの推薦で立候補。接戦の末、自民などの推薦を受けた神田知事に

惜敗した。昨夏の総選挙で民主公認で初当選した。

 一方、御園氏は既に民主党県連や県議団幹部にあいさつ回りをし、知事選立候補の意向を伝えたという。御

園氏は愛知県財政課長、同総務部長、総務省官房審議官などを歴任。退官して、今春から愛知東邦大教授

に就任している。

 毎日新聞の取材に対し、石田氏は「まだ結論を出したわけではないが、自分としては(知事を)やりたいという思

いは持っている」とコメントした。

 杉岡和明・民主党県連幹事長は「2人から県連に正式に表明があったわけではない。他の人も含め県議団を

中心に独自候補の人選を進める」と話している。


「トップ登板」名鉄インプレス社長・跡田直則氏
更新日:2010年 8月 5日 (木)

「ハードとソフトの両面で、何度も来てもらえる仕掛けづくりが必要」と話す、跡田社長
 日本モンキーパーク南知多ビーチランドなどのレジャー施設を運営する名鉄インプレス(本社名古屋市中村区

)社長に、跡田直則氏が就任した。レジャーの多様化や少子化が進展する中、各施設の魅力をどう打ち出すの

か。跡田社長に聞いた。
 ―自社施設の現状をどうみている。
 「当社の4施設(日本モンキーパーク南知多ビーチランド博物館明治村、野外民族博物館リトルワールド)は

、すべて身近にあり手軽に来てもらえる。コンセプトもそれぞれ違う。どういうものをどう見せていくか。身近な施設だ

からこそ、何度も来場いただける仕掛けがハードとソフト両面で必要だ」
 ―前3月期の来場者数は。
 「ここ数年、来場者数は200万人で推移してきたが、07年度、08年度と比べると昨年度は10万人減少した

。特に後半は、新型インフルエンザの影響を受けた。モンキーパークが17・8%減の60万人、リトルワールドが2・

1%減の47万人、南知多ビーチランドは4・1%減の47万人だった。一方で明治村は4・7%増の45万人と健

闘した」
 ―今期の設備投資は。
 「ビーチランドのイルカふれあいプールが3月に完成し、モンキーパークの遊園地第一ゲート(正面ゲート)もプール

開業に合わせてオープンした。4施設の投資の優先順位をどうするかは今後の課題。今期、大規模投資は予定

していない」
 ―施設の課題は。
 「プール営業のあるモンキーパークは別として、その他の施設は春秋の2シーズンに来場が集中する。通年でバラ

ンスよく集客できる仕掛けが出来れば、来場者の底上げは可能だ」
 ―外国人観光客はどう取り込む。
 「外国語表記などの改善は進めるが、単独施設でというより、ゾーンとしての売り込みが大事。交通機関や宿泊

とも連携する必要がある。施設が立地する地域の観光協会などと共にPRしたい」
 ―周辺事業の拡大は。
 「4月1日から指定管理者として須磨海浜水族園(神戸市)の管理・運営を行っている。指定管理者制度はニ

ーズを探りながら、ノウハウのある公園事業などで領域を広げていきたい」


岐阜銀、十六銀と合併へ 12年度めど、UFJも支援
2010年7月31日 朝刊
 経営再建中の岐阜銀行岐阜市)は30日、2010年度中に資本業務提携を結んでいる十六銀行(同市)の

完全子会社となり、12年度中に両社が合併する方向で協議に入ると発表した。
 岐阜銀は自力再建を断念し、十六銀の傘下に入る。合併が実現すれば、愛知、岐阜、三重で3行ずつ、計9

行がしのぎを削る東海地方の地銀勢力図が大きく変化することになる。
 岐阜銀は08年秋のリーマン・ショック後の景気後退などの影響で、10年3月期決算の純損益が2年連続の赤

字。約120億円の公的資金の返済期限が来年3月末に迫る中で自力返済のめどは立たず、十六銀と、筆頭

株主である三菱東京UFJ銀行に支援を申し入れた。
 十六銀は岐阜銀の公的資金返済を前提に、株式交換により、100%出資(議決権ベース)の完全子会社と

する。一方で三菱東京UFJ銀は議決権のない優先株を発行して岐阜銀に出資する方針。十六銀は子会社化

によって岐阜銀の財務基盤を強化させた上で、12年度をめどに吸収合併する。
 岐阜銀と十六銀の株式交換比率や三菱東京UFJ銀の出資額などは、今後3行で協議する。
 記者会見した岐阜銀の大熊義之頭取は、合併を決断した理由として「景気が低迷し、システムコストも非常に

高くなり、ある程度の規模がないとやっていけなくなった」と説明した。
 【十六銀行】 岐阜市に本店を置く地方銀行。1877年に第十六国立銀行として創業、1896年に十六銀

行に名称変更した。従業員は2647人。岐阜、愛知などに147店舗を持つ。2010年3月末の預金残高は3

兆9023億円、貸出金残高は3兆229億円。

 【岐阜銀行】 岐阜市に本店を置く第2地方銀行。1942年に岐阜合同無尽として設立。岐阜相互銀行を経

て89年に岐阜銀行に名称変更した。従業員数は571人。岐阜県を中心に49店舗。2010年3月末の預金

残高は7028億円、貸出金残高は5259億円。


ヨタに有利な情報、公開避ける
2010年07月31日12時26分 / 提供:共同通信

 【ニューヨーク共同】トヨタ自動車の急加速問題で、米運輸省がドライバーの運転ミスが原因とみられるとするトヨ

タに有利な情報の公開を意図的に避けていたと、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が30日、伝えた。

同省傘下の道路交通安全局(NHTSA)を7月に退職した元幹部が実名で、ラフード運輸長官周辺が情報の公

表を控えていたと証言。運輸当局の判断の中立性が問題となりそうだ。


運輸省トヨタに有利なリコール調査の公表回避 米紙報道
2010/7/31 10:10日本経済新聞 電子版

 【ニューヨーク=小高航】トヨタ自動車の米リコール(回収・無償修理)問題に関連し、米紙ウォール・ストリート

ジャーナル(電子版)は30日、米運輸省トヨタに有利になる調査結果の公表を意図的に避けていたと報じた。

急加速の原因がトヨタ車の欠陥でなく「運転ミス」だったとする調査内容で、米当局の対応に批判が強まる可能性

がある。

 運輸省の高速道路交通安全局(NHTSA)で、トヨタ車の調査に当たった元幹部(7月に退職)の話として実名

で伝えた。同元幹部はNHTSAによるトヨタ車の調査が終わったにもかかわらず、ラフード運輸長官側の意向で公

表を避けているとした。

 調査は運転者が急加速を訴えた23台について実施。運転記録から、全事例でブレーキが踏まれていないことが

判明し「運転ミスが原因とみられる」という。公表を避けた理由については「当局がトヨタと緊密すぎるとの批判を避

けるため」との見方を示した。


[FT]トヨタ、生産拠点の海外移転加速
2010/7/28 14:00(2010年7月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

決算発表するトヨタ自動車豊田章男社長(2010年5月11日午後、東京都文京区)
 トヨタ自動車円高で国内での生産コストがかさむため、中国、ブラジル、米国での生産拡大を計画している。

 トヨタはまた、円高の影響を緩和するため、今後5〜6年で国内の生産台数をさらに15%削減することも計画す

る。

日本での生産、能力比約7割に削減

 新美篤志副社長は、国内での生産台数を390万台ある生産能力の約70%に減らすと表明した。

 世界的な景気後退を受け、同社は国内での減産を進めてきたが、今回の計画ではさらに大規模で本格的な国

内生産拠点の海外移転を想定している。

 国内生産台数の半分近くを輸出しているトヨタは、今回の決定により自動車産業における成長の原動力となっ

ている新興国での生産拡大に備える。

2012年までにインド、ブラジル、中国で生産

 トヨタは12月にインドで車両組み立て工場を稼働させ、2012年にブラジルと中国の工場でも生産を開始する。

 さらに同社は、金融危機を受けて建設を中断していた米ミシシッピ州の工場も稼働させる。

 新美副社長は、円高で日本からの輸出コストがとても割高になることから、米国での需要は「回復が非常に遅い

」と見込むもののミシシッピ工場の稼働決定は適切な判断だと強調した。

 トヨタは2010年3月期に本来であれば得られていた利益3200億円(36億ドル)が為替変動によって失われたと

試算している。

 前期に円は対ドルで8%上昇、4月以降もさらに7%の円高となり、27日は1ドル=87円に達した。

国内はライン一部停止などで対応

 新美副社長は、1ドル=90円の為替レートでも収益を上げられるようにすることが、海外への生産移転の狙いだ

と話す。

 副社長は、需要回復や円高一服を期待し、国内15工場を閉鎖することはしないものの、生産ラインの一時停

止や一部工場での稼働率引き下げで対応する考えを示した。

 独立系調査会社のアドバンスト・リサーチ・ジャパンのアナリスト、遠藤功治氏はトヨタの姿勢は慎重すぎて競争

力を損ないかねないと指摘する。「トヨタは社外の人間よりも景気回復について楽観的だ」と懸念している。

By Jonathan Soble


中部、8月の国際線は週291便、ベトナム航空がホーチミン線就航
2010/07/29
 中部国際空港によると、2010年8月の国際線旅客便運航便数は週291便になる見込みだ。2009年の夏スケ

ジュールの6月のピーク時と比較すると3便増となる。増減の内訳は、ベトナム航空(VN)が8月13日から週2便でホ

ーチミン線を運航する。また、デルタ航空(DL)は夏の需要の増加を見込んでの増便期間が8月末に終了すること

にともない、8月27日からマニラ線を週1便減便して週5便へ、デトロイト線を8月28日から週1便減便して週5便に

する。
 なお、国内線は1日辺り76便となる見通し。


「独裁」容認、「貧乏人は麦を食え」/菅内閣3人組の危ない思想
2010年07月27日09時27分 / 提供:しんぶん赤旗
 「菅直人内閣の重要政策決定を主導するトロイカ体制」(民主党衆院議員)といわれる菅首相仙谷由人

房長官、玄葉光一郎内閣府特命相(民主党政調会長兼務)。その危うい政治思想に永田町の目が向けられて

います。
 ○…菅首相は今年春の国会審議で、憲法と議会制民主主義の原則とは異質の国会観を披露しました。「言

葉が過ぎると気をつけなきゃいけませんが、議会制民主主義というのは期限を切ったあるレベルの独裁を認めること

だと思っているんです」(参院予算委3月16日)。
 菅首相は、著書『大臣』のなかでも立法府(国会)と行政府(内閣)が一体化し、内閣が優位に立つとする「国

会内閣制」を主張しています。国会を国権の最高機関と位置づける憲法から見ると、与党の多数独裁を認める

独特の憲法解釈です。
 ○…公務員制度改革担当で入閣した玄葉氏も「独裁」という言葉に抵抗感が薄いようです。茂木友三郎キッ

コーマン会長(21世紀臨調共同代表)との誌上対談で次のようなやりとりをしています。
 「茂木 政治形態でいちばんいいのは『ビナイン・ディクテーターシップ(優しい専制主義)』だという言う人が多かっ

た…。
 玄葉 まったくおっしゃる通りで、私もそう思います。非常に賢くて、権力を抑制的に使う人が、独裁体制のもとで

リーダーになったら、いちばんいいですよ」(『味の手帖』6月号)
 民主党参院選で大敗した一因に、6月の首相交代後に慣例の衆参予算委開催を拒絶するなど民主党

強権的な国会運営がありました。数を頼みに強権政治へ暴走した背景に、政権を握った側の独裁は許されるとい

民主党首脳陣の安易な政治思想と関連付ける見方があります。
 ○…参院選で消費税増税を持ち出したのも、菅―仙谷―玄葉ライン。トロイカ体制をリードする仙谷氏は、自

身が主催する21世紀改革研究会の発足講演(1998年12月11日)で語っています。
 「かつて『貧乏人は麦飯を食え』といった政治家がおりますけれど、今はそんな度胸のある政治家はありません。

私はここまで(注・のどもとを指す)でかかっておりますが、次の選挙でもう一回落ちたらもう立ち上がれないと思って

いますので、ちょっというのを控えています…」(仙谷由人『金融・経済危機、そして日本』)。「独裁」の裏腹として

の国民軽視の思想がにじんでいます。
 仙谷氏が紹介するかつての政治家の発言とは、吉田茂内閣当時の池田勇人蔵相の国会答弁です。翌日の全

国紙は「貧乏人は麦を食え」と伝え、当時の国民の憤激を呼びました。
 低所得層ほど負担が重い消費税増税は、「貧乏人こそ消費税を払え」といわんばかりの現代版「貧乏人麦飯」

論です。
 ○…参院選で国民は民主党単独過半数を与えませんでした。民主党政権がはらむ危険を鋭敏な感覚で拒

否したといえるかもしれません。


中部運輸局 MKに値上げ要求…タクシー運賃「低過ぎる」
7月28日1時50分配信 毎日新聞

運賃値上げを求める中部運輸局に対し、会見で「前代未聞だ」と反発する名古屋エムケイの青木信明社長=

名古屋市中村区で2010年7月27日、黒尾透撮影
 中部運輸局は27日、名古屋市などで営業するタクシー会社、名古屋エムケイ(MK、本社・名古屋市北区

の10年度の運賃認可について、業界水準より低過ぎるとして、値上げするよう求める通達を出した。これに対し、

同社の青木信明社長は同市内で記者会見し「民間運賃に行政が値上げを求めるとは前代未聞」と反発。28

日に、現行運賃での認可を求める行政訴訟名古屋地裁に起こすことを明らかにした。【黒尾透】

 ◇社長反発、28日に提訴

 名古屋エムケイの現行運賃は中型車の初乗り(1.3キロ)が400円、走行197メートルごとに50円が加算さ

れる仕組みで、競合他社より初乗りで100円程度低い。申請したのは今年1月で、09年度と同額に据え置い

た。

 同運輸局は「エムケイの申請額は車両稼働率を99%と想定しているが、過去5年間の平均値88%で計算し

直すと採算割れする」(自動車交通部)と査定。初乗り運賃を7.5%アップの430円、加算額を188メートルご

とに50円とするよう求めている。

 だが、青木社長は「運輸局の査定は一時的に社員が倍増し、経費率が高まった時の損益を前提にしている」と

反論、徹底抗戦する構えだ。運輸局が設定した再申請期限は8月10日で、それまでに提出しない場合は申請

は却下され、タクシー事業はできなくなる。

 タクシー営業に関しては、02年の道路運送法改正で大都市圏を中心に車両台数が増え、運転手の労働条

件が悪化したことを受け、昨年10月に施行された「タクシー適正化・活性化法」で規制が再強化された。

 京都を本拠地とするエムケイグループは、業界水準を下回る料金とサービスを売り物に、全国8カ所で営業する「

業界の異端児」。名古屋エムケイは02年に開業、名古屋地区と中部国際空港で営業し、現在102台を保有

している。従業員は205人。

 福岡エムケイでは、九州運輸局の運賃査定を不服として福岡地裁に提訴、同地裁はエムケイ側の主張を認め

る仮処分申請を出しているという。

 ◇競合他社「当然」の声多く

 ◇利用者「値上げは困る」

 名古屋エムケイに対する中部運輸局の「値上げ指導」に対して、競合する名古屋市内のタクシー会社からは当

然との声が多い。ある大手タクシー会社の運転手(65)は「エムケイの料金は、値下げ競争を激化させる恐れがあ

る。国の指導に従って値上げすべきだ」と話す。市内の個人タクシーの60代の運転手も「景気低迷で利用者が増

えないのに、タクシーの台数は増えて競争が激化している。エムケイの低価格は脅威」と嘆く。

 ただ、利用者側の反応は正反対で、市中心部でタクシーをよく利用する30代の男性会社員は「エムケイは運

転手が礼儀正しいし、料金も安いので利用している。値上げは困る」と国の指導に疑問を呈している。【工藤昭

久】

JR東海社長が「上海リニアはおもちゃ」記事を印刷する
 JR東海の山田佳臣社長は26日に名古屋市で開かれたリニア中央新幹線の建設促進を求める集会で、中国

・上海のリニアモーターカーに触れ「あちらが小学生のおもちゃなら、わたくしどものリニアはiPad(アイパッド)みたいな

ものだ」と発言した。

 米アップルの多機能端末「iPad」を例えに自社の技術の優位性を強調しようとした発言だが、波紋が広がる可

能性もありそうだ。

<iPodナノ>充電中に過熱事故 リコールに応じず
2010年07月28日12時33分 / 提供:毎日新聞
 消費者庁は27日、米アップル製の携帯音楽プレーヤー「iPod nano」が充電中にバッテリーが過熱して発火

し使用者がやけどする事故が起きたと発表した。05年から発売された初代モデルで、過熱事故は07年11月以

降計27件となり、このうち火災は今回を含めて6件となった。同社はリコールに応じていない。


 上海リニアは2002年末に開通。浦東国際空港と市街地の間の約30キロを最高時速約430キロで結んでい

る。上海リニアはドイツ製で車体が軌道から約1センチ浮く構造なのに対し、JR東海のリニアは「超電導」で約10

センチ浮上することなどから、災害にも強いとPRしている。(共同)
 [2010年7月27日2時37分]

 「実際そうかもしれんが、そりゃあ出来上がるのが上海より30年かそれ以上遅れるんだろ。完成が30年遅れて上

海と同じレベルのものだったら笑われるぞ」といった技術的なものや、「外国で売り込むときにはもうちょっと的確な喩

えを出してほしい」 と、山田社長の例え話がヘタだという意見が出ている。

 上海リニアは2002年末に開通。浦東国際空港と、中心部から少し東に外れた龍陽路駅間(約30キロ)を最

高時速約430キロ、所要時間約10分で結んでいる。料金は片道50元(約640円)。一方で、国内線が中心

虹橋空港と市内中心部を結ぶ地下鉄2号線が浦東空港まで伸延され、今年4月からリニア線に並行して走っ

ている。
 上海の往来が多い30代の日本人男性は「地下鉄だと市内から直行できて、運賃は10元(約130円)以下。

リニアは手荷物を係官に預けてX線検査に通す必要があり、その分、乗り換えに時間がかかる。速度も実際には

時速300キロ台の時間帯があり、どうしてもリニアに乗りたい観光客や鉄道ファン以外は、利用価値が薄い」と語

る。技術面以前の問題も大きいようだ。


 JR東日本JR東海は27日、2010年4〜6月期連結決算をそれぞれ発表した。新型インフルエンザ流行の

懸念から前年大きく落ち込んだ反動で、鉄道輸送量が改善し、両社とも3期ぶりに増収増益となった。ただ、高

速道路料金の値下げの影響が続いていることから、通年の業績予想は、いずれも据え置いた。

 JR東日本は、ゴールデンウイーク期間中の集客に力を入れたため、売上高が前年同期比0.5%増の6310

億円となった。増収効果により、本業のもうけを示す営業利益は同18.0%増の1157億円となり、最終利益も

19.6%増の451億円と好決算となった。

 JR東海は、東海道新幹線に最新型車両N700系を積極的に投入するなど、利便性向上を図る戦略を展開

。売上高が同4.7%増の3624億円となった。営業利益は同26.4%増の1020億円、最終利益は同51.

0%増の465億円と利益を大きく伸ばした。

 新型インフルエンザへの懸念が薄らいだことで、新幹線と在来線を合わせた旅客輸送量はJR東日本が同0.3

%増の321億人キロ、JR東海が同5.6%増の131億人キロとそれぞれ伸びた。


上海リニア使えない評判 JR東海社長「あれはおもちゃ」
2010年07月27日17時00分 / 提供:ZAKZAK夕刊フジ

JR東海社長に「おもちゃ」扱いされた上海リニア。汚れも目立つ
 JR東海の山田佳臣社長は26日、中国・上海のリニアモーターカーを「あちらが小学生のおもちゃなら、わたくしど

ものリニアはiPad(アイパッド)みたいなものだ」とコキ下ろした。国家の威信をかけた新交通だけに、メンツを重んじ

中国当局の反発も予想されるが、実際に上海リニアは「使えない」(日本人利用客)ともっぱらの評判だ。
 山田社長の「おもちゃ」発言は、リニア中央新幹線の建設促進を求める名古屋市内の集会で飛び出した。周辺

自治体の首長や商工関係者ら約200人を前に、上海リニアはドイツ製で車体が軌道から約1センチ浮く構造な

のに対し、JR東海のリニアは「超電導」で約10センチ浮上するとし、災害にも強いとPRするための発言だった。
 上海リニアは2002年末に開通。浦東国際空港と、中心部から少し東に外れた龍陽路駅間(約30キロ)を最

高時速約430キロ、所要時間約10分で結んでいる。料金は片道50元(約640円)。一方で、国内線が中心

虹橋空港と市内中心部を結ぶ地下鉄2号線が浦東空港まで伸延され、今年4月からリニア線に並行して走っ

ている。
 上海の往来が多い30代の日本人男性は「地下鉄だと市内から直行できて、運賃は10元(約130円)以下。

リニアは手荷物を係官に預けてX線検査に通す必要があり、その分、乗り換えに時間がかかる。速度も実際には

時速300キロ台の時間帯があり、どうしてもリニアに乗りたい観光客や鉄道ファン以外は、利用価値が薄い」と語

る。技術面以前の問題も大きいようだ。


記者の目:角界暴力団=秋山信一(中部報道センター)
毎日新聞 2010年7月23日 東京朝刊
 ◇社会全体の「暴排」のきっかけに
 09年の大相撲名古屋場所暴力団幹部らが日本相撲協会に承認された「維持員」の席で観戦していた問

題が発覚してから約1年。名古屋場所を開催中の愛知県体育館では、警察官が警戒にあたり、組員の姿は確

認されていない。県警幹部は「社会全体で暴排(暴力団排除)に取り組むきっかけにしたい」と語り、関心が高い

大相撲を暴排アピールの格好の場と位置づけている。

 私は1年前からの変化に驚いている。当時は会場に暴力団の入場を禁じる看板さえなく、県警は何の手も打て

ずにいた。企業・団体が暴排の意思を明確にし、警察が情報提供などで協力する。どちらが欠けても暴排が実現

しないことを今回の問題は浮き彫りにしたと思う。同時に、県警と協会がもっと早く協力し合えば、問題を広げずに

済んだのではないかと感じている。

 ◇維持員席の観戦、04年から把握
 「また来とるな」。09年7月、庁内で名古屋場所の中継を見る県警幹部は渋い顔だった。画面中央の行司の

背後にはスーツ姿の山口組弘道会幹部。捜査関係者によると、暴力団は服役中の組員に仲間や家族の姿を見

せたり、勢力を示すため、中継に映る席で観戦することがあるという。弘道会幹部は、本来は協会に一定の寄付

をした個人や法人などが使う維持員席にいた。

 だが県警は「犯罪行為は確認できない」として協会に情報提供せず、入場券の入手経路も調べなかった。県警

は遅くとも04年には暴力団の観戦を把握、09年も15日間で延べ50人以上を確認した。対策を尋ねる私に、

県警幹部は「全国中継されるのは不愉快だが、相撲を見てるだけだ。相手が暴力団だからって、警察は何でもで

きるわけじゃない」といら立った表情を見せた。

 確かに暴力団の観戦自体は違法ではない。だが主催者の内規により排除は可能で、プロ野球は入場禁止を

明文化している。相撲協会に同様の内規はなく、当時は暴排の根拠となる看板や張り紙も会場になかった。県

警幹部は「協会の協力がなければ、警察は介入できない」と批判した。

 しかし09年8月に毎日新聞が観戦問題を報じ、角界暴力団の関係が注目されると、県警は暴排アピールの

好機とみて積極的に動いた。県警の調べで暴力団がいた6席を手配した相撲案内所が判明。うち2席は、知人

の依頼で木瀬親方=降格、部屋閉鎖=が04年以降、案内所に要請し、案内所が元維持員の名義を借りて

確保していた。

 協会も対応を迫られた。9月の秋場所から暴力団の入場を禁じる看板を設置。10月には規約改正で暴力団

関係者は維持員になれないと定めた。今年5月には木瀬親方らを処分。今場所は会場に監視カメラを設置し、

暴力団の退席を求める放送を繰り返している。県警も暴力団専門の捜査員6人を常駐させている。

 ◇入場禁止明記で警察動く根拠に
 暴排には警察と企業・団体の協力が不可欠だ。警察は公共事業からの暴排や組員の銀行口座凍結を推進し

、行政や金融機関の照会には情報を提供している。警察庁などの08〜09年の調査では、国の地方機関の6

割、企業の8割超が警察に暴力団に関する情報提供を望んでいた。だが民事介入暴力に詳しい疋田淳弁護士

は「暴力団という根拠もなく警察に照会はできない。行政や企業がそうした情報をつかむのは難しい」と指摘する。

 だが、もともと警察庁が00年に作成した外部への情報提供基準は、暴排目的で積極的に対応する方針を示

している。観戦問題でも県警はもっと早く協会に情報を提供し、注意喚起ができたはずだ。

 もちろん行政や企業も情報を待つだけではいけない。暴力団関係者との取引を規制する暴排条項や、提供さ

れた情報の漏えいを防ぐ規定が必要だ。日本証券業協会は5月、データベースに警察の暴力団情報を活用する

ことで警察庁と合意した。従来より踏み込んだ試みだ。だが警察庁などの調査では、暴排条項のある企業や行政

機関は約2割にとどまる。大相撲も入場券などに暴力団の入場禁止を明記し、警察が暴排に協力する根拠がよ

うやく明確になった。

 今場所、私は2度観戦に行った。空席が目立ち、懸賞は数えるほど。1年前にほぼ満席で観戦をあきらめた一

ファンとしては寂しく、暴力団絡みの不祥事がファンや企業を遠ざけるのだと痛感した。

 今回の問題は、捜査情報の有効活用が暴排に直結することを示した。野球賭博は刑事事件として徹底捜査

する必要があるが、一連の問題が報道され、暴排への関心がかつてなく高まったのも事実。一過性に終わらせず、

角界に限らず、暴排を広げるきっかけにしてほしい。

==============

名商会頭に高橋氏 正式発表 名港海運から初

名古屋商工会議所の次期会頭に内定した名港海運の高橋治朗会長(右)と岡田邦彦会頭(名古屋市中区の

会議所ビルで)
 名古屋商工会議所は28日、10月末で3年間の任期が満了する岡田邦彦会頭(75)(J・フロントリテイリング

相談役)の後任に、名港海運会長の高橋治朗・副会頭(77)を充てる人事を正式に発表した。11月の議員総

会で正式決定する。名港海運から名商会頭に就任するのは初めて。

 高橋氏は「地域への貢献が何よりも重要と考え、お引き受けをする決心をした」とのコメントを出した。

 副会頭人事は、安井義博・ブラザー工業相談役(71)と栗岡完爾トヨタ自動車相談役(73)、早川敏生・東

邦ガス相談役(75)が退任。新たに岡谷篤一・岡谷鋼機社長(66)と茶村俊一・J・フロントリテイリング社長(6

4)、水野耕太郎・東邦ガス会長(69)、立花貞司・トヨタホーム会長(63)を充てる方向で調整している。

 【高橋 治朗氏(たかはし・じろう)】 一橋大商卒。56年大阪商船(現商船三井)入社。61年名港海運に移

り、74年に取締役。常務、専務、副社長を経て95年から社長。01年から会長。99年9月から名商副会頭を

務める。名古屋市瑞穂区出身。高橋会長は創業者の次男。

 名港海運
 1949年に設立。港湾運送事業を中心とした総合物流企業で、62年に名古屋証券取引所第2部に上場し

た。2010年3月期連結売上高は472億円。高橋治朗・現会長は、創業家の出身。本社は名古屋市港区。
(2010年7月29日 読売新聞)


名商会頭、高橋氏要請へ 名港海運会長、副会頭
2010年7月14日 朝刊
 名古屋商工会議所は13日、10月末で3年の任期満了を迎える岡田邦彦会頭(75)=J・フロントリテイリン

グ相談役=の後任に、副会頭の高橋治朗名港海運会長(77)に就任を要請することを決めた。岡田会頭が近

日中に要請する。
 高橋氏は副会頭6人中、在任期間が最も長く財界活動に精通している。港湾問題のエキスパートで、国際的

にも広い人脈を持つ。受諾すれば名古屋財界幹部らも推挙する見通し。11月の臨時議員総会で正式決定す

る。
 26代を数える名商会頭は、最近10代では主に名鉄(4人)と名古屋市に本店があった旧東海銀行=現三菱

東京UFJ銀行=(3人)が交代で輩出してきた。今回も25代の箕浦宗吉名鉄相談役=当時=から引き継いだ

岡田会頭が、副会頭の木村操取締役相談役(72)ら名鉄出身者を軸に人選を進めていた。しかし、今週に入り

、岡田会頭が名鉄首脳と会談。名鉄出身者の就任を要請したが、業績の低迷などを理由に辞退したいとの申し

出を受けた。
 高橋氏が会頭に就任すれば、名港海運出身として初めてとなる。
◆立花氏、水野氏副会頭に内定
 今回の役員改選ではこのほか、次期会頭を支える副会頭6人のうち数人が入れ替わる予定で、これまでに栗岡

完爾トヨタ自動車相談役(73)の後任に立花貞司トヨタホーム会長(63)、東邦ガスの早川敏生相談役(75)

の後任に水野耕太郎会長(69)が内定した。

 名港海運 本社・名古屋市港区。1949年設立。名証第二部上場。売上高472億円(2010年3月期・

連結)。従業員843人。名古屋港で最大手の港湾運送会社。高橋会長は創業者の次男。


名商会頭に高橋氏浮上
名港海運会長 6副会頭中、在任最長

高橋治朗氏
 任期満了の10月末で退任する意向を示している名古屋商工会議所の岡田邦彦会頭(74)(J・フロントリテイ

リング相談役)の後任会頭に、名港海運会長の高橋治朗・副会頭(77)を昇格させる案が浮上していることが1

0日分かった。

 次期会頭は、副会頭6氏の中から選任するのが通例。岡田会頭は、これまで歴代会頭を輩出してきた名古屋

鉄道の木村操・副会頭(72)(名鉄取締役相談役)らを軸に人選を進めてきた。だが、名鉄は業績低迷を理由

に固辞する姿勢を崩していない。岡田会頭は、名鉄側の意向を最終確認した上で、対応を決める。

 高橋氏は、1999年9月に副会頭に就き、6氏の中で副会頭の在任期間は最長となっている。他の名商幹部

からの人望が厚く過去にも会頭候補に名前が挙がったことのある高橋氏の起用が急浮上した。
(2010年7月10日 読売新聞)


決着 名商会頭人事(上) 消えた「五摂家
一時は岡田氏続投論 白羽の矢立てた名鉄固辞

◎本  命

 「優れた人格と識見をお持ちの方だ」

 岡田邦彦会頭(75)は28日の記者会見で、次期会頭に内定した高橋治朗氏をこう紹介し、ベストの人選で

あることを強調した。だが、1月に後継選びに動き始めた時の“意中の人”は別にいた。本命は、過去6人の会頭

を輩出してきた名古屋鉄道の取締役相談役を務める木村操副会頭(72)だった。

 名商会頭は、中部経済連合会会長と並ぶ中部財界の最高峰ポスト。人選に当たっては人格・識見だけでなく

、出身企業の「格」も重視されてきた。

 会頭は副会頭から選出されるのが慣例で、岡田氏の前任会頭は、名鉄出身の箕浦宗吉氏(83)。岡田氏が

木村氏に白羽の矢を立てるのは、自然な流れだった。

◎難  航

 ところが、1月以降、岡田会頭の意向を受けて細谷孝利・名商専務

名鉄百貨店共同PB まず50歳代婦人服
値頃感追求へ新たな挑戦
 名鉄百貨店が藤崎(仙台市)など地方有力百貨店と共同で自主企画商品(プライベートブランド=PB)の開

発・発売に踏み切るのは、値頃感のある独自の商品を提供することで、主力顧客である50歳代前後の女性の百

貨店離れを食い止める狙いがある。(小林雅和)

 個人消費の低迷で、高級品の品ぞろえを競っていた百貨店業界にも低価格化の波が押し寄せている。中でも

売り上げが落ち込んでいる婦人服は、顧客の商品を選別する目が厳しくなっている。

 名鉄、藤崎、天満屋岡山市)、井筒屋(北九州市)の4社の共同ブランド「リ・アース(仮称)」は、高品質を維

持しつつ、同様の商品に比べ3割ほど安い価格設定が特徴だ。第一弾となる50歳代女性向けの商品は、開発

段階で、対象となる女性層の体形データを分析した独自のパターン設計を行い、日常生活の様々なシーンに合わ

せた衣料を開発した。PB製作を依頼したアパレル大手のオンワード樫山は、伊勢丹と共同で低価格の女性衣料

ブランドの開発に取り組んだ実績がある。

 名古屋市内は、狭い商圏に、松坂屋名古屋店、ジェイアール名古屋高島屋三越名古屋栄店など大手百貨

店の旗艦店がしのぎを削る全国屈指の激戦区だ。

 こうした環境下で、名鉄百貨店は、伊勢丹と会員カードの提携などで、顧客の囲い込みを進めてきたが、商品

開発の面でも独自性を発揮する必要があった。4社は共同ブランドの販売動向を見ながら、商品の対象を紳士

服などに広げる計画で、こうした取り組みは、地方百貨店の生き残り策の試金石になる可能性がある。
(2010年3月13日 読売新聞)


中部電力新社長に水野氏
2010年3月24日 夕刊
 中部電力は24日、水野明久副社長(56)が社長に昇格するトップ人事を決めた。三田敏雄社長(63)は会

長に就く。6月の株主総会後の取締役会で正式決定する。
 懸案だった浜岡原発静岡県御前崎市)4号機のプルサーマル計画や、1、2号機を廃炉して6号機を新設す

るリプレース(置き換え)計画に見通しが立ったことから、若い水野氏へのバトンタッチが適切と判断した。
 三田社長は今年6月で就任から4年となる。水野氏は経営戦略部長を務めるなど企画畑に強く、強いリーダー

シップが期待されている。
 水野 明久氏(みずの・あきひさ) 78年中電入社。常務執行役員、取締役専務執行役員などを経て、09

年から代表取締役副社長執行役員


「往復割引乗車券」については、東京方面からJR名古屋駅経由でJR新宮駅、JR紀伊勝浦駅に来られる場合

、考慮しなければならない事があります。

JR名古屋駅からの特急≪ワイドビュー南紀≫は、第三セクター伊勢鉄道を通る部分があります。

Googleで検索してみましたら、「教えて!goo」に、そのものズバリの例が出ていました。

要は、「JRの営業キロが601キロ以上」という事ですから、行き先の駅を遠くに設定するとかすれば良いのです。

新幹線で、東京から名古屋までの「JRの営業キロ」は366.0キロ、名古屋から新宮駅までの「JRの営業キロ」は

208.8キロ、合計574.8キロの「JRの営業キロ」となります。

このまま乗車券を「ゆき」と「かえり」で買うよりも、つまり「JRの営業キロ」574.8キロで買うよりも、601キロ以上

になる駅を設定し「往復割引乗車券」として買う方が、安いのです。

私が東京に行くときは、JR新宮駅で切符を買って、JR新宮駅で特急≪ワイドビュー南紀≫に乗るのですが、乗

車券はいつも【古座→東京都区内】【東京都区内→古座】の「往復割引乗車券」としています。

地元の人、つまり、和歌山県新宮市那智勝浦町太地町の人はよく知っているかと思います。


2010/03/16<東海東京FHD>預かり資産を1.3倍に…石田社長
大証券の次目指す 西シティ銀も提携
 準大手証券、東海東京フィナンシャル・ホールディングス(FHD)の石田建昭社長(東海東京証券会長)は、毎

日新聞のインタビューに応じ、2年以内に預かり資産を現在の約1.3倍にあたる6兆円に増やし、業界7?8位の

現状から大手5証券に次ぐ地位を目指す方針を明らかにした。有力地銀との共同出資による証券会社を1年に

1社のペースで新設するほか、中小証券会社の買収に積極的に取り組む。

 東海東京FHDは、横浜銀行山口フィナンシャルグループとすでに証券会社を設立しており、5月には西日本

シティ銀行と共同出資の会社も開業する。石田社長は「メガバンクや大手証券は東京を中心に動いており、地域

ニーズに応えきれていない」と指摘。地盤の東海地区で培った地域サービスのノウハウを地銀提携で生かしていくと

語った。

 中核子会社の東海東京証券トヨタファイナンシャルサービス(FS)証券が4月に合併するが「トヨタグループ従業

員やトヨタ車購入者など独自の顧客基盤を持ち、理想的な合併。トヨタからの出資も受けておりブランド力向上も

期待できる」と述べた。

 東海地方の企業を投資対象とするETF(上場投資信託)を開発し、年内の名古屋証券取引所上場を目指す

ことも明らかにした。【鈴木泰広、宮島寛】


東海東京FHD:5大証券の次目指す 資産1.3倍へ 買収さらに−−石田建昭社長

インタビューに答える東海東京フィナンシャル・ホールディングスの石田建昭社長=名古屋市中村区名駅で、兵藤

公治撮影
 準大手証券の東海東京フィナンシャル・ホールディングス(FHD)の石田建昭社長(東海東京証券会長)は12

日、毎日新聞のインタビューに応じ、2年以内に預かり資産を現在の約1・3倍に当たる6兆円に増やし、大手5

証券に次ぐ業界6位を目指す方針を示した。具体的な手段として、有力地銀との共同出資による証券会社のさ

らなる新設や、中小証券会社の積極的な買収などを挙げた。【聞き手・鈴木泰広、宮島寛】

 −−大手金融グループとの競争が激化している。

 ◆メガバンクや大手証券は東京を中心に動いており地域ニーズに応えきれていない。当社は総合証券ではある

が東海地域が地盤で、地域に根ざしたサービスを行うノウハウがある。そこを生かして存在感を高める。

 −−具体的には?

 ◆横浜銀行山口フィナンシャルグループとそれぞれ共同出資で証券会社を設立した。地方銀行の雄と提携し

各地の証券ニーズに応えるためだ。5月には西日本シティ銀行との証券会社も開業する。今後も1年に1行ペース

で提携先を増やす考えで、数行と意見交換を続けている。

 −−中核子会社の東海東京証券トヨタファイナンシャルサービス(FS)証券と4月に合併する。

 ◆地銀に当社の魅力を理解してもらうためにも、本丸を一層強化する。FS証券はトヨタグループ従業員など独

自の顧客基盤を持ち理想的な合併だ。トヨタからの出資を受けておりブランド力向上も期待できる。FS証券のイ

ンターネット取引を参考にして、ネットと電話取引、現場の営業マンを連動させた新たなサービスを始める準備も進

めている。

 −−一時はコスモ証券も買収候補だった。

 ◆中身は調べていた。(コスモは他社が買収する方向だが)今後もチャンスがあれば他証券の買収を真剣に考え

る。当社の預かり資産はトヨタFS証券も加えれば現在4兆円。地銀と共同出資の証券2社の資産も近く5000

億円に達する。大手5証券に次ぐ地位を確立するため提携先拡大のほか、中堅証券会社の買収などで2年以

内にグループで6兆円規模にする。

 −−東海東京証券は4月、名古屋・ミッドランドスクエアに本店を移す。

 ◆我々の存在感を地元にはっきりと示すためだ。ほとんど転勤がない、逃げられない形で徹底的にサービスをする

。ミッドランドはステータスシンボル。証券会社にとって門構えは重要だ。

============
 ■人物略歴

 ◇いしだ・たてあき
 小樽商科大卒。68年東海銀行(現三菱東京UFJ銀行)。常務などを経て、04年に東海東京証券に転じ0

5年3月社長。09年4月の東海東京フィナンシャル・ホールディングス発足に伴い現職。北海道出身。64歳。

毎日新聞 2010年3月13日 中部朝刊


東海東京フィナンシャル・ホールディングス 石田建昭
たてあき
社長会
預かり資産 東海で50%堅持

稲垣政則撮影
 中核事業子会社「東海東京証券」の本店を4月1日に東京都から名古屋市に移す準大手証券「東海東京

ィナンシャル・ホールディングス」の石田建昭社長(64)は12日、読売新聞のインタビューに応じた。同社は、東海

東京証券とトヨタファイナンシャルサービス(FS)証券を統合して、東海地方の営業を強化する方針で、石田社長

は、2年後のグループの預かり資産残高目標6兆円のうち、50%以上を東海地方で獲得したい意向を示した。

中村紘子

 ――東海東京証券の本店を名古屋へ移す理由は。

 「東海東京証券の預かり資産(2009年末時点で3兆3560億円)のうち、静岡県を含む東海4県の比率は

約55%。トヨタFS証券を合併すると60%程度まで上昇する。大手証券との競争や銀行の証券業参入に対抗

し、この市場占有率を維持・拡大するため、本店を移転し、顧客に『本気度』を示したかった」

 「顧客の資産運用や豊かな生活設計の身近な相談相手になれる営業体制を作る。イベントやビジネス支援、

大学との連携などを通じて地域に貢献したい」

 ――東海地方での当面の戦略は。

 「支店網は充実している。今後は小さな支店を統合して相談機能を整え、他の金融機関との共同店舗などを

模索する。富裕層向け営業拠点のプレミアサロンは、1年以内に愛知県三河地区に新設する目標だ」

 「トヨタFS証券の顧客層であるトヨタグループの社員や企業、ディーラーを通じた自動車ユーザーへのサービス強

化を進める。まずは合併記念ファンドの発売なども予定している」

 ――12年3月までのグループ経営計画で、預かり資産残高を6兆円にまで増やす目標を掲げているが。

 「グループ全体では、証券会社の買収や地方銀行との提携によって、営業基盤を拡大するのが基本方針だ。預

かり資産は6兆円になっても、東海地方の比率は50%を堅持し続けたい。(トヨタFS証券合併後の)現在の体

制では65%まで引き上げる目標だ」
(2010年3月13日 読売新聞)


沖縄の航空管制、月末返還 日米政府が正式合意
2010年3月18日 23時01分
 日米両政府は18日、日米地位協定に基づく合同委員会を都内で開き、在日米軍が管轄する沖縄本島周辺

の航空管制システム「嘉手納ラプコン」を今月31日に日本へ返還することで正式合意した。米軍が1945年の沖

縄占領後、独占し続けてきた“空の交通整理”権は、72年の沖縄本土復帰から約38年で、一部を残し、ようや

く日本に戻ることになった。
 国土交通省によると、軍用機と民間機が“競合”するケースでの「軍事優先」は返還後、弱まる見通し。米軍用

機とのすみ分けで低い空域を飛行していた民間機が、米軍機が飛来しない時間帯に高度を上げて飛ぶことも日

本の管制官の裁量で可能になる。ただ当面、飛行コースの大幅な変更は予定していないという。
 米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)と普天間飛行場(同宜野湾市)の飛行場管制空域では引き続き、

在日米軍が管制にあたる。
 日米両政府は2004年、「米軍の運用に支障を来さないこと」を条件として返還に合意。だが期限とされた07

年末の段階では、日本側の管制官の訓練が間に合わず延期となった。今月が再設定された返還期限だった。
 政府は返還後、名称を「那覇進入管制空域」に変更し、那覇空港内の施設で運用する。
(共同)


気がつけば桜の季節である。トヨタプリウス暴走に関するABCの誤報も、時代がニュースに、ニュースが時代に媚

びすぎているヤブヘビである。久しぶりに松坂屋の店内をくまなく歩いてみて驚いた。地域一番店独特の存在感が

失われつつあるのは明らかで、店頭にもさほどの活気がない。店員らについても私語を持て余している。いっそのこと

丸栄のように、若者に媚びて訳がわからなくなってしまった方が小気味がいい。JR東海がターミナルビル建て替えで

新豊田ビル報復をあっさり断念して計画縮小をしたり、不景気による業績を理由にリニアの東京ー名古屋開業を

遅らせると言い出した。ぎりぎりになってでもなく、見栄を張らぬバランス感覚は褒めるに値する。

 日本語には、使わなくなれば忘れられていく美しい言葉がたくさんある。言霊(ことだま)といって、言葉には魂があ

ると信じられてきた国である。 豊栄登(とよさかのぼり)とは、朝日が美しく輝いてのぼることだが、のぼりゆく太陽は

古代の人々ならずとも、いつ見てもエネルギーにあふれ満ちている。聖書の創世記にある天地創造も、初めに夜が

あって朝が来る。豊栄登る朝日の姿は、何も特別なことではないし、雨に日さえ雲のうえで、いつも繰り返されてい

る。そう思うと、豊栄登は、祈りの言葉に近い。

 母親から五年間で九億円もの”子ども手当”を支給されている、坊っちゃん宰相には政治的実感がわかないのだ

ろう。たしかに日本については、率直に確証を持って楽観できる材料が見当たらない。それでもスズキの鈴木修さん

の放ったあざやかな才覚のニュースもあった。このところ座談で2010年の経済成長率が、予想よりも下向きに崩れ

る可能性がある国として米国に言及している。もろん日本も他人事ではなく、何よりデフレの進行が急なのは日本

人お得意の集団主義の落とし物である。少なくとも2010年の日本経済は、欧州よりも安定性を欠いた展開となる

し「かつては十年ひと昔といったが、今は一年ひと昔。十年先のことを考えるなんて昔で言えば百年先を考えるよう

なもの。会社のあるべき姿を描くと現実から大きくかい離する。最小限、何を今なすべきかを考えていくことだ、多く

の識者が喝破している。

 新聞紙面を何面も使って報道されるニュースがあるときには、「ベタ記事」や「書かれていない記事」は何かを注視

した方が無難である。弊フォーラムでも、ニュースを読み解くこの鉄則を何回も繰り返してきた。都合の悪いニュース

を流すなら、こうしたタイミングが格好の時だから隠したい人間は、昨日流している。

 昨今の新聞にもこの鉄則が当てはまる。例えば国際情勢の軍事マターはすべからく政治の延長線上にあるもの

で、決して特別なものではない。だから、軍事を忌み嫌う人は、政治を正しく理解することが出来ない。一方で、

軍事を必要以上にアレルギーがあったりサンクチュアリなものと捉える人も、全体を見誤まる。そもそも経済以上に

国際政治がバランスオブパワーの関係で成り立っていることを無頓着な正義で成り立っているわけでもない。一方で

、そのようなことを頬かむりをしたお人好しが、あたかも善良な知識人であるかのように捉えられる傾向も困ったもの

で、残念ながら、現実の国際社会は単なる仲良しクラブなどではない。戦後のイタダキ民主主義の馬脚を検証し

ない限り、政治改革も地方分権も検察リークの跳梁跋扈と同じ話である。自国への帰属意識が希薄であるという

のは、日の丸や君が代への後ろめたさが災いして守るべき対象を感じることが出来ないからだろう。国家観や地際

主義への考察を怠ってきたことのツケでしかあるまい。

 スズキ社長は、VWと提携「GM破綻後の生き残り考えた」と味な発言をしている。環境車でVWの技術活用し

て開発急ぐ算段だが、ダイハツを含むトヨタグループにとって、今回のスズキVWの資本提携インパクトは非常に

大きい。トヨタはスズキを長年に渡り「目の上のタンコブ」扱いだったし、VWの中国市場の優位性を「見事な中期

戦略」と思ってきた。フェルディナンド・ピエヒVW監査役会会長も見守る会見では終始、鈴木会長を立てたVW側

だったが、両社の関係がどうなるかは予測は簡単ではない。三菱自動車に対するダイムラー・クライスラーのような

支配欲むき出しの進め方は避けると見られるが、彼我のメリットデメリットをどうバランスさせるか。トップからプロジェク

トメンバーまで、どういう方針で共同の仕事に臨むかが今後を大きく左右するだろうが、提携交渉に当たった会長の

長男、鈴木俊宏専務動きにも関心が集まっている。「年齢は7掛け」が口癖の鈴木会長は今月30日に80歳を迎

える。
 

河村市長の支援団体世話人2氏が辞任
2010年3月19日 朝刊
 河村たかし名古屋市長の支援団体「河村サポーターズ」の中心人物だった後房雄名古屋大大学院教授と同

市経営アドバイザーの藤岡喜美子氏が、市長への不信感を理由に同団体の世話人を辞任したことが分かった。

藤岡氏は市のアドバイザー職も辞任する意向。河村市長の市議会との対決姿勢に影響を与える可能性もあるが

、市長周辺は強気の姿勢を崩していない。
 後氏と藤岡氏は、市の放課後児童対策「トワイライトスクール」の運営主体選定をめぐる疑惑が指摘されている

NPO法人代表理事と事務局長。
 後氏は河村市長のブレーンで市長選のマニフェスト作成にもかかわった。本紙の取材に「一連の騒動で(市長は

)藤岡氏を擁護せず信頼できない」と話し、今後は市長と距離を置く姿勢を示した。
 サポーターズは、市議会の解散請求(リコール)に向けた署名集めの“実動部隊”として昨年11月に設立された

。会員は1000人強。
 開会中の2月定例会で市長と議会の溝は深まっており、閉会後の署名集め開始は不可避だが、市長の周辺は

「実際に動く人は昔からの支援者ら。署名集めへの影響はほとんどない」と話している。
 サポーターズでは、代表だった柳川喜郎・元岐阜県御嵩町長が今月上旬、病気を理由に辞任した。残る世話

人は10人だが、当面は代表を置かない。
 また、藤岡氏はトワイライトスクールをめぐる疑惑について「一定の潔白は示せた」ため、経緯を取りまとめた報告

書を週明けに市長に提出した後、市経営アドバイザーの辞表を提出する。
 市経営アドバイザーは地方自治法に基づく専門委員で市に意見、提言する。藤岡氏は行政経営と福祉分野

を担当。藤岡氏の辞任で、市のアドバイザーは12人となる。
◆疑惑解明努めたい
 河村たかし市長の話 2人には大変お世話になり、感謝しております。私としては、何らかの疑惑があれば、ほっ

ておくわけにはいかない。今後のためにも、引き続き(今回の疑惑の)全容解明に努めたい。議会改革、庶民革命

は絶対に成し遂げますので。


大洋薬品処分方針で後発薬の普及に逆風 根強い不信感も
2010年3月18日 朝刊

 主力工場で製造した医薬品の安全管理に重大な問題があったとして、ジェネリック医薬品後発医薬品)大手

大洋薬品工業名古屋市)に岐阜県が近く業務停止命令を出す方針を固めたことをめぐり、業界ではイメージ

悪化への心配が広がっている。ジェネリック医薬品は国が医療費抑制のため普及を進めているが、普及にブレーキ

をかけかねないとの声も上がっている。
 ジェネリック医薬品は以前から、メーカー側の安定供給と品質確保を疑問視する指摘があった。東京都内の医

師は「ジェネリック医薬品メーカーには、体力のない会社もある。品質のばらつき、供給面の心配は依然ある」と、

利用に後ろ向きだ。
 業界は根強い不信感を払しょくするため、これまで品質試験結果の公表や在庫確保、納品時間の短縮に取り

組んできた。加えて、新薬メーカーの主力医薬品の特許切れが米国で相次ぐ2010年前後を好機ととらえ、業容

拡大を図ろうとする向きが強かった。
 それだけに、大洋薬品の問題に「大手メーカーで問題が起きると、業界全体が悪いと受け取られる」(製薬会社

担当者)と懸念する声が上がっている。
 現在、国内にはジェネリック医薬品メーカーが約150社ある。胃潰瘍(かいよう)や高血圧の治療薬など約700

0品目が流通し、医療用医薬品に占める数量シェアは約2割。12年度までにシェアを3割に高める国の目標に

対し普及は思うようには進んでいないが、価格(国が決める薬価)は新薬に比べて3割以上安く、徐々に浸透しつ

つある。


ミスない薬に意図的交換 大洋薬品、品質検査で
2010年3月17日 夕刊
 ジェネリック医薬品大手の大洋薬品工業名古屋市中村区)が、主力の高山工場(岐阜県高山市)で製造し

胃潰瘍(かいよう)などの治療薬「ガスポートD錠20ミリグラム」(一般名ファモチジン)を昨年9月に自主回収し

ていた問題で、同社が調合ミスのない別サンプルを意図的に品質検査に出して出荷していたと、岐阜県が17日

、明らかにした。
 県によると、昨年2月13日に高山工場で3ロットを製造し、うち2ロット分約2万8000箱の有効成分の分量を

誤って調合した。出荷前のサンプル検査は厚生労働省令で、各ロットからサンプルを抽出して検査をする取り決め

になっているが、製造部門の担当者がミスのないロットから取り出したサンプルを品質検査の部門に提出していた。
 県は立ち入り検査などの結果、担当者が意図的に調合ミスのないロットのサンプルを提出し、規格外製品を流

通させたとみている。こうした点が悪質だとして、県は薬事法に基づく異例の業務停止命令を今月下旬に10日

間程度出す方針。
 大洋薬品工業広報部は「社内調査の結果、サンプルの抽出は意図的ではなく、ミスだったと考えている。ただ、

こうした事例があったのは事実で、深く反省し管理の徹底をしていく」と話している。
 調合ミスは、薬剤を人為的に調合する際に配分量を間違えて起きた。昨年9月4日に長野県が流通中の薬品

をサンプル検査するとの連絡が入ったのを機に、同社が保管製品を再検査して判明した。
 製品は昨年4月から9月にかけて3000以上の医療機関向けに出荷され、同社は愛知県へ連絡して自主回

収したが、大半は処方されるなどしており、回収できたのは16%という。健康被害の報告は入っていない。
◆愛知県、来週にも再び立ち入りへ
 大洋薬品工業の高山工場をめぐる問題で、同社に製造販売許可を出している愛知県は来週中にも、名古屋

市中村区の本社を立ち入り検査する。愛知県が検査に入るのは同社の自主回収の届け出を受けた昨年10月

以来。社内の管理体制など、改善指導が適正に履行されているか確認するのが目的という。

大洋薬品、検査サンプルの意図的交換認める
2010年3月18日 朝刊
 ジェネリック医薬品大手の大洋薬品工業名古屋市中村区)が、高山工場(岐阜県高山市)で調合ミスのため

規格外の胃潰瘍(かいよう)などの治療薬を製造し自主回収した問題で、同社が昨年11月、調合ミスのない別

サンプルを意図的に品質検査に出したことを認める報告書を岐阜県に提出していたことが分かった。
 治療薬は「ガスポートD錠20ミリグラム」(一般名ファモチジン)。昨年2月13日製造の約2万8000箱で有効

成分を誤って調合したが、社内の品質検査をすり抜けて出荷された。
 岐阜県によると、報告書の提出は昨年11月16日。その中で規格外の製品が品質検査を通過した原因を「現

場の担当者が調合ミスの発覚を恐れ、別ロットのサンプルを検査に出した」と説明していた。
 同県は報告書で初めて意図的な品質検査の操作を把握し、悪質とみて行政処分の検討に入った。同社が自

主回収した製品を県の研究機関で調べ、今月上旬に規格外と確認した上で、業務停止命令を出す方針を固め

た。
 高山工場の工場長は17日、本紙の取材に対し、別サンプルを意図的に検査へ回した点について「組織的に

指示はしていない」と語り、担当者個人の判断だと強調した。

大洋薬品高山工場、業務停止へ 調合、検査ミスで
2010年3月17日 朝刊
岐阜県から業務停止命令を受けることが明らかになった大洋薬品工業高山工場=16日、岐阜県高山市

 ジェネリック医薬品大手の大洋薬品工業名古屋市中村区)が、主力の高山工場(岐阜県高山市)で製造し

昨年9月に自主回収した胃潰瘍(かいよう)などの治療薬について、安全管理に重大な問題があったとして岐阜

県は近く、同工場に薬事法に基づく業務停止命令を出す方針を固めた。大手製薬会社の自主回収を受け、行

政機関が業務停止命令を出すのは異例。同県は、業務停止は3月下旬から10日間前後で検討している。
 同社によると、回収したのは昨年2月に製造した「ガスポートD錠20ミリグラム」(一般名ファモチジン)で、調合の

際に薬剤を取り違えて2ロット分約2万8000箱(1箱100錠入り)を製造。品質を確かめる検査でもサンプルを

取り違えるミスが重なり、規格外のまま3000余の病院や薬局など医療機関向けに出荷していた。取り違えた薬

剤は主成分ではなく、健康への影響はないという。
 長野県が昨年9月4日、流通中の薬品をサンプル検査すると連絡してきたのを機に、同社で保管製品を再検

査したところ製造ミスが判明。これを受け同社は、本社のある愛知県へ届け出て自主回収した。大半は処方され

るなどしており、回収できたのは16%という。
 薬品の製造業許可を出している岐阜県は、同工場の立ち入り調査を既に実施。規格外製品が流通した事実

を重くみている。厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課によると、自主回収は年間150〜180件ほど

あるが、こうした二重のミスによる流通は異例という。
 同社は昨年2月と今年2月にも、点滴用薬剤の取り違えなどで自主回収を発表。今回は「健康に影響がない

」として報道発表していない。

 民間調査会社によると、同社の昨年度の売り上げは約420億円で、5年間で2倍近くに急成長。フットサルの

強豪「名古屋オーシャンズ」のオフィシャルスポンサーとしても知られる。
 【大洋薬品工業】 後発医薬品大手。同社ホームページによると1930年に高山市で創業、88年に名古屋

市に本社を移転した。資本金4億3000万円、2009年3月現在の従業員は648人。主力の高山工場に加

え、09年7月に春日部工場(埼玉県春日部市)を稼働した。

 【ジェネリック医薬品後発医薬品)】 新薬(先発医薬品)の特許期間が切れた後、他メーカーが厚生労働省

の許可を得て、同じ効果や成分で製造、販売する医薬品。開発、研究費がかからない分、価格が安い。国は患

者の負担軽減や医療費抑制のため使用促進を図っている。


日銀が追加緩和 新型供給20兆円に
2010年3月17日 夕刊
 日銀は17日、金融政策決定会合を開き、昨年12月に導入した新型資金供給策による供給規模を、現行の

10兆円から20兆円に拡大することを5対2の賛成多数で決めた。物価上昇率の下落幅の縮小ペースは想定よ

り遅れており、金融緩和に踏み切ることで景気の下支えにつなげる。金融緩和を求めてきた政府との協調姿勢を

示す意味合いもある。
 政策金利無担保コール翌日物)の誘導目標は、現行の年0・1%前後に据え置くことを全員一致で決めた。
 新型供給策は、期間3カ月の資金を年0・1%の固定金利で供給している。供給額の拡大で超低金利政策の

浸透を狙うが、デフレ対策としての効果は限定的とみられる。
 審議委員の中にはこのタイミングでの金融緩和に反対意見もあったが、企業、家計の心理面の冷え込みを金融

面で抑える必要があると判断した。
 景気判断は前月と同じ「持ち直している」で据え置いた。

名駅前再開発、環境配慮 緑化率最大27%
2010年3月12日 朝刊

 緑あふれる名駅に−。JR東海、郵便局会社などが計画する名古屋駅前再開発事業で、地区の緑化率を最

大27%とする環境に配慮した計画が11日、明らかになった。利用者の利便性向上を目指し、旧名古屋中央

郵便局を建て替える北地区とターミナルビルの南地区の2階を歩行者デッキで結ぶ計画についても、“青写真”が

示された。
 2013年度の全面開業を目指す北地区は郵便局、名古屋鉄道などが主体で、高さ約200メートル(41階〜

地下3階)の高層棟と同60メートル(13階〜地下1階)の低層棟からなる。
 名駅通沿いには中高木の街路樹を植え、屋上緑化も合わせて、事業面積に対する緑化区域の割合を示す緑

化率を北地区は20・2%、南地区は27・0%とする。一部には壁面緑化も施す。地域冷暖房設備を導入し、

温室効果ガス削減も図るなど、環境対応を充実させるとしている。緑化に向けては、地元産の樹木を使う構想も

浮上している。
 17年度の開業を目指す南地区を開発するJR東海の低層棟(高さ約90メートル、18階〜地下6階)と高層

棟(同約220メートル、46階〜地下6階)は、セントラルタワーズと2階部分をデッキでつなげるため、利用者は名

駅前の高層ビル4棟を、端から端へ渡り歩くことができる。さらに地下道もつなぐことで、駅に行きやすい利便性とエ

リアの一体性を向上させる。
 一方、バスターミナルは両地区にまたがる1階部分に整備される。広さは今より2800平方メートル狭まり約63

00平方メートルに、乗降場所も27カ所から18カ所に減るが、JR東海は「運用に問題ない」(担当者)としている

。両地区では10年度中に解体が始まる予定。


米ABC「誤った編集」認める トヨタ急加速問題
2010年3月13日 夕刊
 【ニューヨーク=阿部伸哉】トヨタ車の急加速問題をめぐり、米紙USAトゥデー(電子版)とAP通信は12日、8

日にカリフォルニア州で起きた2008年型プリウスの急加速の信ぴょう性に疑問を投げかけた。トヨタ自動車批判の

急先鋒(きゅうせんぽう)のABCテレビも、ニュース番組で映像効果を狙った「誤った」編集をしたと認めており、米メ

ディアの報道も混乱し始めている。
 8日に起きたプリウス急加速は、高速道路でパトカーが並走して停止にこぎ着けたテレビ映像が全米に流れ注目

を集めた。運転していた男性(61)は「ブレーキを踏み続けたが止まらなかった」と話したが、USAトゥデーは、プリウ

スのブレーキは強く踏むと車輪の回転を弱める仕組みになっていると指摘。この男性が最近、自己破産していたこ

とも詳細に報じ「彼の話に憶測が飛び交うことになった」としている。
 一方、ABCテレビが「誤り」を認めたのは、電子制御システム欠陥による急加速を「再現」したとされる2月22日

のニュース番組。約2秒間、エンジン回転数が急激に上がるタコメーターの映像を挟んだが、AP通信に対し、停止

中の車で回転数を上げて撮影したと認めた。「動いている車の中ではうまく撮影できなかった」と説明しているという


 トヨタは今月8日、独自の公開実験で、ABCが主張する電子欠陥は「自然状態では起こり得ない」と真っ向か

ら否定している。

ブレーキ優先 07、08年打診 米当局がトヨタ
2010年3月15日 夕刊
 【ロサンゼルス=共同】トヨタ自動車の急加速問題で、14日付の米紙ロサンゼルス・タイムズは、ブレーキとアクセ

ルを同時に踏んだ際にブレーキを優先するシステムについて、トヨタが2007年と08年に米当局から導入の可否を

含めた内部調査を求められるなどしていたと報じた。
 トヨタは先月、一連の大規模リコール(無料の回収・修理)問題を受け、すべての新型車に同システムを順次搭

載することを表明したが、昨年8月にカリフォルニア州で起きたレクサスの急加速による衝突死亡事故で、トヨタ

提訴した遺族側は「システムが導入されていれば事故は防げた」と批判している。
 同紙はトヨタの内部文書などを基に伝えたが、トヨタ側は同紙に「内部文書に関しては話さない」としている。
 米道路交通安全局(NHTSA)は07年8月、カムリなどの急加速に絡み、他のメーカーがブレーキ優先システム

を導入していると助言したが、トヨタ側は導入を要求されたとは受け止めず、同年9月にフロアマットのリコールを届

け出た。
 トヨタは08年にもNHTSAからシステム導入の可否を含めた予備的調査を求められたが、対応を取らなかったと

いう。

トヨタ「正常に作動」 プリウス急加速調査で中間報告
2010年3月16日 夕刊
 【ニューヨーク=阿部伸哉】トヨタ自動車は15日、米カリフォルニア州サンディエゴ郊外の高速道路で急加速を起

こしたとされる2008年型プリウスの車両調査について中間報告を発表。異常は見つからなかったとした上で、「ブ

レーキを踏み続けたが止まらなかった」とする運転者の説明とは「相いれない形跡があった」と主張した。
 トヨタは、米道路交通安全局(NHTSA)や米議会スタッフ立ち会いの上で、「急加速」の状況を再現して問題

車両を調査。アクセルやブレーキシステムはいずれも正常に作動し、フロアマットがペダルに触れることもなかったとい

う。
 さらに、車載コンピューターの記録にも異常がなかったばかりか、ブレーキとアクセルが交互に細かく踏み分けられて

いたことが判明したと指摘した。
 「急加速」は8日に起き、運転者の男性(61)は携帯電話から緊急通報。パトカーが出動し並走して停止にこ

ぎ着け、全米ニュースとなった。運転者は、アクセルペダルが踏み込んだ状態のまま動かなくなって加速し、「ブレー

キペダルの上に立って踏み続けた」と説明していた。
 NHTSAは「運転者の話を説明できる材料は見つかっていない」としながら、「検証作業はまだ継続中」とコメント

した。

トヨタ、適切な対応」 ケンタッキー州知事が擁護発言
2010年3月13日 朝刊
インタビューに答えるスティーブ・ビシアー知事=ケンタッキー州

 トヨタ自動車が工場を持つ米ケンタッキー州のスティーブ・ビシアー知事(65)=民主党=は本紙のインタビューに

こたえ、大量リコール(無料の回収・修理)の対応などで批判を浴びているトヨタについて「適切に責任をとり問題

解決も進めている」と述べ、擁護した。 (米ケンタッキー州で、古川雅和、写真も)
 同知事は、豊田章男社長と2月25日に同州で会い「何が起きているかについて、話をした」と説明。リコールに

ついても、発表前に「トヨタから取り組んでいることの説明を受けた」と明かした。
 その上で、電子系統の問題に関しても「トヨタが懸命に調べ、解決方法を見つけたと理解している」と述べ、不具

合を否定するトヨタを支援する考えを表明した。今秋に訪日し、トヨタ関係者と面会することも明らかにした。
 また、2009年に米国で全自動車メーカーがリコールをしたにもかかわらず、米自動車メーカーの拠点が地盤にあ

る議員や、米メディアが「トヨタたたき」を続けていることに不満を表明。全米が注目する公聴会は真相究明よりも「

政治ショーになりがちだ」と批判した。
 米メディアに関しては、「安全」と言われていた会社が問題を起こした時に「センセーショナリズムに走る傾向がある

」と指摘。問題を議会が取り上げれば、「さらに報道のレベルは過剰になる」と話し、報道が公平性を欠いていると

も指摘した。
 同州によると、トヨタは08年に州内で約9900人を雇用。部品メーカーなどを含め、合計約3万7100人の雇

用を維持している。トヨタ関連の州内総生産額は38億9500万ドル(約3506億円)で、州全体の約2・5%に

なる。

トヨタ、F1から「参加型」へ 今年のモータースポーツ
2010年3月16日 朝刊
 トヨタ自動車は15日、2010年のモータースポーツ事業の概要を発表した。車の楽しさを知ってもらう一般参加

型のイベントを新たに実施。第1弾として、子会社の富士スピードウェイ静岡県小山町)が28日に開く「モーター

スポーツドリーム2010」で、燃費を競うエコ運転競技会などを開催する。
 トヨタは昨年11月、自動車レースの最高峰・F1世界選手権からの撤退を発表。一方で豊田章男社長は「自

動車文化の推進のため、さまざまな活動を続ける」と表明し、地域に根差したモータースポーツの振興事業を継続

させる意向を示していた。
 28日のイベントは、豊田社長肝いりのプロジェクト「GAZOO Racing(ガズーレーシング)」の活動として参加

。エコ運転のほか、スラローム運転の競技会やサーキットを使った運転講習会などを開く。
 10年の事業概要ではこのほか、国内レースのスーパーGTフォーミュラニッポン、米国でのナスカーへの参戦継

続を発表した。

トヨタ労使にリコール重く 一時金満額割れ「ギリギリの妥結」
2010年3月18日 朝刊

 トヨタ自動車の2010年春闘交渉は17日、焦点の一時金(ボーナス、夏冬合計)が組合要求を4万円下回る

組合員平均180万円(基準内賃金5カ月分プラス6万円)で妥結した。大規模リコール(無料の回収・修理)に

直面する中で厳しい交渉が続いたが、労使一体で難局を乗り切るための「ぎりぎりの妥結点」で決着した。
 一時金の満額割れは2年連続で、トヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併した1982年度以降初めて。

賃金は組合要求通り、定期昇給(定昇)に相当する賃金制度維持分(組合員平均月額7100円)を確保した


 妥結後に記者会見した小沢哲トヨタ専務(労務担当)によると、昨年6月の就任後、初の春闘に臨んだ豊田

章男社長は「組合員の例年にない頑張りに報いたい思いと、利益を出せていない現実やグループの結束とのはざ

まで悩んだ」と、難しい経営判断だった点を率直に述べたという。
 豊田社長はさらに、大規模リコールへの対応について「信頼回復に向け、販売店仕入れ先との結束を守らな

ければならない」との意向を表明したといい、業績回復の遅れとともに、一時金の満額回答を避けた判断要素に

なったとみられる。
 一方、トヨタ自動車労働組合の鶴岡光行執行委員長は記者会見で大規模リコールに触れ「経営側からは回

答前、今後も一体になって頑張っていきたいとの社長メッセージがあった」と説明。「今後はメッセージが職場にしっ

かり伝わっているか確認していきたい」と述べ、経営側と協力して信頼回復に努める姿勢を示した。
 鶴岡執行委員長は、定昇の完全実施が要求通り認められたことについて「責務を果たしたとのわれわれの主張

を、しっかり受け止めてもらった。誠意ある回答だ」と評価した。

INAXが一時帰休終了へ リフォーム回復傾向
2010年3月16日 朝刊
 INAX(愛知県常滑市)は、住宅関連市場の急激な悪化を受けて昨年5月から部門ごとに実施してきた一時

帰休を4月以降取りやめ、通常の生産体制に戻す検討に入った。リフォーム向けを中心に需要の回復感が出始

めているためで、近く最終決定する。
 INAXは現在、便器やタイルを焼く部門(トンネル窯)で月1〜2日、一斉にラインを停止。本社や営業部門、製

品の組立ラインでも2カ月に1日程度の休業日を設けている。
 併せて、需要の落ち込みが大きいタイルは今年1月までに、伊賀上野工場(三重県伊賀市)のラインを半減。

製造の集約化を図り、タイル全体の生産能力を2割縮小した。
 しかし、売上高は2月(単月)で前年同月比約5%減と水面下の状況が続いているものの、年明け以降はショ

ールームの来場者数が前年を1割上回るなど、ここにきて底打ち感が出てきているという。
 さらに、同社がトステムなどと形成する「住生活グループ」で事業分担の見直しが進んでおり、重複しているバス、

キッチンなどの水回り商品については今後、INAXへの集約が本格化することから、一定の生産量確保にめどが立

ちつつあると判断した。
 川本隆一社長は「何とか(一時帰休を)実施しなくてもいい方向ではないか」と話している。

INAX、温水便座に点検制度 使用10年で安全確認
2010年3月13日 朝刊
 INAX(愛知県常滑市)は4月から、シャワートイレ(温水洗浄便座)の安全対策を強化する「自主製品保守推

進制度」をスタートさせる。
 シャワートイレはガス・石油機器などに比べると重大事故の発生率は低いというものの断線や水漏れがあったまま

使い続けると火災や感電の原因にもなることから、長期にわたって使用されている製品の安全チェック体制を大幅

に向上させる。
 業界では初めての取り組みといい、こうした制度を通じて顧客の囲い込みにもつなげたい考えだ。
 2001年4月以降に発売した同社のシャワートイレはすべて、使用開始から10年をめどに、本体の電源ランプ

が「点灯」から「点滅」に変わる「点検時期お知らせ表示機能」が付いている。
 今年4月で発売10年目を迎え、ランプが点滅する製品が出始める見通しで、自主製品保守推進制度ではこ

れらの製品を取り扱う。
 1月に新設した専門部署「お客さま保守センター」で、点滅に気付いて専用のフリーダイヤルに連絡してきた利用

者に対し、有料点検を促す。点検や修理、買い替えをしなかった場合には、同社の側から製品の安全を定期的

に確認していく体制を敷く。
 これに加えて、購入後の所有者登録を促し、登録者には保証期間の延長や保守管理情報を提供するサービ

スも、同制度に基づいて4月から導入する。
 同社は「安全に対応できるとともに、直接利用者とつながることで、営業面の効果も大きい」と期待している。

ドラッグ店の2社統合で業界3位に ココカラ・アライドハーツ
2010年3月16日 夕刊
 ドラッグストアのココカラファインホールディングス(東京)とアライドハーツ・ホールディングス(神戸市)は16日、10

月1日付で経営統合することで合意したと発表した。売り上げ規模で、最大手のマツモトキヨシホールディングス

千葉県松戸市)、スギホールディングス(愛知県安城市)に次ぎドラッグストア3位となる。持ち株会社のココカラファ

インを存続会社にし、ココカラ傘下の「セガミメディクス」(大阪市)、「セイジョー」(東京都府中市)、アライドハーツ

傘下の「ライフォート」(兵庫県尼崎市)、「ジップドラッグ」(名古屋市)をぶら下げる形にする。統合後の売上高は

約2700億円、店舗数は1000店を超える。

「ボルカールール」は機能しない
濱田 康行 【プロフィール】
ボルカールール 米国 金融危機 GS法 金融業

 米金融機関の投機的な動きを規制する「ボルカールール」が発表された。オバマ大統領の呼びかけにより、米国

ポール・ボルカーFRB(連邦準備委員会)議長が中心となってまとめた金融規制の追加策だが、幾つかの問

題がある。

 大統領がルールと呼ぶ柱は3つ。(1)ヘッジファンドや不動産ファンドへの投資を禁止。(2)自己資金による高リス

ク商品への投資を制限。これらは一般から預金を集める商業銀行に適用する。そして(3)金融機関が大きくなり

すぎるのを防ぐことだ。

 その昔、ナローバンキング(狭い銀行業)という主張があったことを思い出す。米国で1980年代に多くの中小銀行

S&L(貯蓄金融機関)が破綻した。その教訓から「危ないものには手を出すな」「預金を預かっている銀行は安

全な資産のみを持て」という主張がなされた。1990年代の末、日本の銀行危機に際して、この単純な“理論”が

輸入されて、一時は学会でも支持者が拡がった。

 理論の元はトービンほかの著名な学者である。預金を集める銀行は安全資産のみを持ち決済機能だけを行う。

貸し出しは行わない。こうした狭い業務範囲しか持たない銀行は歴史上も存在した。振替銀行(Giro Bank)な

どと呼ばれるものである。しかし、それは19世紀の欧州での話だ。

 そもそもお金のビジネスは単純である。お金は単一商品だ。外国為替取引を前提にすればお金は世界単一商

品でもある。こういう性質の商品は大量に扱う方が効率的になる。お金を大量に扱う際にいつも問題だったのは輸

送と安全であったが、IT(情報技術)革命の行き渡った今ではそれもクリアーした。だから銀行、証券、保険まで全

てが営まれる、いわゆるアル・フィナンツが理想型なのだ。

 歴史的には多くの曲折があった。それは、利益相反と数々の暴走現象が生じたからだ。そこで金融業をバラバラ

に分離することを思いついた。米国で銀行と証券業の兼業を禁じたグラス・スティーガル法(GS法)はその象徴であ

る。しかし、その後の資本主義の発展の中で、この分離型の金融業の非効率が目立ってきた。金融革命が先進

国で同時に進行し、1999年にGS法は廃止されたのである。

 ところが今回、80歳を超える米金融界の大物が、大統領の顧問になり、この流れを止め、再びGS法の世界に

戻そうというのである。

リーマンショックの犯人探しの帰結

 どうしてこんなことになったのか。事の発端は言うまでもなく、リーマンショックによる世界金融危機だ。そして、この

間違いの源流は、危機をめぐる単純すぎる犯人探しにあった。

 世界金融危機の原因は、金融界の一部の人々の“強欲”にある。その欲望を追求できる装置があり、その制御

がなされていなかった、というのである。ではどうすればよいのか。“強欲”は人間の性であり消せそうもない。そうする

と装置だ。欲望があっても、それを展開するための装置が動かなければ、手を縛られたのと同じである。さらに機械

を機能ごとに分解してしまう。これがGS法やナローバンク論の精神である。

 しかし冒頭に述べたようにお金のビジネスは統合を理想とするから、分離案は歴史の逆コースであり、大物の提

案であっても実現しないだろう。世界のどこかの国の金融機関が統合型であれば、分離型の金融はそれに勝てな

いであろう。だから世界同時に分離型を目指さなければならないが、米国にはそんな統率力がもはやないのは明ら

かである。

 もう1つ大事な論点がある。ボルカールールは金融業による(特に預金を集める機能を持つ機関)ビジネスの拡大

を止めようという意図がある。仮にリーマン・ブラザーズデリバティブを拡大せず、地味にやっていれば破綻しなかっ

たのかもしれない。北海道拓殖銀行がナローバンキングを忠実に実行し、不動産ビジネスなどに手を伸ばしていな

ければ倒産しなかったかもしれない。しかし、これこそ、あり得ない仮定の話である。

 考えてみるべきは、金融業が失敗してナローバンキングが唱えられても、それを忠実に実行する金融機関がなか

ったのはなぜかということである。リーマンがレバレッジ(借入金によって投資資金を増やすこと)を数十倍にして金融

業の範囲を拡大し、彼らが発行する債券を買うことで多くの商業銀行も間接的にせよ“危ないビジネス”に参加し

ていった。それはなぜか。

 この問いを突き詰めていくと金融業の持つ本質が見えてくる。それは、金融業の獲得する利潤が基本的には借り

手の創造する利潤からの控除であるということである。

 金融界のあげる利潤の源泉は、製造業やサービス業、つまり金融業から借金をする(せざるを得ない)企業のあ

げた利潤の一部なのである。それは利子、つまり貨幣の使用料という名目で割譲されるのだ。

 金融業だけしかない経済は考えられない。米ウォール街とか英シティとかの金融街だけしかない世界は考えられ

ない。

 逆に金融業がない経済は理念的には考えられる。人々は、一次産業、二次産業があれば生きていけるはずで

ある。また、お金をじっと見ていても増殖しないことを私達は知っている。銀行預金に利子が少しでもつくのは、預

金が製造業やサービス業に貸し出され、そこで利潤を生む活動に参加しているからである。私の預金がその銀行で

貸し出されず銀行間市場に回ったとしても、どこかで使い手に巡り合っていなければ、私に利子は入らないのであ

る。金融業の本質のひとつは、自らは利潤を生まず、他の獲得した利潤の一部を受け取ることである。これを寄生

性と呼ぶ。もちろん、それだけではない。後に述べるが金融業は“創造性”も持っている。

 例で説明しよう。1000の資金(投下総資本)を動かす製造業(実業)があり、150の利益をあげていたとしよう。

1000の投下資本のうち半分の500は金融業からの借り入れであり、そのことへの報酬として50の利子を支払ってい

たとする。

 実業の規模の拡大や、生産性の上昇などによって利潤率が上昇しない限り、150の利益は変化しないと考えて

よい。金融業が5社で構成されていると、その分業関係にもよるが、平均すれば1社当り10の利益になる。金融業

装置産業ではないから比較的小さな100の投下資本で済むとすれば利潤率は10%で実業の世界と同率にな

る(製造業は150−50/1000で、金融業は50/500である)。

金融業が進む3つの道

 さて、この前提で金融業が10社に増えたとする。資本主義の発展は後に述べるように金融業の増大を促すから

、そう考えるのに不合理はないだろう。そうなると、金融業1社当りの取り分は減少し、半分の5となる。よく金融業

の肥大化というが、それは深刻な問題を金融業そのものにもたらす。受け取るものが同じなら同業者が増えれば1

社当たりの利益は減る。それでは、資本主義企業のメルクマールである平均利潤率を達成できないので金融業は

次のいずれかの方向に進むことになる。

(1) 金融業を撤退して他の産業へ移る。
(2) 利子率を上昇させて自らの利潤率を確保する。
(3) 利子を稼ぐというのに加えて、収益になる他の関連ビジネスを展開する。
 (1)参入障壁は製造業の装置化が進むほど、高くなる。だから金融業から製造業に進出というのは難しい。技

術的制約もある(逆は可能:ソニー銀行のように)。可能性のあるのは、サービス業であり、しかも金融業に隣接す

るサービス業である。現代にみられる金融業のサービス産業化という傾向はこうして生ずる。

 (2)この可能性はあるが、近隣窮乏化策である。余計に金利を取られた実業の側の利潤率が減少してしまうか

ら、こういうことは長くは続かない。金融業に独占や寡占が成立していれば可能性はあり、歴史的にも実例は見ら

れる。しかし、高利は実業を痩せさせるから、結局、利子の源泉を滅ぼしてしまう。

 (3)これは2段階で進む。まず金融業の幅が広がる。個人ローン、住宅ローンなどの貸付という本業の拡大。次

が手数料収入の類である。プロジェクトファイナンスの企画、シンジケートローンの旗振りなどの企画もの、そして社

債の発行引き受け、株式の増資等の証券業務、さらに保険を含めた広義の金融分野、つまり、前段で述べたア

ル・フィナンツへの道である。

 金融は貨幣の貸付を基本としている。だから金融業の土台は貨幣・マネーの存在量である。では貨幣はどのよう

に出現するか。それは商品の販売によってである。貨幣は決して無からは生じない。現代では中央銀行が無から

貨幣を“製造”しているかのような印象があるが、本質は違う。中央銀行は商品が貨幣に転換したその瞬間に銀

行券という紙に置き換えているのである。だから、現在では、硬い金属のマネーは出現しない。中央銀行は商品が

貨幣に転換する分量を予測して先回りして紙幣を発行しているに過ぎない。もちろん、この予測は時々、失敗す

る。

 貨幣は“過去の商品”である。私が商品を製造し、それを売却して貨幣を得る。この貨幣を当面使用しない。そ

れが金融世界の礎となる。貨幣にも2種類ある。現在流通している貨幣と、過去に流通していた貨幣が形成した

金融資産である。1個の貨幣がいくつもの足跡を残す現象を信用創造として私達は認識している。通常は金融

資産>流通貨幣であり、金融世界の大きさは前者で決まり、その成長率は後者に関係する。

 それでは過去の商品と現在の商品はどちらが多いか。資本主義が歴史を経れば過去の方が大きくなる。例えは

悪いが、生きている人々の数と墓に葬られた人の数を比べた場合、歴史が長ければそれだけ後者が多くなるのと同

じである。商品は次々と消費され貨幣に代わっていくが、貨幣は一度、世に出てしまえば“消費”されることはない

。それは使用されて他の誰かに渡るだけである。象徴的だが、今まで人類が貨幣として掘り出した金は、すべて現

存しているのである。

 ということは、資本主義の発展とともに、第2の範疇の貨幣の量は増大する。重要なので繰り返すが、ここで言う

貨幣の量は商品流通を媒介するものとしてではなく、貯蓄された量である。それは、必ずしも現物の貨幣である必

要はなく、貨幣の請求権の型であってもよい。いわゆる金融資産である。先進国で統計をつくると、どこでも金融資

産>実物資産となっている。

 だから、資本主義が発展すると金融業の物的土台は拡大する。ここで、実物経済の成長がなければ、金融業

は早晩、行き詰る。しかし、金融業には、他からの分け前で成立するという“寄生的”な面に加えて、実物経済の

利潤量を増やすという“創造的”な面がある。

 先の例では、500を貸していた。簡単に言えば、これがなければ実業世界の利潤は半分である。金融業は、それ

自体は利益を生まないが、これを利用する実業界の利益を増大するのである。

 金融は実業界の成長を加速する。加速度をもって増大する経済こそ典型的な成長経済であるが、そういう経済

状況下では金融は肥大にならないのである。より大きな実物経済がより大きな金融を必要とするからである。しか

し、成長しない経済になれば事情は一変する。

経済停滞で金融はカジノ化へ

 自国の実物経済の成長に翳りが出てきたとき、金融業の選択はいくつかある。(1)海外に展開する。古くは英国

の植民地銀行がそうであったように、利潤率の高い途上国に方向を切り替える。今日でいえば、成否はともかく旧

社会主義国もターゲットに入る。貸出先を国内から国外に変えるとともに、資金の調達先も変える。いわゆる、外

から集めて外に貸す、外・外モデルだが、それをするには外国為替取引に長けていること(ヘッジファンド先物・オプ

ション取引など)、証券化の技法、金融商品の販売チャネルが必要となる。おそらく、サブプライムローンの領域は

国内に残っていた“途上国金融”の変型であったのだろう。ともかく活動領域を拡大する、いわば水平的拡大であ

る。

 (2)金融業の幅を広げる。金融業の販売しているものは“情報”であるという説もある。金融業はその成立からし

て諸産業の結節点に位置し、諸企業の出納業者として情報が集まるところにいるのは間違いない。この地位を利

用して、企業への様々なサービス提供がなされ、それで手数料・報酬を稼ぎ、やがて金融の本業に結び付くという

のは理想のシナリオである。これは金融業の垂直的拡大である。

 こうした水平、垂直双方の展開の中に投資銀行をおいてみれば理解しやすい。

 先進国の金融業は、自らを変容させて先進国経済の停滞という局面に対応してきた。その変容が先行する限り

、また先進国の実物経済の後退がさほどでない限り対応しえたし、局面によっては、利益を増大させることができ

た。しかし、金融が寄生性を持つという事実は変わらない。利益の分け前の縮小があれば、無理に事業を拡大す

るよりなく、つまり次第に危険な領域に踏み込まざるを得ない。金融のカジノ化である。

 リーマンはカジノで当初勝ち続けそして最後に負けたのである。しかし、この傾向は、先進国のすべての金融機関

に共通してみられる現象である。

 世界金融危機は構造問題である。証券化といった技術、金融工学といった学問は根本的な原因ではない。そ

れらは状況が生み出したツールであり、その使い方の誤りはあっても、ツールに罪はない。よく切れるハサミで誤って

手を切ったら、誰の責任かという問題と同じだ。

解決方向は自ずと明らかに

 ひとつは、実物経済の発展である。それは国内(自国)であっても海外(外国)であってもよい。先進国の経済が

高い成長率で拡大することは、想像もできないようなイノベーションがない限りあり得ない。もしあったら、今度は環

境問題が心配になる。となると、他国、とりわけ途上国への期待が高まる。もっとも、環境問題はここにも厳然と横

たわっているが、背に腹は代えられない。世界の金融業を満足させるには、大量の利潤が欠かせない。中国という

大国に世界が期待するのは、目下の状況では、当然である。

 もうひとつは、金融業が小さな利益でも存続できるように自らを改造することである。IT利用の徹底や業務の再

編(合併・統合を含む)である。先進国内の大手金融機関の再編は既に完了しているから、今後は国境を越えた

合従連衡が中心となろう。

 金融業の拡大、守備範囲の拡大は今後も続き、その限りで、現時点では私達の知り得ない新しい金融技術が

工夫され、金融商品が生み出される。冒頭に述べた、復古主義的な規制強化はこの進歩の可能性を摘み取ると

いう点でも問題である。

 規制強化はGS法への逆行であり、成功しないであろう。資本主義という体制で人類が生き延びるためには、必

然的に拡大する金融世界に充分な利潤を割譲できる大きさの繁栄した実物経済が必要である。そのためには、

金融界が健全で充分な資金を実物世界に供給できるのでなければならない。金融界に、あれをするな、これをす

るなと手錠をはめ、人頭石のようにこれ以上大きくなるなとタガをはめるのは、政策としては間違っている。それが、

人々の支持を受けるからというだけで推進されるなら、典型的なポピュリズムであろう。

 実物世界の拡大が順調に進まなければ、金融界が縮小するのは難しいから、金融界の1社当りの分け前は増

えない。このことが低金利として現象する。だから、当面、世界中の金利は低いままであろう。それは、実物経済の

成長が鈍化した日本で、超低金利が10年以上も続いていることで先行的に示されているのである。

台数より品質徹底 豊田社長インタビュー 地域別に新車戦略
2010/3/18付
印刷
 トヨタ自動車豊田章男社長は17日、日本経済新聞のインタビューに応じ、一連の品質問題について「つらく、悔しい思いはあるが、必然的に起こったと思うべきだ」と指摘、経営改革を急ぐ方針を示した。事業規模の急な拡大で人材育成が遅れたとの反省を踏まえ、生産・販売台数より品質を最優先する考えだ。新興国市場の開拓に向け、地域ごとの実情に即した新車開発・販売を徹底する意向も表明。自動車業界の国際再編の動きとは一線を画し、グループの力の結集で厳しい経営環境を乗り切る姿勢を示した。


インタビューに答える豊田章男社長(17日)
 トヨタは2000年前後から生産・販売台数が年間50万台規模で拡大。豊田社長は「02年度に年600万台を超えたあたりからスピードが急に上がり、人材育成の時間が十分にとれなくなった」と述べた。品質問題を機に「本当に顧客第一だったのか、気づかされた」と振り返り、量の追求ではなく品質への対応を徹底する考えを示した。

 品質向上の取り組みは「今までより相当に踏み込む」と強調。技術の先進性や法令・安全基準の順守だけでなく「顧客にとってどうか、社会的にどうかを当たり前に考える会社にする」という。

 トヨタは主要地域ごとに品質担当幹部を置くなどの改善策を公表済み。豊田社長はさらに「(販売後も)1台1台フォローし、次の新車開発につなげる」と説明。クルマを使う環境によってどんな品質問題が起きる可能性があるかといったデータを世界規模で収集、開発に反映させる。

 品質改善策と並行して、商品戦略も大きく見直す。「クルマづくりの原点である『道』は地域ごとに違う」との視点に立ち、地域の消費者ニーズを最大限に取り入れた開発、生産、販売体制の構築を目指す。こうした新戦略を10年度からの中期経営計画に盛り込み、トヨタにとって大きな課題となっている新興国市場の開拓に役立てる。

 ハイブリッド車や電気自動車など次世代エコカーの主導権争いが激しくなるなか、豊田社長は「当面の主流はハイブリッド車だ」と重ねて強調。旗艦車種の「プリウス」を軸に環境対応で先行を守る考えを示した。

 人材の育成・登用の現地化も進める。トヨタは昨年6月の新体制発足に合わせ、副社長が各地域を担当し、市場動向に素早く対応する「小さなトヨタ」を目指している。2年目に向け、地域の自律性をより高める。豊田社長は「現場に最も精通する人材が現場で判断できるようにする」とし、外国人社員の幹部登用も積極的に進める。

 自動車業界では合従連衡の機運が高まっている。「他社の力を求めるより、販売店仕入れ先との連携強化が先」とグループの基盤強化を優先する姿勢を明らかにした。

「顧客視点で経営改革」 国籍問わず人材登用、収益改善策に手応え

 主なやり取りは次の通り。

 ――品質管理で顧客の視点が足りなかったという指摘がある。

 「(今回の品質問題で)真の顧客第一だったのか気づかせてもらった。決して顧客をみていなかったわけではないが、これからはクルマを1台1台きちんとフォローする。そうすれば次の開発にも生きてくる」

 ――クルマづくりの方向性は。

 「『道がクルマをつくる』というのが原点だ。地域ごとに道が異なる以上、クルマの味付けも地域によって違う」

 ――北米、欧州、アジアなど地域ごとの特性を重視した経営体制にシフトしている。

 「悩みながら進んでいる。実際に力を発揮するのは(生産や販売、品質保証などの)機能を持った部署だが、状況に応じて現地がすぐに動ける体制が必要だ。危機を経験し、従業員も問題意識を共有した。地域制のスタートはここからだ」

 ――リコール(回収・無償修理)の判断も現地に委譲するのか。

 「最終判断は日本でやるのがいい。各地域に新たに置く品質担当者が、顧客の声をスピーディーに届けるようにする」

 ――自動車メーカーの国際的な合従連衡が進んでいる。

 「当社が大切にしないといけないアライアンス(連携)は販売店仕入れ先、トヨタの3者の関係だ。今回、トヨタの強みはここにあると学んだ。よそに何かを求めるよりも、今はこの関係を強化する」

 ――品質を維持・向上する一方でコスト削減が求められている。

 「品質を高めればコストは下がるというのが本質論だ。両者を別々に考えてはだめだ。安全、品質、量、コストの階段をひとつずつ上っていくのではなく、全部を達成しなければいけない」

 ――この2年間で業績が大幅に悪化した。

 「(今回の経済危機で)右肩上がりの売り上げ増が続くわけではないと分かった。変動が大きい経営環境でもやっていける体力、体質をつくることが欠かせない。昨年の今ごろからの収益改善策で体質は相当変わりつつある。それを投資家にも真摯(しんし)に伝えたい。今後のトヨタに期待してほしい」

 ――年間販売台数1000万台を目前に経済危機に直面した。

 「1000万台を目標にするのではなく、1000万人の顧客が求めるクルマを高い品質でタイムリーに提供するのが健全なやり方だ。トヨタは600万台を超えたあたりからスピードが急に上がり、人材育成に十分な時間がとれなかった。クルマづくりよりお金づくりという流れに結果的に引きずられた」

 ――海外の人材育成・登用が遅れていないか。

 「モチベーションや志を与えられる会社になりたい。顧客第一を徹底できれば国籍は関係ない。トヨタのカルチャーに照らせば、長く一緒に働いた人を引き上げるのがいいだろう」


自動車業界、広がる波紋
ホンダ、米でリコール オデッセイなど41万台 (2010/3/17 15:30)

どうなる来期業績(2)自動車――ホンダ、収益に安定感 (2010/3/12 4:00)

マツダ、新型全てで「ブレーキ優先」 (2010/3/8 22:25)

トヨタ、2月8.7%減 米新車販売 (2010/3/3 15:30)

日産、世界で54万台リコール  (2010/3/3 13:19)

国交相、リコール制度の見直し表明 (2010/2/23 10:56)

フォードが生産中止 トヨタと同一社の部品で (2010/1/29付)

トヨタ問題、収束いつ
トヨタ社長インタビュー 台数より品質徹底 (2010/3/21 4:00更新)

顧客の視点で経営改革 トヨタ社長一問一答 (2010/3/18 4:00更新)

中国当局トヨタ現法に5回説明求める リコール巡り (2010/3/17 4:00)

中国浙江省トヨタにリコールの負担要求 (2010/3/16 4:00)

プリウス、新たな「急加速」報告 (2010/3/11 0:19)

中国、リコール問題「米と同じ対応を」 (2010/3/7 1:01)

米国の反応
トヨタ「運転手主張と調査矛盾」、検証結果を発表 (2010/3/16 15:30)

米の郡検察「欠陥隠し」民事提訴、トヨタ、訴訟リスク重く (2010/3/14 4:00)

トヨタを民事提訴、米の郡検察制裁金を求める、「欠陥隠し」 (2010/3/13 15:30)

映像不適切編集米ABC認める、トヨタ報道で「誤り」 (2010/3/13 15:30)

急加速防止や運転記録装置、米当局、車載の義務化検討 (2010/3/12 15:30)

トヨタ問題、収束見えず、公開実験後に新たな「急加速」報告 (2010/3/11 4:00)

米で「プリウス急加速」通報、トヨタ・当局が調査 (2010/3/10 15:30)

トヨタリコール問題、米当局者招き下院で公聴会 (2010/3/10 15:30更新)

トヨタ向けで米議員、米下院委員長の送付書簡「誤り」 (2010/3/3 15:30)

トヨタ車所有者、「信頼」が74% 米民間調査 (2010/3/3 15:30)

米議会、追及なお厳しく 情報隠し「疑いある」 (2010/2/27 15:30)

これまでの経緯
米下院公聴会、自動車の規制強化議論 (2010/3/12 5:58)

国内リコール対象22万台、全車修理にメド トヨタが表明 (2010/3/11 4:00)

10年度採用、トヨタ13%減の1200人、94年度以来の低水準 (2010/3/10 4:00)

電子制御、米で公開実験 トヨタ「現時点で欠陥ない」 (2010/3/9 15:30)

トヨタの品質管理強化、広州汽車が中国で協力 (2010/3/9 4:00)

リコール問題、トヨタ社長が首相に報告 (2010/3/9 4:00)

米下院委、追加データをトヨタに要求 電子系統巡り (2010/3/6 15:30)

トヨタ社長、公聴会報告 取引企業も危機感共有 (2010/3/6 4:00)

公聴会での主な発言 (2010/3/3 15:30)

トヨタ公聴会、不具合改善へ運転操作記録データを解析 (2010/3/3 15:30)

トヨタ、米で93万台自主改修 オイル漏れの恐れ (2010/3/2 15:30)

トヨタ岡本副会長、欧州で陳謝 (2010/3/2 15:30)

トヨタ社長、中国会見の要旨 (2010/3/2 4:00)

トヨタ、中国重視アピール 豊田社長、北京で陳謝 (2010/3/2 4:00)

中国当局トヨタ車、異常なら報告を」 安全性に注目集まる (2010/2/27 4:00)

米運輸長官とトヨタ社長会談 (2010/2/26 4:00)

公聴会証言要旨 トヨタ社長 (2010/2/25 15:30)

トヨタ公聴会、社長「対応遅れ反省」 再発防止を約束、信頼回復なお時間 (2010/3/4 12:52更新)

公聴会証言要旨 米国トヨタ自動車販売社長ジム・レンツ氏 (2010/3/4 12:52更新)

トヨタ「電子制御問題ない」 米公聴会 苦情対応の遅れ陳謝 (2010/2/24 4:00)

トヨタ社長「基本に返る」、米紙で安全対策強調 (2010/2/23 15:30)

国交相、車のリコール制度見直し表明 「国にしっかり伝達を」 (2010/2/23 15:30)

トヨタの07年リコール、「91億円節約」の内部文書 米メディア報道 (2010/2/22 15:30)

トヨタ問題の公聴会、前米政権担当者の証言も 米メディア (2010/2/20 15:30更新)

トヨタ社長、リコール問題で米公聴会に出席 談話を発表 (2010/2/19 15:30更新)

トヨタ、米2工場を生産停止 (2010/2/17 4:00更新)

プリウス、リコール開始 (2010/2/10 15:30更新)

トヨタの不具合問題、世界で拡大 (2010/1/29 4:00)

トヨタ、109万台追加改修 (2010/1/28 15:30)

トヨタ、米販売を一時停止 リコール8車種、5工場生産も (2010/1/27 15:30)

トヨタ、米で230万台リコール アクセル戻らぬ恐れ (2010/1/22 15:30)

 ◆一連のリコール(回収・無償修理)問題を巡る、米議会下院の監視・政府改革委員会公聴会について、トヨタ社長「招致受け入れる」 という日経メールのニュース速報の見出しにまたまた仰天絶句した。24日出席するというのだから、慌ただしい。18日に出した社長声明では「委員会からの招致を受け入れる。米議会や米市民と直接話す機会を楽しみにしている」と、呑気なコメントを各紙は無批判に受け入れすぎた。オリンピックじゃあるまいに吃驚仰天、と呵呵大笑して酒の肴にしていたら、銀座でさえやんわり窘められた。◆なにより、国会なら召喚、喚問というフレーズに慣れているが、これでは日米和親条約なみの感性しか、持ち合わせていないスタッフが闊歩している証左である。豊田章男さんもさすがに、19日午前の名古屋での社長会見では、出席して「誠心誠意説明したい。原因究明に協力し、顧客の安心と信頼回復に努めたい」と言い換えたものの、自らも相変われず原因を究明している最中、と白状してはまずすぎる。大前研一さんに「産業突然死」時代という言辞と連載だったかがある。◆リコールで表面化したトヨタカイゼンの限界、というのは、資本主義の爛熟に生産方式の陳腐が襲い掛かったという、かねがねの弊フォーラムの持論と同じである。小さな改善を社員や協力企業に自分で自分の首を締め上げさせて、積み上げていくというトヨタ式のやり方では、もはや大きな安全は担保できないレベルとなっている。今回のリコール問題は、積み上げ式によるカイゼンの限界、メカから電子化へ急傾斜した技術の進歩と管理の限界、という二つの産業突然死の迷妄と限界をあぶり出したにすぎない。トヨタは、ラッキーな企業でもあったと言及したのは田原総一朗さんである。たしかに自動車が発明されて以来、「改革」は一度もなく4つの車輪で走り、エンジンがあり、ハンドルがある。◆そのクルマの形には、改革ではなく「改善」はあった。だから、「カイゼン」はトヨタを象徴する言葉となり、日本の自動車業界が品質を高めていったことを象徴するスローガンになった。ところが今、その自動車業界で初めて「改革」が起きようとしている。環境問題対策に伴う技術革新で、二酸化炭素を出すクルマを減らそうと、トヨタはいち早く取り組んだ。それがハイブリッド車の開発につながった。だからこそ、ブレーキやマットの不具合を「感覚の思い込み」などと、記者会見で開き直る常務は気の毒なほど愚直に本気だった。まさしく疑心暗鬼のてんやわんやに、マキタやノリタケ、ミユキのニッチの業界ガリバー発想では、世界とは戦えない。米市場は一時は利益の75%を稼ぎ出した、愚者の楽園だったことを忘れてもらっては困る。


社長のリーダーシップに社内から疑問の声
2010年 2月 23日 14:17 JST

 トヨタ自動車豊田章男社長が24日の米議会の公聴会に向け準備を進めるなか、一般従業員や中間管理職の間で疑問が膨らんでいる。トヨタは長年の努力で手にした品質に関する高い評価をリコール騒動で失いかねない状況にあるが、この危機を切り抜けるかじ取りに適しているのは果たして同社長なのか。


 豊田社長の経営スタイルや同社の経営体制に対して厳しい視線が注がれている。米でのリコール発表直後のダボス会議出席、米公聴会への出席を決めるまでの流れ、めったに表に出ないことなど、危機後の豊田社長の行動が広く報道されると、同社長が果たして決断力のある自信に満ちたリーダーなのか否か、はたからも疑問視されるようになった。

 一部の従業員からは、何も知らされていないとの不満の声が聞かれる。豊田社長が一族に忠実な派閥で周りを固めているため、首脳陣に厳しい意見が届かないとの批判もある。

 豊田社長は2月初め、米でのリコールについて日本の従業員に電子メールで説明。顧客の信頼を取り戻し、いいクルマを作るためともに努力するよう呼びかけたという。しかし以来、2週間に3回の記者会見を行った同社長から音さたはなく、従業員とのこれ以上の社内コミュニケーションはない。

 同社のあるチーフエンジニアは「いったい今回の問題で何が起きているのか、外から、メディアからしか情報が入らない」と訴えた。「本当にリーダーとしての求心力あるのか疑問を感じる。声出しては言わないけれど、(従業員)みんながそう感じている」という。

 東京のPR会社フライシュマン・ヒラードの田中慎一社長は、今回の危機への対応が受け身だと指摘。危機に直面したとき、トップが対処しなくてはいけないと述べた。

 豊田章一郎名誉会長をはじめ、豊田市やその周辺で関連の部品メーカーなどを経営している元幹部など、トヨタの重鎮は豊田社長を全面的にサポートする態勢にあるようだ。

 ただ、こうした幹部以外はそれほど楽観していない。

 本社の中間管理職は「なぜもっと安全や品質面で具体的な施策を示し、もっと突っ込んだことが言えないのか」と語り、「記者会見をやるたびに、状況は悪化する。それもこれも、どうやってお客様の不安をどうやって解消していくのかの具体的な方向が示せないから」だと訴えた。

 さらに、事態は良くなるどころか、「次から次へとリコールが出てくる。お客様第一と言えば言うほど、逆効果。本当にそうなの、と思ってしまう。まったく伝わってこない。いったいどうなるのか、何度も記者会見をやっているけどいったいわれわれの将来はどうなるのか、というのが一般社員の正直な気持ち」と付け加えた。

 豊田社長は昨年就任した際、従来とは違うリーダーをめざしており、前任者の多くにならって部下に日々の困難な問題を任せるのではなく、自ら手を汚し問題に当たると誓った。

 たとえば、トヨタの格言「現地現物主義」を体現したいとしていた。現地現物主義は問題が起きたときに開かれた対話を促すはずだ。しかし、豊田社長の経営スタイルに詳しいトヨタ幹部によると、同社長が広範にわたる問題に深く関与するため、部下は自分を抑えていた。特に中間管理職は、同社長にとっての重要事項を邪魔しないため、黙っているか情報をふるいにかけることが多く、トップクラス幹部の一部にすらこうした傾向がみられたという。

 豊田社長は、自身の存在が社内に不和を生じさせかねないと分かっていた。本紙が2000年に行ったインタビューでは、自身に好意的な派閥と、豊田一族からの経営者と真っ向から対立している派閥があると語っていた。

 同社長は一見「サラリーマン」の典型に見えるが、興味の対象は驚くほど多方面にわたっている。20代にはフィールドホッケーナショナルチーム(16人)のメンバーに選ばれた。このチームは1980年のモスクワ五輪を目前にしていたがアジア予選で敗れた。カーレースも趣味で、この1月半ばまで「モリゾウ」のハンドルネームでブログを書いていた。

 82年に経営学修士(MBA)を取得後、ニューヨークやロンドンの投資銀行などに勤務し、84年にトヨタに入社した。当初、幹部からは甘やかされて育った跡継ぎとみられ、相手にしてもらえなかった。消息筋によると、上司の1人から激しいいじめを受け、ストレスで入院したこともある。同社長は入院について確認したが、理由についてのコメントは控えた。

 しかし、出世への足がかりとされることの多い工業エンジニアリング部門に移ってから次第に評判が改善し始めた。豊田社長は今では積極的な経営スタイルのリーダーとして知られるが、社内にはやや予測不可能なところがあるとの声もある。関係筋によると、同社長はそれまでの経験を利用して、一段と強力な事業推進スタイルを実地テストした。中国では数年前に欧米式の買収で合弁設立を実現させている。

 2001年に中国事業のトップに任命された同社長は、提携先の天津汽車の財務能力が限られており、工場が非効率だと判断。部下の助けを借り、中国第一汽車集団が天津を買収できると考えた。両社とも国営であり、前例がほとんどなかったが、合併は02年に完了し、中国でのトヨタの成長加速に貢献した。

 トヨタは昨年、初の赤字を喫している。豊田氏は社長に就任してから、収益力の回復に照準を絞っていた。同社長に近い幹部によると、おごりや過剰を捨てさせ、つつましさを取り戻させる計画だったという。全社を挙げてコスト削減に取り組むなか、トップクラスの幹部でさえ、国内外の出張にファーストクラスやビジネスクラスを使わなくなった。

 同社長は週末にワシントンに到着した。事情筋によると、公聴会で証言するという課題を引き受ける準備ができているという。

 公聴会では通訳が入る。今月の最初の記者会見で分かったように、マサチューセッツ州にあるボブソン・カレッジでMBAを取得したものの英語はたどたどしい。

 トヨタの元専務で05年から関連会社の社長を務める神尾隆氏は、「これを乗りきれるのは章男さんだけ。他のだれにも乗りきれる問題ではない」と語る。

 「この危機を乗り越えられれば、ますます成長し、すばらしいリーダーとして歩むことになる。確かに厳しい状況ではあるけれども、(豊田氏を)全面的にバックアップする」


隠ぺい体質で道を誤ったトヨタ
2010年 2月 10日 17:46 JST

 トヨタ自動車製の車が突然加速する問題については、6年の間に証拠が積みあがっている。この現象が衝突事故を引き起こし、これまで10人以上の死者を出したとみられている。

プリウスなど4車種のリコールを発表したトヨタの豊田社長(9日)
 トヨタは1月19日までこの問題について、フロアマットにアクセルペダルが引っかかることが原因としてきた。しかし同日、同社の幹部2人が米ワシントンで監督当局に驚くべきことを告げた。同社はアクセルペダルの機械的欠陥を知っていたというのだ。しかも、1年以上前から認識していたという。

 この会合について双方と話をした人物によると、米道路交通安全局(NHTSA)の2人の高官は「カッとなった」という。ストリックランド局長は会合の終わりに、販売停止も含むNHTSAとして最も厳しい処罰を科すことをにおわせた。

 1年もの報告の遅れを含む今回のトヨタのリコール問題で新たに判明した詳細からは、NHTSAと同社との間に大きな溝があったことが分かる。連邦当局者や業界幹部とのインタビューや昨年の両者の会合の状況からすると、当局は安全に対するトヨタの姿勢を疑うようになったようだ。

 関係筋によると、トヨタが米当局との間に抱える問題の核心は、安全上の問題について自動車メーカーに求める米国での開示要件と、日本における同社の隠ぺい体質の衝突だという。トヨタはNHTSAとの関係を維持するため元職員2人を採用していたが、関係は冷えていった。

 同社は今月9日、プリウスの日本国内全車リコールに踏み切った。これについては必要ないと考える幹部もいた。

 同社は、監督当局との溝を認めている。佐々木副社長はフロアマットに関して昨年12月にNHTSA当局者と衝突したことについて、考え方を変えたとした上で、NHTSAとまったく同じ考えであるため今後同じ問題は起こらないと訴えた。

相次ぐ苦情、限られた人員の監督当局

 問題の根源をたどると、新式のアクセルペダルを採用した2001年式カムリに行き着く。新式のペダルは物理的にケーブルでエンジンとつながっているのではなく、電子センサーを使ってコンピューター制御のエンジンにシグナルを送る。同じ技術は、レクサスESなどの車種でも採用された。主なメリットは燃料効率だ。

 しかし、NHTSAは04年の早い時期までに、カムリとESのドライバーから、アクセルを踏まないのに加速することがある、との苦情を受けるようになっていた。調査官スコット・ヨン氏が作成した04年3月3日付の文書によると、NHTSAは37件の苦情を対象に加速について初の調査に着手した。このうち30件は事故絡みの苦情だ。

 ミシガン州での訴訟でトヨタ幹部が提出した宣誓供述書によると、ヨン氏と別のNHTSA当局者ジェフリー・クアント氏は、その後20日の間に加速の問題についてトヨタと何度か協議した。訴えによるとこの事故では、05年式カムリが約400メートルにわたり制御不能になり、時速約40キロから128キロに加速した結果、衝突し、ドライバーが亡くなった。

 ヨン氏は同月中に文書をアップデートした。追加されたメモによると、NHTSAは調査対象を瞬間的な加速に絞り、ドライバーがブレーキをかけてからも加速が続くとされる現象については対象外とした。この決定が、後に監督当局を悩ませることになる。

 あるNHTSA当局者によると、調査官は前者のような瞬間的な問題に集中した方が欠陥を特定しやすいと考えた。この問題の方が純粋に、欠陥によるエンジンの不規則な動きのケースだと思えたためだという。後者の現象の方が、アクセルとブレーキの踏み間違えなどドライバーのミスと思われるものが多いため除外した。

 これについてヨン氏とクアント氏はコメントを控えている。

 37件の事故のうち、27件は後者の現象に分類され、調査対象外になった。結局、安全上の問題についてパターンが見つからないとして、調査は04年7月22日に打ち切られた。

 しかし、苦情は増え続けた。調査会社セーフティ・リサーチ・アンド・ストラテジーズによると、05、06年にはトヨタ車の意図せぬ加速に関する報告は数百に上った。トヨタは2度にわたり、一連の苦情に欠陥や傾向を示すものは見当たらないと主張している。

 NHTSAは07年3月に新たな調査を開始。このときは、レクサスES350のアクセルペダルが、付属品として売られていたゴム製フロアマットにひっかかる可能性があるかどうかを調べた。5件の衝突事故を調査し、そのうち4件はほかの車を巻き込んだ事故だった。時速が約145キロに達していたケースもあった。

 NHTSAはES350のオーナー1986人に質問状を送付。600人が回答し、59人が意図せぬ加速を経験したと答えている。このうち35人は、エンジンの不規則な動きの原因について、フロアマットがアクセルペダルを押さえたためとしている。残りは、原因を特定しないか、ほかの原因を挙げた。

 トヨタ側の窓口はクリストファー・サントゥッチ氏だった。同氏は01〜03年にNHTSAに勤務していたことから、調査チームと面識があった。同氏の上司、クリス・ティント氏もNHTSA勤務経験があった。両氏は本紙のコメント要請に返答していない。

 あるときサントゥッチ氏は、テストのためワシントン郊外のフェデックスフィールド(スタジアム)の駐車場にES350を運んだ。ヨン氏とクアント氏が車を走らせ、高速の車を止めるのに必要な力を測るため、時速約95キロまで加速してからブレーキを踏んだ。

 このようなNHTSAと自動車メーカーの共同作業はよくある。NHTSAは単独のテストもできるが、技術的データの提供はメーカーに頼るのが一般的だ。年間約3万5000件の苦情に対し、NHTSAの欠陥調査部門の職員は57人しかいない。

 NHTSAと共同作業を行ったことのある自動車メーカーのトップは、自動車メーカーの「規制がほぼ自主的」なものだと語った。「NHTSAがこうした問題すべてを調査するのは絶対に無理だ」という。

 NHTSAにはメーカーにリコールを強制する権限がある。メーカーが誤解を招くような情報を提示した、あるいは安全に関する情報を適時に提供しなかった場合には罰金を科すことも可能だ。

 07年8月までには、NHTSAはトヨタがレクサスとカムリのリコールを宣言し、同社が加速の原因だとするかさばる全天候型フロアマットを取り除くことを望むようになった。当時NHTSAのアドミニストレーターだったニコール・ネーソン氏は「トヨタはこれで問題が解決すると請け負った」としている。

 同氏によると、調査官がトヨタに、「アクセルペダルの問題ではないことは確かか」と聞くと、「問題はフロアマットだけだ」と答えたという。

 トヨタは、その時点ではアクセルペダルの設計に問題がある兆候はなかったとしている。

リコール後も続いた事故

 トヨタは最終的に2007年型と2008年型のカムリとES350のリコールに踏み切り、所有者に全天候型のフロアマットを敷かないように呼びかけた。リコール対象車は5万5000台に及んだ。

 リコール実施後も、問題が解決していない可能性を示す報告が断続的に続いた。ひとつの顕著な事例は、2008年にはミシガン州で発生した死亡事故だ。

画像を拡大する

Toyota Motor Corp. via Associated Press
米国で販売されているトヨタのカムリ
 同年4月19日、グアダルペ・アルベルトさん(77)が運転する05年型カムリは、ミシガン州フリントのコープマン通りを走行していた。現地の裁判所に提出された訴状によると、時速約40キロで走行していたカムリは、約130キロに加速。その後約400メートル疾走して空中に跳ね上がり、2.4メートルほどの高さで木に激突、アルベルトさんは死亡した。この申し立てはミシガン州のジェネシー郡巡回裁判所で現在も係争中だ。

 この事故でフロアマットが原因だったとは考えにくい。訴訟を担当する弁護士によると、アルベルトさんは事故の何日も前にフロアマットを撤去していたという。この事故は、04年、NHTSAが最初に調査に入ったときに調査の対象から外された「加速が続く現象」タイプの事故と似ている。

 1年後 NHTSAは、ミネソタ州のある人物から調査を開始するよう依頼される。当人の所有するレクサスES350が、ハイウェイを走行中に加速、その後制御不能の状態のまま3キロ以上猛スピードで走ったという。トヨタはフロアマットが原因だと主張し、申し立てに反論する書類を提出した。

 それとは別に、08年12月以降、トヨタの欧州部門はアイルランドや英国で報告された、車が急に加速し、減速ができなくなるという問題を調査していた。数カ月にわたってテストを繰り返した後、トヨタは原因を突き止めた。それは米国でも広く使用されている、ペダルシステムのプラスチック部分だった。

  トヨタはペダルの設計をし直した。だが欧州でリコールを発表することも、米国の規制当局に通知することもなかった。詳しい関係者によると、トヨタは自社の米国部門に、欧州の状況を警告することもしなかったという。

 先月、トヨタの佐々木氏は、欧州でリコールを実施せず、米国の規制当局に報告しなかった理由として、それが安全性の問題だとは思わなかったからだと述べている。

 トヨタは、1957年から米国で事業を展開し、現地生産を約20年行ってきたが、現在も経営方針のほとんどを日本の本社が決定している。トップ経営陣に米国人の役員は含まれていない。トヨタのリコール責任者がいるのは12時間も時差がある日本だ。

 トヨタの内部事情に詳しい複数の筋によると、こういった理由から、NHTSAに指摘された安全性の問題へのトヨタの対応は遅れがちになるという。

 同筋は、「真の原因は、トヨタ内部のコミュニケーションが機能しなかったことだ」としてワシントンDCの事務所と日本の本社との間の隔たりを指摘し、「ワシントン事務所は(米)政府に提供するのに必要な情報を持っていない」と語った。

 09年8月、米国で再び死亡事故が発生。この問題は米国民の関心を集めるようになる。ハイウェイパトロール警官のマーク・セーラーさんが運転していたレクサスES350が、カリフォルニア州サンディエゴ近郊を走行中、突然時速160キロ以上にまで加速したのだ。車は制御不能の状態になり、同乗者の1人が警察に電話で通報、緊急事態を伝えた。

 「アクセルが戻らない」

 警察の音声記録には、こう訴える通報者の男性の声が残されている。

 「ブレーキが利かない・・・・交差点に近づいている。もうすぐ交差点だ。頼む、助けてくれ」

 その後、車は衝突し、通信は途絶えた。この事故でセイラーさんとその妻、娘、親戚の男性を含む、車に乗っていた全員が死亡した。

 テレビで放送されたこの音声記録が、インターネットを通して広がり、アクセル問題への関心が高まることになった。

 事故を起こしたレクサスは、セーラーさんが所有する車を修理に出している間に業者から貸与された代車で、全天候型のフロアマットを敷いていた。セーラーさんの前にこのレクサスを運転したドライバーは、ペダルがフロアマットに引っかかると報告していた。

 NHTSAの我慢も限界に近づいていた。9月25日、ロナルド・メドフォード局長代理は、トヨタの担当者をワシントンに呼び出し、トヨタはフロアマット問題の全面解決に向けてもっと迅速に取り組む必要があると指示した。マットを交換するだけでは不十分だとメドフォード局長代理は伝えた。トヨタもペダルがマットに引っかからないようにペダルを交換する必要があった。

 10月5日、トヨタはフロアマット問題に対処するために、同社にとって過去最大規模となる380万台のリコールに踏み切った。

 だが、NHTSAとトヨタの間の緊張は高まる一方だった。11月3日にトヨタは、リコールされた車についてNHTSAは「欠陥は存在しない」との結論を出したとする声明文を発表。NHTSAは翌日、トヨタは「不正確かつ誤解を招く情報」を広め、同局が「この極めて危険性の高い問題」を現在も調査中であるとする声明文を公開し、トヨタを公式に非難するという異例の行動に出た。

 同じころ、トヨタとNHTSAは、まったく別の問題でも対立していた。トヨタピックアップトラックツンドラ」の車体フレームに耐腐食性の問題があり、荷台に積んだ予備タイヤが脱落する可能性があるとしてリコールを実施した。だが関係筋によると、トヨタの対応にはNHTSAが求めていたような迅速さがなかった。またトヨタは当初、リコール対象に燃料タンクとリヤブレーキに影響する腐食問題を含めることをためらったという。

 NHTSA.に提出された書簡によると、トヨタは1月8日、当初のリコール方針を変更し、「当局の要請で」燃料タンクの腐食問題を含めるとした。トヨタは、その問題を「安全性に関する欠陥」とは考えていないと強調した。

 ある関係筋の話では、トヨタは規制当局のいら立ちを認識していたが、「問題解決には考慮しなくてはならないこと」が存在する状況にあったという。

 こういった対立のなか、NHTSAのメドフォード局長代理は、複数の局員を伴って日本に乗り込んだ。米運輸省によると、12月15日、同局長代理らは、トヨタ役員と技術者、総勢100人の前に立ち、同社には米国の欠陥発見・リコールというプロセスに従う義務があると説明したという。

 その後、メドフォード局長代理はトヨタのトップ幹部との会談に臨んだ。局員によると、メドフォード氏は単刀直入に、トヨタの安全問題への対応は遅すぎると伝えたという。またトヨタは米国の法律に従って、欠陥を発見したらただちに報告する義務がある、とくぎを刺した。

 その場には品質保証担当の佐々木副社長がいた。面談の席で同副社長は、NHTSA側が、「(米国の)顧客がフロアマットを適切に設置すれば問題はなかった」とするトヨタの見解に反論し、「議論」が生じたことを明らかにした。佐々木氏によると、NHTSA側の対応は、トヨタはすべての消費者にフロアマットを適切に設置することを期待できない、というものだった。

 佐々木氏によると、NHTSA側はトヨタの考えに不信感をあらわにし、辛らつな言葉も口にしたという。

 それから11日後の12月26日、米テキサス州で、トヨタアバロンが急加速し、フェンスを突き破って池に突っ込むという事故が発生し、4人が死亡した。フロアマットは警察によって車のトランクから発見され、事故の原因でないことが判明した。

 今年1月4日、NHTSAの局長にストリックランド氏が就任した。同局長にとって就任後最初の危機は1月19日に訪れた。トヨタの幹部2人の口から、同社本社がアクセルペダルの機械的欠陥を1年以上前から知っていたという事実が伝えられたのだ。

 数日後、トヨタは230万台のリコール計画の詳細を発表した。だがそこには落とし穴があった。トヨタはすぐに修理に取り掛かれるだけの数の部品を用意していなかったのだ。

 NHTSAは自動車メーカーがリコールを発表する際に、代わりの部品をそろえるだけの時間的猶予を与えることがある。だが今回はそうしなかった。そしてトヨタに修理を実施できないなら自動車の販売を停止するように迫った。1月26日、トヨタは8車種の販売停止に踏み切った。


揺らぐトヨタ神話、「コスト」と「拡大」優先が裏目
2010年 02月 12日 18:26 JST

 「トヨタは絶対に失敗しない全能の存在だと思っていない」。豊田社長は今月9日の会見で、トップ企業としての「慢心」批判に答えるかのように、「欠陥を発見したり、失敗したりした時にはかならず修正する」と強調した。

  事態打開へ自ら訪米する意向を明らかにした同社長が、当面のリコール問題を超えて、同社の体質をどう強化していくか。日本のものづくりの威信がかかった難題が待ち受けている。 

 (ロイターニュース取材班:竹本能文、ネイサン・レイン、金昌蘭、浦中大我、平田紀之、ケビン・クロリキー、編集:北松克朗)

2/24)米当局者との対話を改善 北米トヨタ社長、公聴会で表明へ
(2/23)トヨタ公聴会、8時間に及ぶ長丁場 「電子制御」巡り応酬
(2/23)トヨタ公聴会、米下院委長「トヨタは消費者の期待にそむいた」
(2/24)豊田章男トヨタ社長の米公聴会証言要旨
(2/24)豊田社長「リコール、各地域で判断」 24日の米公聴会で表明へ
(2/23)「安全についての不安、全責任負う」 豊田章男社長が証言へ
(2/23)米トヨタ公聴会、米トヨタ販売社長「心からおわび」
(2/23)米トヨタ公聴会、米トヨタ社長「技術リソース追い付かず」
(2/23)トヨタ公聴会、事故被害者が証言 対応を批判
(2/23)トヨタ「電子制御問題ない」 米公聴会、苦情対応の遅れ陳謝
(2/23)トヨタ公聴会「安全システム稼働しない状況も」 専門家が証言
(2/23)米下院委員長、トヨタの対応遅れを批判 公聴会
(2/23)米運輸長官、下院公聴会の証言要旨
(2/23)米トヨタ自動車販売社長、下院公聴会の証言要旨
(2/23)米トヨタ社長「電子制御問題ない」 公聴会で証言へ
(2/23)トヨタ公聴会、電子系統巡り見解衝突へ 強まる風圧
(2/23)米下院委、トヨタの調査姿勢に不満 急加速問題
(2/23)国交相、車のリコール制度見直し表明 「国にしっかり伝達を」
(2/22)トヨタ、07年リコール「1億ドル節約」 内部文書で、米メディア
(2/22)「急加速」03年に把握 トヨタリコール問題で米運輸長官
(2/21)トヨタ批判、米社会問題に 公聴会控え収束見えず
(2/20)トヨタ、危機打開へ正念場 米公聴会、社長出席へ
(2/20)トヨタ、英工場8日間生産休止
(2/19)トヨタ社長、米公聴会出席へ「誠心誠意説明したい」
(2/19)トヨタのリコール、成長率0.12ポイント下げ 大和総研、国内30万台減産なら
(2/18)米当局、トヨタカローラ」の調査開始 パワステ欠陥の疑い
(2/18)米議会、トヨタ社長を招致 24日の公聴会
(2/18)リコール問題「客の視点で適正な対応重要」 自工会会長
(2/18)米下院委、トヨタ公聴会を23日に前倒し
(2/17)トヨタ、新ブレーキを全車種に プリウス、月内に7〜8割改修
(2/17)トヨタ、グローバル品質特別委員会を3月30日に予定
(2/17)トヨタ社長「訪米予定決まっていない」
(2/17)トヨタのリコール対応「反省すべきことあった」 豊田社長会
(2/17)米政府、トヨタのリコール調査 書類提出を求める
(2/17)トヨタ、米2工場で生産停止 販売落ち込み14日間
(2/16)トヨタ、17日から「SAI」「レクサスHS250h」を修理開始
(2/16)トヨタ社長、品質問題で17日に記者会見
(2/13)トヨタ社長、販売店を訪問し顧客に陳謝
(2/13)トヨタ、電子制御「問題ない」 急加速苦情巡り米下院委に報告
(2/12)トヨタ社員の元当局職員、「リコール調査終了促す」 米報道
(2/12)トヨタ・GM合弁工場、閉鎖撤回求め集会
(2/12)トヨタ、米で8000台リコール 小型トラック「タコマ」
(2/13)トヨタ、リスク対策で新組織を発足 社長直轄で危機に迅速対応
(2/13)トヨタ車リコール問題、消費者庁は存在感発揮できず
(2/12)オバマ大統領、トヨタ品質問題に言及
(2/12)「トヨタ社長と議員の直接対話を」 米議会幹部が要請
(2/12)前原国交相、自動車の不具合「機敏な対応を」
(2/12)トヨタ工場の米4州知事、運輸長官を批判 公正な審理求め書簡
(2/11)トヨタの教訓、世界が注視
(2/11)トヨタ、「SAI」など生産一時停止 13日から
(2/10)トヨタ社長の公聴会出席促す 米下院共和議員、協議求める
(2/11)プリウスリコール初日、目立った混乱なし
(2/11)トヨタ社長、3月初旬めどに訪米
(2/10)トヨタのリコール、「日米の影響回避」 国交相、米大使と一致
(2/10)トヨタ問題、米で厳しい見方続く 「閉鎖的な企業体質」と批判
(2/10)ホンダのリコール、全世界で43万7763台
(2/10)トヨタ売店プリウスの修理開始 リコール初日
(2/9)トヨタ公聴会、米上院も3月上旬に 米下院、24日に延期
(2/9)ホンダも米国でリコール 37万9000台、「アコード」や「シビック」など
(2/9)プリウスのリコール、ユーザーの多くは冷静
(2/9)トヨタプリウスなどリコール 国内外で43万台
(2/9)米下院「トヨタ公聴会を延期
(2/9)トヨタのリコール問題、10日に米で公聴会 3つの争点想定
(2/9)トヨタ社長、リコール問題で謝罪 「全世界で40万台が対象」
(2/9)国交相「しっかりと信頼回復を」 リコールでトヨタ社長と会談
(2/9)トヨタがリコール届け出 プリウスなど4車種22万台
(2/9)トヨタ、リコールを午後届け出 「プリウス」17万6000台
(2/9)トヨタ、「SAI」とレクサス「HS250h」の生産一時停止
(2/9)トヨタプリウスのリコールを9日届け出
(2/7)トヨタ、「SAI」とレクサス「HS250h」もリコールへ
(2/7)トヨタプリウス60カ国で無償改修
(2/6)トヨタ米販売店で改修作業開始、キャンセル増を懸念
(2/5)トヨタ社長会見、欧米メディアも一斉報道
(2/5)トヨタ、米でアクセルペダルの改修開始 リコール対象230万台
(2/5)トヨタ社長「安全・安心第一に」 プリウス不具合「迅速に対応」
(2/5)S&P、トヨタ格下げ検討
(2/5)トヨタ社長の記者会見一問一答
(2/5)トヨタ社長、品質問題で陳謝 「できる限り早く対応」
(2/5)トヨタ、品質管理向上へ新組織 トップに豊田社長が就任へ
(2/5)国交相「顧客の視点欠如」 トヨタプリウス問題対応を批判
(2/5)トヨタ販売現場に動揺 「プリウス」リコール方針
(2/5)トヨタリコール問題、大統領にも報告 米報道官
(2/5)フォードも自主修理 ハイブリッド2車種のブレーキ
(2/5)トヨタ自動車株、3日ぶり反発
(2/5)トヨタ小型トラック「タコマ」でも苦情 「急加速」米で100件超
(2/5)プリウス不具合、エコの象徴にトヨタ痛手 経営に影響長期化も
(2/5)トヨタ、「プリウス」日米でリコール ブレーキ無償改修
(2/5)トヨタ、販売増と原価改善寄与 品質問題、回復基調に冷や水
(2/5)トヨタ品質問題、首相「迅速に対応を」
(2/5)トヨタの韓国販売、1月は33%減少 米でのリコール影響
(2/5)トヨタ、1月の中国販売53%増 2月は悪影響も
(2/4)米運輸省、「プリウス」ブレーキ問題で正式調査
(2/4)トヨタ、最終黒字800億円 10年3月期、「プリウス」問題は織り込まず
(2/4)米運輸長官が「リコール車乗るな」発言 撤回もトヨタ株価急落
(2/4)トヨタ、リコール関連費用1700〜1800億円計上へ 10年3月期
(2/4)リコール問題、販売への影響10万台 トヨタ、3月末まで
(2/4)トヨタ「クレーム隠しない」 不具合情報は昨秋ごろから
(2/4)トヨタプリウスのブレーキシステム「1月に設計変更」
(2/3)米政府、「プリウス」の調査に着手 トヨタとの協議継続
(2/4)米政府、プリウス調査 ブレーキに苦情、電子制御に問題か
(2/4)米運輸長官、トヨタ社長と電話協議の意向 リコール問題で
(2/4)トヨタプリウス」、国内苦情70件超 ブレーキ、公表前に改良
(2/3)プリウス苦情「もっと大きい数字に」 トヨタ副社長言明
(2/3)トヨタの株価、大幅反落 品質問題の長期化懸念で
(2/3)プリウスのブレーキ不具合、米で苦情100件 国内でも14件
(2/2)米運輸省トヨタへの民事制裁金を視野 リコール問題、調査継続
(2/2)トヨタの米新車販売、15%減 1月、リコール問題響く
(2/2)トヨタの佐々木副社長、リコールを陳謝 「業績気にせず」対応
(2/2)トヨタ車所有者ら、米とカナダで提訴 欠陥放置の賠償求め
(2/1)米トヨタ販売社長、リコール問題「販売への影響不可避」
(2/2)トヨタ後手、傷広げる リコール具体策発表
(2/1)トヨタ、8日にも生産再開 米でのリコール対策を発表
(2/1)トヨタ、アクセルペダル早期に交換・修理 リコール対応策
(1/31)トヨタのリコール問題、1日にも対応策 米当局、修繕案を認める
(1/30)プジョートヨタとの合弁生産車をリコール 10万台以下
(1/29)トヨタのリコール問題、別の米下院委も公聴会 2月10日に
(1/30)トヨタのリコール問題、米の販売現場に影響
(1/29)ホンダ、64万台を改修 米国などで
(1/29)トヨタ、欧州は最大180万台リコール 不具合、世界で700万台超に
(1/29)トヨタリコール問題、米議会で議論に 2月下旬に下院で公聴会
(1/29)トヨタ、中国でも7万5000台リコール 米と同じ不具合
(1/27)トヨタ、信頼回復へ異例の対応 リコール車種の生産・販売停止
(1/27)トヨタ、米リコールで8車種販売停止、北米5工場一部操業停止


公聴会で豊田社長が謝罪へ 現地判断でリコール実施 
02/24 12:49

 【ワシントン共同】トヨタ自動車豊田章男社長は24日(日本時間25日)の米議会下院監視・政府改革委

員会公聴会で、トヨタ車の大規模リコールや事故について「真に残念(deeply sorry)」と謝罪する。安全性に

対する顧客の不安に「大きな責任を感じている」と表明、日本ではなく現地判断によるリコール実施など再発防止

に全力を挙げる。トヨタが23日、証言内容を明らかにした。
 23日に開かれた下院エネルギー・商業委員会公聴会では、トヨタ車の急加速の原因とも指摘される電子制御

システムをめぐり、欠陥を否定するトヨタ側と欠陥の可能性を追及する議会側が激しく応酬。豊田社長の証言は

システムの欠陥の有無に触れておらず、議会側の厳しい追及は必至だ。
 豊田社長は過去数年間の業務拡大について「速すぎた」とし、安全や品質を後回しにしたことを「真摯に反省

すべきだ」と証言。日本で実施の可否を決めていたリコールについて「各地域でお客さまに近いところで判断できる

仕組み」を構築すると述べ、顧客の視点で品質問題の再発防止に取り組むと訴える。
 トヨタによると、北米トヨタの稲葉社長も、顧客の不安解消に努める姿勢を強調する。


 ◆一連のリコール(回収・無償修理)問題を巡る、米議会下院の監視・政府改革委員会公聴会について、トヨ

タ社長「招致受け入れる」 という日経メールのニュース速報の見出しにまたまた仰天絶句した。24日出席するとい

うのだから、慌ただしい。18日に出した社長声明では「委員会からの招致を受け入れる。米議会や米市民と直接

話す機会を楽しみにしている」と、呑気なコメントを各紙は無批判に受け入れすぎた。オリンピックじゃあるまいに吃

驚仰天、と呵呵大笑して酒の肴にしていたら、銀座でさえやんわり窘められた。◆なにより、国会なら召喚、喚問

というフレーズに慣れているが、これでは日米和親条約なみの感性しか、持ち合わせていないスタッフが闊歩してい

る証左である。豊田章男さんもさすがに、19日午前の名古屋での社長会見では、出席して「誠心誠意説明した

い。原因究明に協力し、顧客の安心と信頼回復に努めたい」と言い換えたものの、自らも相変われず原因を究明

している最中、と白状してはまずすぎる。大前研一さんに「産業突然死」時代という言辞と連載だったかがある。◆

リコールで表面化したトヨタカイゼンの限界、というのは、資本主義の爛熟に生産方式の陳腐が襲い掛かったとい

う、かねがねの弊フォーラムの持論と同じである。小さな改善を社員や協力企業に自分で自分の首を締め上げさせ

て、積み上げていくというトヨタ式のやり方では、もはや大きな安全は担保できないレベルとなっている。今回のリコー

ル問題は、積み上げ式によるカイゼンの限界、メカから電子化へ急傾斜した技術の進歩と管理の限界、という二つ

の産業突然死の迷妄と限界をあぶり出したにすぎない。トヨタは、ラッキーな企業でもあったと言及したのは田原総

一朗さんである。たしかに自動車が発明されて以来、「改革」は一度もなく4つの車輪で走り、エンジンがあり、ハン

ドルがある。◆そのクルマの形には、改革ではなく「改善」はあった。だから、「カイゼン」はトヨタを象徴する言葉とな

り、日本の自動車業界が品質を高めていったことを象徴するスローガンになった。ところが今、その自動車業界で初

めて「改革」が起きようとしている。環境問題対策に伴う技術革新で、二酸化炭素を出すクルマを減らそうと、トヨ

タはいち早く取り組んだ。それがハイブリッド車の開発につながった。だからこそ、ブレーキやマットの不具合を「感覚

の思い込み」などと、記者会見で開き直る常務は気の毒なほど愚直に本気だった。まさしく疑心暗鬼のてんやわん

やに、マキタやノリタケ、ミユキのニッチの業界ガリバー発想では、世界とは戦えない。米市場は一時は利益の75%

を稼ぎ出した、愚者の楽園だったことを忘れてもらっては困る。


トヨタの説明「誤解招く」と非難
2月23日(火) 09時58分配信
 【ワシントン共同】米下院エネルギー・商業委員会のワクスマン委員長(民主)らは22日、トヨタ米販売子会社の

ジム・レンツ社長に書簡を送り、トヨタ車の急加速について、これまでのリコール(無料の回収・修理)で安全対策は

十分とした最近のレンツ氏の発言は「誤解を招く」と非難した。レンツ氏が一貫して急加速の原因は電子系統の

欠陥ではないとしている点に疑問を呈した。
共同通信


【主張】トヨタ公聴会 信頼取り戻す好機にせよ
2010.2.21 02:54

 トヨタ自動車豊田章男社長が23日に開かれる米下院公聴会に証人として招致され、出席する意向を伝え

た。
 米国は一連のリコール(回収・無償修理)問題の震源地である。トヨタ側の対応は、常に後手に回ってきた印象

を否めないが、社長自ら陣頭に立ち、対策を進める姿勢を訴える格好の場ともいえる。説明責任をしっかりと果た

し、早期の信頼回復に繋(つな)げるチャンスと位置付けてほしい。
 「ごまかしや逃げることはしない」としていた豊田社長だが、17日の記者会見では社内の慎重論を受け、「公聴

会は現地トップが対応する」と述べていた。これが結果的に米国では公聴会出席に消極的だと受け取られ、今回

の招致につながったとされる。お粗末な危機管理である。
 トヨタをめぐっては、海外生産車のフロアマットやアクセルペダルに関する不具合で600万台程度の改修に乗り出

している。さらにエコカーの代表車種「新型プリウス」についてもブレーキの「空走感」を解消するため、最終的に世

界市場で40万台程度のリコール実施にも踏み切った。
 こうした一連の問題で「高い品質と信頼性」に裏打ちされてきたトヨタブランドに傷がついたのは確かだ。最近では

トヨタ車が急加速するとの苦情が寄せられ、その原因として電子制御システムの問題も浮上している。
 米議会の公聴会は政治ショーになりがちだ。今年秋には中間選挙を控え、トヨタ批判で世論にアピールする機

会を狙う議員も少なくない。米国のカーメーカー各社が苦境に立たされる中で、これまで比較的好調だったトヨタ

の反発が一気に噴出した格好である。
 過去にもブリヂストン現地法人「ファイアストン」がタイヤの大量リコールを迫られて現地法人トップが公聴会で批

判を浴び、本社社長ともども辞任に追い込まれたケースがある。
 トヨタは米国世論の風圧は日本で想像する以上に強いことを認識すべきだ。米国駐在の経験もある豊田社長

なら、なおさらだ。
 ひたすら陳謝すれば、世論の一定の理解は得られるとする“日本流”は米国では通用しない。公聴会ではメディ

アの報道も含め、米側に誤認・誤解があるなら、しっかりと正しておくことも重要だ。その意味でも公聴会は信頼回

復に向けた同社の正念場となる。


トヨタ、限定実施で91億円節約
2月22日(月) 11時00分配信
 【ワシントン共同】トヨタ自動車が09年7月の社内資料で、米当局との協議の結果、07年のリコールを限定的

に実施したことで、1億ドル(約91億円)以上の費用を節約したことを報告していたと、21日の米メディアが一斉

に報じた。この資料は、24日にトヨタ豊田章男社長が公聴会に出席する米下院監視・政府改革委員会に提

出されている。米議会では、豊田社長が議員から厳しい追及を受けそうだ。


2月22日 12時24分
今週、トヨタ自動車のリコール問題をめぐる公聴会を開くアメリカ議会下院の監視・政府改革委員会は「トヨタが過

去のリコールで、交渉の結果1億ドル以上の費用を節約したと説明している社内文書を入手した」と、一部のメデ

ィアに対し明らかにしました。
アメリカ議会下院の監視・政府改革委員会は21日、トヨタの内部文書を入手したとNHKなどのメディアに対し、

明らかにしました。委員会によりますと、この文書は去年7月に北米トヨタの稲葉社長が社内向けに提出したとみ

られるもので、「トヨタの勝ち得たもの」というタイトルのもとに『交渉の結果、カムリなどのリコールで1億ドル以上を節

約し、何の不具合も見つからなかった』という文言が記されているということです。これについて、監視・政府改革委

員会の筆頭理事を務めるアイサ議員の事務所は「トヨタが運輸当局に対し、どのような働きかけをしていたのかな

ど疑問が生じている」とコメントし、今週開かれるトヨタ関連の公聴会で厳しく追及する姿勢を示しています。トヨタ

は2007年に、アクセルペダルが戻りにくくなるおそれがあるとして「カムリ」などおよそ5万5000台を対象に、フロア

マットの回収を実施しましたが、去年の秋以降、再びフロアマットの問題でリコールを実施するなど、抜本的な対策

がとられていなかったのではないかという批判の声も上がっています。これについて北米トヨタは社内文書の存在を

認めたうえで、「トヨタは顧客の安全を最優先にしている。1つの社内文書をもって安全を軽視しているととらえない

でほしい」とコメントしています。一方、トヨタ自動車の広報部では「報じられた内容については事実関係を確認中

で、現段階ではコメントできない」としています。


米議会公聴会といえば完全な政治ショウで如何に議員が目立つかばかりで、真相追求は二の次


率直に言えば、欠陥製品を出しながらそのことを否定し続けているという印象を世間に与えてしまったからだ。
 米国のメディアはだいぶ以前から、米道路交通安全局(NHTSA)にここ数年、トヨタ車を購入した消費者からさ

まざまな苦情が寄せられていたことを報じていたが、トヨタはNHTSAにドライバー側の問題だと説明し、NHTSAも

その説明を受け入れていた。だが、アクセスペダルがフロアマットにひっかかったことが原因とされる昨年の死亡事故(

カリフォルニア州サンディエゴ郊外でレクサスに乗った家族4人が死亡した事故)がさかんに報道されるに至って、状

況は一変したのだ。フロアマットに対する苦情は、以前からあったわけで、なぜもっと早くしかるべき対応を取れなか

ったのだとの批判が高まるのも当然だろう。
 それでも、品質問題に関する豊田章男社長の2月初旬の会見が(トヨタがNHTSAにフロアマットの取り外しなど

安全対策実施を通知した)昨年10月、いや2週間前でもいい、もっと早く行われていたら、(米国における)トヨタ

判の大合唱はこれほどまでは高まらなかったのではないか。トップが責任を公にすれば、後はメーカーとクルマの所有

者とのあいだの問題として収まるからだ。
 だが、それをしなかったうえに、別の経営幹部が要らぬ発言までしてしまった。(トヨタの)佐々木眞一副社長がイ

ンディアナ州のCTS社のアクセスペダルを採用した理由について、「現地への貢献を考慮したため」という趣旨の発

言をしたのは、はっきり言って、言語道断だ。もちろんCTS社の技術力を評価するという前置きもあったが、あのひ

と言だけで、まるで現地のために劣った企業と取引したと言っているように聞こえてしまった。
 デンソー製ペダルと比較すると、CTS製は明らかに少ない部品数で設計されており、コスト削減も背後にあったは

ずだ。佐々木氏の発言は、 米国民に侮辱的で傲慢なものと理解されてしまった。
 やや厳しいことを言えば、トヨタはグローバル製造企業であっても、真のインターナショナル企業にはなり得ていな

いということだろう。異なる文化を超えて マリアン・ケラー


トヨタに限ったことではないが)コストを極力削減しようとして部品を共有したこともひとつの理由だろう。コストは安

くすむが、欠陥が出た際には問題は拡大してしまう。
 ただ、そうした自動車業界の潮流はさておき、質問に戻れば、今回のリコール問題以前にも、ここ数年、数モデ

ルでトヨタらしくない欠陥が続いていたことは事実だ。たとえば、テキサスで製造したピックアップトラックのタンドラでは

、発売後にカムシャフトの不備でエンジン部分にひびが入るという問題が出た。タンドラでは他にも小さな欠陥がいく

つかあった。また数モデルのエンジンでスレッジ(金属粉)が大量に発生するという問題も報じられた。
 いずれの場合も、トヨタが静かに処理したので、今回のような騒ぎにはならなかった。もっとも、トヨタ・ディーラーた

ちによれば、ここ数年保証期間内の新車の修理コストが上がっていたらしく、それを考え併せると、トヨタの完璧な

品質神話にかげりが差していることは事実だ。


突き詰めれば、その原因は、トヨタ社内のコミュニケーションの問題だ。はっきりとはわからないが、事態を分析するの

は、米国のエンジニアなのか、日本側の人間なのか、決断を下すのは誰なのか――関係者間のコーディネーション

がうまく働かず、その結果、起こっている問題にしかるべき手を打てなかったということではないか。
 そもそもアメリカ政府が2人の人間をわざわざ日本に送って、問題の深刻さを伝えねばならなかったことは、通常で

は考えられない。殊にトヨタは、いつもアメリカの政府機関の調査には協力的だったにも関わらず、だ。


フィーディング・フレンジー(Feeding Frenzy)、すなわち過剰な報道合戦の餌食にされているという思いはないのか


 正直なところ、誰かがガレージのドアに車をぶつけただけで、加速問題だと主張し、裁判所に私を引きずっていく

のではないかという心境にある。ボブ・カーター 米国トヨタ自動車販売(TMS) グループ副社長


 アメリカでは集団訴訟は避けられない。すでに動き回っている弁護士はたくさんいるだろう。大半のケースは裁判

に至らないだろうが、いくつかは裁判所に持ち込まれる。裁判の過程で、トヨタが何をして何をしなかったかがきっと

明らかになるはずだ。


トヨタ内部で「豊田社長は決断力不足だ」という批判の声が上がっていることも、戦略変化のもう一つの理由だ。

一部の社員は豊田社長の対処ぶりを「アマチュアのようだ」と非難している。

 また、トヨタの技術陣からも今回のプリウスのリコースについて、「リコールを実施するほどの問題ではないにもかか

わらず、経営陣が世論に押された。トヨタの技術力に泥を塗り、技術者の責任を転嫁している」との反発が出てい

る。

 豊田社長は今年1月29日、スイスで開かれた世界経済フォーラムで記者の取材に応じ、最初の謝罪をしてその

場を離れる際にトヨタ車ではなく、黒いアウディのワゴン車に乗り込む姿が報じられ、物議を醸した。

 豊田社長はトヨタのスポーツカー開発やレーシング大会にも直接参加し、日本の自社テストコースで自らハンドル

を握ることでも知られる。しかし、豊田社長がリコールに関する取材に応じた後、他社の車で会場を後にしたことは

、世界的自動車メーカーのトップとしては異例のこととして受け止められている。


一部の専門家は今回の事態の本質が品質管理ではなく、本社のコミュニケーション問題にあると指摘した。

 米自動車産業アナリストのマリアン・ケラー氏は週刊ダイヤモンドのインタビューで、「今回の事態の分析責任が米

エンジニアにあるのか、日本の従業員にあるのかを把握できなかった上、関係者間の調整が円滑に進まずに起きた

結果だ」と指摘した。

 従って、米議会での聴聞会という「火事」を消し止めた後、豊田社長が社内のコミュニケーションをどう改善してい

くのかが、「危機管理リーダーシップ」の重要な試金石になるとみられる。


中部ガスの神野会長、退任へ
2010.2.10 20:46
 中部ガス(愛知県豊橋市)は10日、神野信郎会長(79)が退任し、相談役に就くと発表した。スズキの鈴木

修会長兼社長ら2人の社外取締役を含む取締役3人も退任する。いずれも3月26日付。


2010/02/20「リニモ」:停電で900人閉じ込め 愛知の無人運転列車

 18日午前7時35分ごろ、愛知県尾張東部などで停電があり、愛知高速交通東部丘陵線リニモ)への送電

が停止した。上下6本が立ち往生し、乗客計約900人が44〜88分、車内に閉じ込められた。愛知高速交通

によると、体調不良を訴える人はいないという。【山田一晶、月足寛樹】

 同社によると、リニモは全線(8.9キロ)、全駅で停電。送電を同8時5分に中部電力からの予備線に切り替え

て電気復旧した。しかしリニモ無人で全自動運行しているため、係員を停車中の各列車に派遣するまで停車が

続き、同9時5分ごろから順次、手動で運転を再開した。正常運行に戻ったのは同9時27分。上下30本が運

休し、通勤通学客ら約4000人に影響した。

 停電と同時に、列車を管理する列車運行システムもダウン。予備線への切り替えでシステムが正常に稼働してい

ることが確認できたため、係員が列車に到着し次第、運行を始めたという。停車した6本のうち2本はトンネル内で

止まったため、係員が手動で近くの駅まで移動させ、運転再開を待った。残る4本は駅で停車したが、ドアが開か

ず、乗客は降りられなかった。

 同社は停電直後に自社のホームページに掲載したが、報道発表は停電から約4時間後だった。総務課の担当

者は「救出に人をかけ、公表が遅れてしまった」などと話している。

 中部電力によると、停電したのは愛知県長久手町を中心に同県尾張東部と名古屋市東部で、一般世帯は少

なくとも計1万9000戸が1〜6分停電。一部工場の操業にも影響が出た。送電線のトラブルが原因とみられる。

 ◇複合的な原因
 愛知高速交通によると、リニモが05年の開業以来、30分以上にわたり、乗客を閉じこめるトラブルを起こしたの

は初めてだという。

 同社によると、復旧が遅れた原因は▽路線距離(8.9キロ)が短いため、電力供給ラインが2本しかなかった▽

予備線への切り替えに手間取った▽無人自動運行のため、手動で運行させる係員の派遣や列車周辺の安全確

認に時間を要した−−ことなど複合的なものだという。同社総務課は「今回の輸送障害を真摯(しんし)に受け止

めたい」とコメントしている。 リニモは05年8月、落雷による停電で数分間止まったことがある。


社説:トヨタ公聴会 ばん回の好機にしよう

 米国での大規模リコール(回収・無償修理)問題を受け、トヨタ自動車豊田章男社長が米議会公聴会に出

席することになった。豊田社長は、「(下院監視・政府改革委員会から)正式に招致されたので、喜んでうかがう」

と語っているが、トヨタがこれまで社長ではなく現地法人のトップを送る方針だったことから、米国内では「トヨタの社

長は議会や米国民に説明しようという熱意が足りない」(同委員会のアイサ筆頭理事)との見方が広がってしまった

。議会への説明も含めた社長の渡米を、もっと早く決断することはできなかったのか。悔やまれる。

 米国でのトヨタ批判は、日本国内でのそれとは比較にならないほど過熱している。レクサスを運転中、アクセルト

ラブルに見舞われて事故死した家族が携帯電話からかけた救急通報の生々しい叫びをテレビが繰り返し報じ、そ

うした報道に呼応するように議会でのトヨタ追及の声も強まっていった。

 すでに大量のリコールを実施し、製品上の改善策もとっているトヨタだが、米議会やメディアは納得していない。ト

ヨタが安全上の問題を認識しながら情報を隠したり、現在も開示をためらっているのではないか、という不信・疑念

が根強い。

 トヨタにしてみれば、米国の事情に通じた現地法人トップの方が公聴会での説明役に適しているとの思いがあっ

たかもしれない。しかし、不信の深刻さを考えれば、今、企業全体を代表して疑問に答えられるのは最高責任者

の豊田社長しかいない。

 米国で強まるトヨタへの風圧の背景には、政治的な思惑もあるだろう。雇用情勢が好転せず国民の不満が高ま

る中で、中間選挙を控えた連邦議会の議員たちは選挙区を意識したパフォーマンスに走りがちだ。しかし、グロー

バルに展開する大企業であれば、現地の世論や政治の動向まで考えた危機管理が求められる。重大問題が起き

た時どのように報道対応するかなど、トップは日ごろから訓練を受けているものだ。

 トヨタは世界で32万人以上の従業員を雇い、世界で生産し、世界で製品を売っている。しかし、取締役は米

現地法人の社長を含め29人全員が日本人だ。生産・販売のグローバル化に経営のグローバル化が追いつかなか

ったことが、「世界」と「豊田市」の認識のギャップを生み、対応の遅れを招き、事態をより悪化させてしまったのでは

なかろうか。

 現地のよき企業市民になろうとトヨタが世界で続けてきた努力は知られている。それを無駄にしないためにも、豊

田社長は先頭に立って説明を尽くさなければいけない。日本であっても米国であっても同じだ。

毎日新聞 2010年2月20日


トヨタ社長、公聴会出席へ 米世論に追い込まれ

 ◇発言迷走、傷広げる
 トヨタ自動車の米国での大規模リコール(回収・無償修理)を巡り、豊田章男社長が19日、米下院公聴会

の出席を受け入れたことで、リコール問題は大きな山場を迎える。豊田社長は「お客様や米国へのトヨタの思いを

理解してもらえるように努める」と言うが、訪米決断までの迷走ぶりはトヨタのマイナスイメージを更に拡大させた。公

聴会で欠陥隠し疑惑などを厳しく追及されるのは必至とあって、トップの訪米が問題収拾の糸口になるかどうかは

まだ見えない。

 19日朝、名古屋市内で米下院監視・政府改革委員会の公聴会出席を表明した豊田社長は、「(公聴会に)

行くか行かないか、私の一存で決められない。委員長からの招致があって初めて行けることを理解してほしい」と苦

しい弁明を強いられた。

 トヨタは当初、10日に予定されていた米議会の公聴会に合わせ、豊田社長の訪米を検討した。ただし、議会

関係者や当局との会談、記者会見はしても、トップが火だるまになりかねない公聴会出席は避ける道を模索した

 それが大雪で公聴会は延期となり、訪米計画も振り出しに。豊田社長は17日の会見で「本社サイドから最大

限バックアップする」と、公聴会出席は現地法人トップに任せる意向を示した。「招致があれば考える」と含みは持

たせたものの、リコール問題発生以降、なかなか会見に出ず、「危機にトップの顔が見えない」と批判されてきただ

けに、豊田社長の「現地任せ」発言は米メディアを刺激した。米ABCテレビは「トップは逃げたのか」と報道し、議

会では「豊田氏は米国民の疑問に答えることに不熱心だ」との声も上がった。

 日本国内でも「(社長出席を決めるまで)二転三転し、出ないという話があったのは残念」(前原誠司国土交通

相)と波紋を広げた。招致に強制力はないが、「断る余地が無い」(トヨタ幹部)状況に追い込まれた形だ。

 豊田社長は公聴会で欠陥隠しを否定し、ブレーキとアクセルを同時に踏んだ際、ブレーキを優先する「ブレーキ・

オーバーライド・システム」の全車種への搭載や苦情分析力の強化など努力を訴える方針。だが、トヨタグループ関

係者は「議会に言われて出席するのでは心証が良くない」と懸念する。

 日本企業が米公聴会で厳しく追及された例では、ブリヂストン傘下の現地法人「ファイアストン」による00年の大

量のタイヤリコール問題がある。

 フォード・モーター社製SUV(スポーツタイプ多目的車)「エクスプローラー」横転事故多発の原因を巡り、公聴会

でファイアストンとフォードは非難合戦を展開。世論の反感を買い、現地法人トップに加え、ブリヂストン本社社長

も事実上の引責辞任へ追い込まれる事態に発展した。

 米議会はリコールに絡む米運輸当局の対応も追及する構え。豊田社長は当局の立場にも配慮しつつ、自らは

不正をしていないと訴える難しい対応を迫られる。トヨタ社内では「昨年6月に就任したばかりの豊田社長が議会

の追及に耐えられるか。トップがうまく対応できない姿をさらせば、トヨタのイメージは一段と悪化する」との声も漏れ

る。【大久保渉、宮崎泰宏、宮島寛】

 ◇批判、中間選挙を意識 雇用力は無視できず
 「米ドライバーの安全確保に向けたトヨタの対応を理解するのに役立つ」。米下院監視・政府改革委員会のタウ

ンズ委員長(民主)とアイサ筆頭理事(共和)は18日、豊田社長の同委公聴会(24日)出席を歓迎する声明を

出した。ホームページにリコール対象となったトヨタ車のアクセルペダルの写真を掲示するなど、同委は議会でトヨタ

追及の急先鋒(せんぽう)に立つ。

 トヨタ批判が広がったきっかけは、カリフォルニア州で昨年8月に起きたトヨタ車、レクサスの急加速による4人死亡

事故だった。テレビの3大ネットワークは、事故時の緊急電話の音声を繰り返し流した。消費者が恐怖と不安を募

らせていたところに今回のリコール騒動が重なり、批判は急速に高まった。

 今年秋、米国は中間選挙を迎える。欠陥隠し疑惑を追及し、早い段階から豊田社長の招致を訴えてきたアイ

サ筆頭理事の地元は、レクサスの事故が起きたカリフォルニア州。「名を上げたいとの政治的思惑もある」(米シンク

タンク)議員にとり、有権者の関心が高いトヨタをたたくことは有効な選挙対策になるという見方もある。

 さらにトヨタが3月末、同州の米ゼネラル・モーターズ(GM)との合弁工場を閉鎖することも、反トヨタ感情を高め

ている。

 しかし、米国がトヨタ批判一色に染まっているわけではない。トヨタの生産拠点があるケンタッキーやテキサスなど4

州の知事は今月10日、「トヨタ批判は組合(全米自動車労組=UAW)やライバル企業にあおられており、不公

平」とする書簡を議会に送り、「トヨタは米国で販売店も含めて17万人以上の雇用を創出している」と強調した。

米紙によると、トヨタが95年に工場を建設したウェストバージニア州選出で、公聴会を開く上院商業・科学・運輸

委員会のロックフェラー委員長(民主)らもトヨタに同情的とされる。

 リーマン・ショックの後遺症に悩む米国にとり、トヨタの雇用力は無視できない。オバマ政権も「私たちが念頭に置く

のは利用者の安全だけだ」(ギブス大統領報道官)と、批判の過熱ぶりには複雑な表情だ。【ワシントン斉藤信宏


==============
 ■ことば ◇米議会の公聴会
 議会上下両院の委員会や小委員会が法案審議や特定の問題を調査する際、情報収集のために開く。関係

者や専門家を招いて意見を求めたり、事実関係を確認する。参考人が出席に応じない場合は、強制力のある召

喚状を出すこともある。政府高官人事の承認手続きの一環としても開かれる。トヨタ自動車のリコール問題では▽

下院エネルギー・商業委員会が今月23日▽同監視・政府改革委員会が24日▽上院の商業・科学・運輸委

員会が3月2日−−にそれぞれ公聴会を予定。豊田章男社長は参考人として24日の公聴会に招致されており

、冒頭の5分間で意見表明をした後、議員の質問に答える。

毎日新聞 2010年2月20日 東京朝刊


エコナビ2010:米、トヨタ追及加速 24日・最初の公聴会、欠陥認識経緯に照準

 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>

 トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)問題に関する米議会の公聴会が24日(現地時間)から3回

、ワシントンで開かれる。焦点はアクセルペダルやフロアマットの不具合をトヨタが早くから知りながら対応を遅らせた

とする「欠陥隠し疑惑」と、アクセルが戻りにくくなる原因が加減速を制御する電子制御スロットルシステムの欠陥に

あるとする「スロットル問題」の2点。豊田章男社長は17日の会見で双方とも否定したが、「欠陥隠し疑惑」では

米当局が16日に調査に着手、公聴会に向けトヨタ追及の動きが一段と強まっている。【大久保渉、宇都宮裕一

、ワシントン斉藤信宏】

 「すべての自動車メーカーは安全上の欠陥を確認した場合、5日以内に当局に報告し、速やかにリコールを行う

法律上の義務がある」−−。トヨタの「欠陥隠し疑惑」の本格調査に乗り出した米運輸省の道路交通安全局(N

HTSA)は16日、こう強調。ラフード米運輸長官も「リコールは極めて深刻な問題だ」と厳しい調査を行う方針を

示した。

 調査対象は07年9月以降に発表した「カムリ」や「カローラ」などの3回にわたるリコールや自主改修で、トヨタ

対し、不具合をいつ、どのように知ったかを示す書類の提出を要求。不具合のある車種すべてをきちんとリコールし

たかどうかも調べる。NHTSAは「法律違反が見つかれば、1640万ドル(約14億円)の制裁金を科す」としてい

る。

 「欠陥隠し疑惑」は米メディアの報道などで広がった。トヨタが07年の早い時期に顧客から「アクセルペダルが戻り

にくい」との苦情を受けながら、新たに製造する車両のペダル部品の材質を変更する通常の改良措置で済ませた

ことも判明。「欠陥隠し」ではとの疑惑が浮上した。

 トヨタは「(苦情)情報の分析力など素直に反省すべきところはあるが、決して(欠陥隠しという)逃げた対応はし

ていない」(佐々木真一副社長)と説明している。

 しかし、米ウォールストリート・ジャーナル紙などは、トヨタがアクセルペダルのトラブルに関して、かなり以前からNH

TSAと協議していたと指摘。「トヨタは早くから欠陥を認識していた」とのトヨタ関係者の発言まで報道されたため、

米議会は「対応の遅れが死亡事故など米国でのトラブル多発につながったのではいか」と疑念を強めている。

 24日に公聴会を開く米下院監視・政府改革委員会のアイサ筆頭理事(共和)は「誰がいつから、何を知ってい

たのか。その後、どう行動したのか。しっかり調べる」と強調。豊田章男社長は17日の会見で「米国法人の経営

陣が議会の懸念にお答えできる」と話したが、アイサ理事ら議会強硬派は豊田社長自身の出席を求める構えだ。

 トヨタ側は公聴会で「米国で苦情一件一件に対し24時間以内に調査する体制を整える」(豊田社長)など改

善姿勢をアピールする考えだが、米議会や当局の理解がどこまで得られるかは分からない。

 ◇電子制御にも疑惑の目
 高級車レクサスなどで相次いで報告されているトヨタ車の急加速問題について、複数の米メディアは「(自主改修

・リコールの原因となった)フロアマットやアクセルペダルの不具合ではなく、電子制御スロットルシステム(ETCS)に

欠陥がある」と報道。「電波障害などでシステムが狂い、減速したい時でも『アクセルを踏んでいる』と誤った指示が

送られている可能性がある」などと指摘する。

 米議会も今月初め、「マットやアクセルペダルでは説明がつかない事例もある」として、トヨタに質問状を送るなど

強い関心を寄せている。さらに、米国とカナダではETCS問題に絡んで「トヨタは長年、欠陥を放置してきた」と集

団訴訟が相次いでいる。

 17日の会見で、佐々木真一副社長は「欧州基準の2倍以上の強い電波干渉を受けてもETCSに障害が起

きないことを確認している。仮に異常が起きても、減速するようにシステムを設計している」と強調した。トヨタは米

議会に対し「米調査会社に委託した調査でも、現時点でETCSの不具合は見つかっていない」と説明。今後も

引き続き調査するが「不具合は無いと確信している」と反論している。

 ETCSは00年ごろから普及し「現在、日本メーカーが製造する乗用車は、ほぼすべて同様の仕組みを採用して

いる」(川辺武俊・九州大教授)が、日本の国土交通省は「ETCSの欠陥による急加速で事故につながった例は

把握していない」と話す。

 一方で、ETCSについては「ハイテクの塊で、欠陥が無いと消費者にも分かるように説明するのは難しい」(経済

産業省幹部)。トヨタは「日本でも急加速による事故があったが、顧客の後付け部品などが原因と判明している」と

説明。米国でもETCSの問題が指摘されるすべての事故を綿密に調査し、疑念を晴らしたい考えだ。

 ◇米国での自主改修・リコールを巡る経緯◇
07年 3月 米国でタンドラのアクセルペダルが戻りにくいと苦情を受ける。後に部品の材質変更

08年12月 欧州でもアクセルペダルが戻りにくいという苦情。後に部品の材質変更

09年 8月 米国でレクサスの暴走による死亡事故発生。トヨタ車の安全に疑問を呈する報道が過熱

   11月 欠陥ではないが、アクセルペダルにフロアマットが引っかかる可能性があるとして米国で400万台超の

自主改修を発表

10年 1月 アクセルペダル部品に欠陥があると認め、米国で200万台超のリコールを発表

    2月 NHTSAがトヨタの「欠陥隠し」疑惑について調査すると発表

==============

 ■ことば

 ◇電子制御スロットルシステム(ETCS)
 アクセルペダルの踏み加減と、エンジン内に流し込む空気量を調節するスロットル(絞り弁)の動きを電子制御す

る仕組み。従来、アクセルペダルとスロットルはケーブルでつながっており、ペダルの踏み加減がスロットルの開き具合

に直接連動していた。ETCSでは、ペダルの踏み加減をセンサーが感知し、エンジンコントロールユニット(ECU)と

いうコンピューターを通じて、スロットルの開き具合を調節する。燃費向上や排ガス抑制などの効果があり日本メー

カーの間で浸透している。

毎日新聞 2010年2月18日 東京朝刊


トヨタ創業家社長、試練の訪米

リコールで記者会見する豊田章男社長。会見は1時間50分に(9日)=三輪洋子撮影)
 トヨタ自動車は10日、ハイブリッド車プリウス」のリコール(回収・無償修理)作業を始め、信頼の回復に向けて

動き出した。

 ただ、米国ではトヨタの対応への批判がなお強く、豊田章男社長(53)は事態沈静化のため、自ら訪米する意

向を示している。逆境の中、創業家出身者のリーダーシップを発揮できるかが注目される。9日の記者会見の発言

から課題を探った。

 ◆「大変、大きなリコールでご心配をかけ申し訳ない。一人一人を大切に真摯
しんし
な態度でリコール措置をとり、信頼を一日も早く取り戻していきたい」◆

 豊田社長は、プリウスのリコールを発表した記者会見で、信頼回復への決意を強調した。しかし、米国では、プリ

ウスより、昨夏の暴走事故の原因となったとされる急発進の問題が関心を集めている。エンジンの燃料弁を制御す

る電子制御スロットル・システム(ETCS)に原因があるとの指摘も出ている。

 24日の公聴会で証言する予定の米調査会社「セーフティー・リサーチ&ストラテジー」のショーン・ケイン社長は、

読売新聞の取材に対し「ETCSはトヨタ車だけの問題ではないが、トヨタ車は他社に比べて(クレーム数が)際立っ

ている」と説明した。

 豊田社長は訪米で、リコール問題などについてユーザーや当局に徹底した説明を行い理解を求める考えだが、ト

ヨタはETCSについて「問題ない」との立場を崩していない。日本政府関係者は「トヨタが電子制御系の本格調査

に踏み切ると表明出来るかどうかが焦点になる」とみている。

 ◆「トヨタは絶対に失敗しない全能の存在だと思っていない。しかし、欠陥を発見したり、失敗したりした時には

必ず修正する」◆

 プリウスの問題でトヨタは当初、「技術的に欠陥はない」と、ユーザーからの苦情を深刻に受け止めていなかったと

みられる。トヨタ関係者によると、苦情が出ても、技術部門の縦割りや分業化のため責任の所在がわかりにくく、苦

情をうまく処理できない構造的な問題もあるという。トヨタは「グローバル品質特別委員会」を設置して品質を再点

検する方針だ。

 ただ、グループ全体で約32万人の従業員を抱えるトヨタは、経営トップに情報が伝わるまでに時間がかかり、意

思決定が遅れがちとされる。社長自身が説明するべきだとの批判が出た後に記者会見を開いたことについて、豊

田社長は「批判で出てきたわけでなく、私流の改善
カイゼン
だ」と強調した。「社長に的確な助言を行う参謀役がいない」(アナリスト)とも指摘されている。

 ◆「時価総額を落としていることは申し訳ない。黒字化に向けて社員一丸で頑張っていきたい」◆

 1月21日に米国で8車種の大規模リコールを発表して以降、トヨタ株の時価総額は約3兆円下がった。今後も

対応を誤れば、株主から責任を問う声が高まりかねない。

 業績面では、大規模リコールに約1800億円の費用を計上するため、2010年3月期連結決算の営業利益

は200億円の赤字となる予想で、黒字転換は難しくなっている。ここにプリウスの影響は含まれていない。

 豊田社長は「最後の最後まで頑張る」と営業利益の黒字化を目指す考えだが、品質問題の経営への影響を今

後、どう抑えていくか、経営手腕が問われることになる。(中部経済部 小嶋伸幸、ワシントン 岡田章裕)
(2010年2月11日13時44分 読売新聞)


トヨタ、全能の存在でない」 社長・副社長一問一答
2010年2月10日

 トヨタ自動車豊田章男社長は9日の会見で、プリウスなどのリコールに至った経緯について「トヨタは絶対に失

敗しない全能の存在だとは思っていない」と説明。苦情などを商品づくりに反映させるのが「トヨタの伝統であり誇り

」と述べ「今後も強い自信で取り組んでいく」と強調した。
 豊田社長は顧客からの苦情などへの対応に関しては「指摘があれば徹底的に事実を追究し、修正と改善を織

り込んで商品を提供してきた。基本姿勢はお客さまの安全であり、今後も顧客第一を徹底していく」と表明した。
 一連の品質問題では、社長本人が経緯や対策を説明しないことへの批判や不満が高まった。これに対しては「

一番詳しい人間が正しいことをアナウンスするのがいいと思っていた」とした上で「批判があるから出てきたわけでは

なく、これも私流のカイゼンだ。社長然としているのではなく、現場に出て自分の言葉で語っていこうと思っている」と

述べた。

◆一問一答
 新型「プリウス」などのリコール問題で記者会見したトヨタ自動車豊田章男社長、佐々木真一副社長の一問

一答は次の通り。
 豊田社長の冒頭発言 多くの方に品質や安全性に関し迷惑や心配を掛け、あらためておわびする。顧客に安

心して乗っていただくことを最優先し、リコールの実施を決定した。品質はトヨタの生命線という考えを強化し、私が

陣頭指揮を執り、信頼回復に全力を尽くす。
 −リコールを決定した理由は。
 社長 発生件数に継続性があるか、どのくらい発生したかで判断した。
 佐々木副社長 プリウスのブレーキの性能は(リコールの)保安基準に完全に合致している。しかし、約20万台

が何年も走り続けて何も起きないとは言い切れない。
 −米国への対応は。
 社長 訪米も考えており従業員らを激励するとともに、わたし自身の言葉で関係各位に説明したい。誰に会うか

は決まっていない。
 副社長 アクセルペダルの問題以外に、車が思った以上に加速するといった苦情もある。車に異常が発見された

ケースはないが、継続的に調査を進める。
 −対応のまずさが目立つ。信頼を回復できるか。
 社長 1日も早く、リコールの処置を確実に、スムーズにやり遂げることが第一だ。トヨタが全能の存在だとは思っ

ていない。これまでも欠陥や失敗が分かれば修正し改善してきた。今後も実施していくことに強い自信を持ってい

る。基本姿勢は顧客の安全と便宜を確保することだ。
 −どう責任を取る。
 社長 顧客に対する信頼(回復)を皆が協力してやっていくことが、トヨタとしての責任だと思っている。


トヨタ社長「抜ける」連発、安全性明言避ける


プリウスのABSプログラムの修正作業を説明する整備士(9日、愛知県東郷町名古屋トヨペット和合店で)
 「トヨタは全能の存在であるとは思っていない」――。日本の環境技術の象徴だったハイブリッド車(HV)の新型「

プリウス」など4車種で、トヨタ自動車は9日、リコールを届け出た。

 この日記者会見した豊田章男社長らは、ユーザーに「心配」や「迷惑」をかけたと言いながら、安全性の問題に

ついては明言を避け、「ブレーキをしっかり踏めば止まる」と歯切れの悪い説明に終始した。問題発覚直後、ブレー

キの利きの遅さを「感覚の問題」と説明していた対応には、国土交通省からも疑問や批判の声があがっている。

 トヨタはこの日午後3時30分から、東京・文京区の東京本社で記者会見を開いた。豊田社長は海外のメディア

も含め300人以上の報道陣を前に、自分で新型プリウスを運転して今回の問題を確認したことを明らかにし、「

表現が難しい。『抜ける』という表現が一番だと思いますが、ほんの一瞬ブレーキが抜けて、止まる。ほんの一瞬で

す」などと「抜ける」という言葉を繰り返した。

 同席した佐々木真一副社長も「不具合」という言葉を避けて、安全性に問題があったとの認識をはっきり示さず

、「わずかに」「ほんの」などの表現でユーザーの感覚的な問題だということにこだわり続けた。

 トヨタがリコールを届け出たのは、低速で雪道などを走行中、ブレーキを同じ力で踏み続けると停止距離が目標

の12・3メートルより1・3メートル長くなり、13・6メートルまで伸びるという不具合。旧型プリウスに比べ停止距離

は0・7メートル長く、全国から寄せられた不具合情報は84件に上っていた。

 これまで「フィーリング(感覚)の問題」としてきた同社が、一転してリコールを届けたことに、豊田社長は「トヨタ

全能の存在であるとは思っていない」「伝統と誇りにかけて問題が発生した事実を追究し、顧客の安全と便宜を確

保する」と述べた。だが、今月5日まで会見に応じなかった点については「批判されて(記者会見に)出てきたわけ

ではない。私流の『カイゼン』だ」と強調した。

 ◆リコール=自動車や2輪車などの欠陥や不具合で、設計や製造過程に原因があった場合、メーカーが道路

運送車両法に基づいて事実関係を公表し、製品を回収・無償修理する措置。08年度の対象台数は約535万

台に上った。メーカーには該当車のユーザーに対する通知が義務付けられている。「リコール隠し」を行った場合、2

億円以下の罰金も科される。

(2010年2月10日01時45分 読売新聞)


◆米公聴会トヨタ社長「招致受け入れる」 24日出席へ

記者の質問に答えるトヨタ自動車豊田章男社長=19日、名古屋市中村区
トヨタ社長、米公聴会出席へ 「誠心誠意説明したい」

 トヨタ自動車豊田章男社長は19日午前、名古屋市内で記者団に対し、一連のリコール(回収・無償修理)

問題を巡り、米議会下院の監視・政府改革委員会から招致された公聴会に出席する意向を自ら表明し、「誠心

誠意説明したい。原因究明に協力し、顧客の安心と信頼回復に努めたい」と述べた。公聴会は24日に首都ワシ

ントンで開かれる。18日に声明を出し「委員会からの招致を受け入れる。米議会や米市民と直接話す機会を楽し

みにしている」

 24日の公聴会には当初、米現地法人の稲葉社長が出席する方針だったが、米下院の監視・政府改革委員

会のタウンズ委員長からの正式招致を受けて、豊田社長自らも出席することにした。
 豊田社長は訪米時にラフード米運輸長官とも面談するほか、現地の販売店などを訪問する予定。訪米の具体

的な日程は明らかにしなかった。 (10:08)


財務省が16日発表した2009年12月末の国際資本統計によると、日本の
 官民が保有する米国債残高が7688億ドル(約69兆円)となり、 7554億
 ドルだった中国を抜いて再び世界一となった。日本がトップになるのは
 08年8月以来、1年4カ月ぶり。中国が米国債保有をやや減らした
 一方、日本の民間金融機関が購入を増やしたことが背景だ。
 日本の昨年12月の米国債保有額は前月に比べて115億ドル増えたのに対し、
 中国は342億ドル減少し、逆転となった。
                 日本経済新聞 2月17日
   __________
   佐々木の視点・考え方
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      
★このニュースは役に立つ。

 どう役に立つかというと、このニュースを元にコメントを出すエコノ
 ミストやマスコミが、どれだけ信用できるかを測るリトマス試験紙
 なるという意味でだ。

 ものが分かっていない人はこう書くだろう。
「中国は投資対象をドル安の懸念のある米国以外に求めつつある。
 米国債への投資に見切りを付けて投資を縮小させている。

 日本は中国に先んじて米国債から撤退すべきなのに、世界一の米国債
 保有国になることは、近い将来国民のお金を何十兆円も捨てることだ」

 なぜ、ものが分かっていないというのか。
 それは、中国の投資行動にはパターンがあるからだ。

 中国は英国を通じて巨額の購入をする傾向がある。
 2006年半ばから2007半ばまでに英国が購入した米国債のおよそ
 3分の2が直後にがくんと減って代わりに中国の米国債保有が急増した。

 このパターンは2002年から何回もおきており、直近では2008年
 6月に英国の米国債保有が急減し、代わりに中国の米国債保有が急増し
 て世界一になった。

 中国は米国債購入の際に英国の金融機関に買わせて、一時的に保有させ
 ているのだ。

 今回も同じパターンを辿っているのではないかと考えるのが自然だ。
 なぜなら、今回もまた英国の米国債保有額が増えているから。
 きっと、今年の半ば当たりに英国の保有急減と中国の急増が見られるだろう。

 データはきちんと全部読もう。


 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」    平成22年(2010年)2月18日
 日本は「やっぱり信頼できる同盟国」? 米国債保有ナンバーワンに返り咲いて
  中国はなぜ342億ドルの米国債をだまって売り抜けたか?
**************************

 テーマが古いことをまずお断りしておく。沖縄・名護市長選で
、米軍普天間飛行場辺野古移設に反対する新人の稲嶺進氏が当
選してからの平野博文官房長官の発言がひどい。選挙翌日の25
日、会見で「(市長選は)一つの民意としてはあるだろうが、(
移設を)検討していく上においては、あまりそのことも斟酌(し
んしゃく)してやらなければいけないという理由はないと思って
いる」と言い放った。
 鳩山由紀夫首相は選挙前の15日に「市民の思いも斟酌しなが
ら最終結論を出す」と言っていた。否定する必要があると考えた
のだろうか? すぐに「民意無視」の批判が出、他閣僚から自制
を促す声が出た。
 それなのに「合意しないと物事が進められないものなのか」(
26日午前)「法律的にやれる場合もあるだろう。いろんなケー
スがある」(同日午後)「手続きも含めて法律でやらなければな
らない場合もある」(27日午前)などと、平野発言はエスカレ
ートした。
 この人の経歴を調べてみた。1976年松下電器に入社。82
年10月、松下労組特別執行委員となり、83年12月、衆議院
議員・中村正男氏の秘書。中村氏は松下労組出身の衆院議員だか
ら、その秘書は松下労組のエリートコースだ。
 88年7月松下労組政治部長。基本的に社会党支持の同労組が
民社党自民党との関係を維持するためにあるようなポストだ
。与党の力を借りたいケースが多いから、自民党との関係を重視
する。
 衆院初当選は96年10月総選挙。松下支配の選挙区・大阪1
1区で無所属を選んだ。まさに「松下党」を名乗ったのだ。98
年2月民主党入りして以後の選挙では「市民派政治」を強調。他
方、民主党代表選などでは、いつも鳩山氏の陣営にいた。
「企業支配選挙区」だから、敗北はあり得ない。だからこそ、市
民派や鳩山陣営を名乗ることができるという計算だろう。その計
算が見事にあたって、鳩山内閣官房長官ポストを射止めた。1
947年7月まで内閣書記官長で、閣僚でもなかった。その後も
軽量ポストだったが、さいきんは各省庁にまたがる案件の調整役
となるのが官房長官首相官邸の支配者でもあるから、重要度が
増した。
 平野氏の場合も普天間基地とその代替施設担当で、鳩山政権の
命運を握っている。しかし沖縄の民衆の気持ちをつかむことが前
提条件というポジションだ。政界での泳ぎ方が上手なだけという
平野氏には荷が重かったようだ。
 内閣の失言劇は、おおむね首相や副総理など重要閣僚が引き起
こす。官房長官はスポークスマンとして、失言の波紋が広がるの
を防ぐ役割を果たすのが通例だ。
 前任首相・麻生太郎氏の失言は、鳩山氏よりはるかに多かった
。しかし麻生政権の官房長官河村建夫氏は、ときに会見で「こ
のような発言は慎んでもらわなければ困ります」とピシャリと言
ってのけた。
 首相発言を全面否定した官房長官もいる。鈴木善幸首相・宮沢
喜一官房長官コンビのときだ。
 韓国の駐日大使が官邸に来て、鈴木首相と会った。首相は「金
大中氏に死刑を執行するようなことがあったら、日韓関係は現在
の良好なものであり得なくなる」と発言した。当時は全斗煥政権
で、その恐れは十分あった。
 韓国政府は、韓国の有力紙一紙にその発言内容をリークし、「
日本の首相が内政干渉」という紙面をつくらせた。当然、その報
道が真実かどうか確認しなければならない。番記者たちが首相に
訊いた。
 鈴木首相は
 「いいかい君たち、私は<死刑執行なんかあったら、日本国民
の韓国政権に対する感情は極端に悪化する。それが日韓関係にも
影響せざるを得ない>と言ったんだよ。間違いではないだろう。
政治は当然、そう動くんだから、大使に予告しておいたのだ。こ
れで、どこが内政干渉なんだね」
 と答えたのである。
 さすがに番記者は電話にかじりつき「首相、内政干渉発言を認
める」といった原稿を送ろうとした。しかし秘書官たちが「送っ
ちゃダメ。オフレコなんだ」などと言って、送稿を実力阻止した

 首相発言にオフレコはないから、これは秘書官たちによる実力
行使だっただけである。当時はケータイがないから、送稿できた
社はなかった。
 このてんまつがあったのは昼下がりといった頃で、午後の官房
長官会見のテーマとなった。
 記者クラブ側の質問「本日昼過ぎ、あまりに大物である政府筋
が、昨日の韓国大使に対する首相発言があったという事実を認め
る発言をしました。本人はオフレコと言っていますが、首相発言
の方は韓国紙がすでに報道していますから、オフレコは認められ
ません。私たちは記事にしますから、官房長官のコメントがいた
だきたい」
 宮沢官房長官「大物政府筋とは誰のことか、首相発言を認める
発言とは何のことか、私はまったく認識していません。そんな発
言は何もなかったのではないですか」
 クラブ「そんなことおっしゃっては困ります。大物政府筋は長
官の上にいらっしゃる方です。その方の発言がオフレコになるこ
とはあり得ないのに、秘書官の方々が、半ば以上暴力的に原稿の
送稿妨害をしてしまった」
 宮沢「私はそのような事実を承知していません。この内閣のス
ポークスマンは私です。私はそのような発言はいっさいなかった
と、ここではっきり言い切ります。私のこの発言こそ、内閣の正
式見解です」
 結局、この宮沢官房長官発言によって、鈴木首相最大の「失言
」は報道されないまま、ヤミに葬られたのである。
 このてん末の最大の問題は鈴木首相が、自らの発言こそ「内政
干渉」になるということを、まったく理解していなかったことで
ある。「お粗末」と言えるほどの首相の失言をヤミに葬るために
は、「私の発言こそ、内閣の正式見解」と言い切る必要があった

 現場にいた私としては、宮沢氏の迫力に強く印象づけられた。
普段は質問に答えて、「それはですね、コレコレこういうことで
す」と時事問題解説風にレクチャーしてくれることが多い宮沢氏
だが、解説トーンなど消してしまって、独断をおし通すのである
。「宮沢さんはこんなこともできるんだ」と感心したものだ。
 もちろん平野官房長官は、宮沢氏と比べることなど不可能であ
る。「このままでは内閣が倒れかねない。閣僚の人事権は首相が
一手に握り、任命も罷免もできる。泣いて馬謖(ばしょく)を斬
るべし」という論評が目につく。
 ここ2、3年の政界でよく聞く言葉だ。「政治とカネ」問題な
どで追い込まれていた松岡利勝農相を切れなかった安倍晋三首相
、ローマG7(主要7カ国蔵相・中央銀行総裁会議)終了後の酩
酊会見で恥を全世界にさらした中川昭一蔵相兼金融相を切れなか
った麻生首相などのケースだ。松岡、中川両氏とも自殺などで生
命を失ってしまったのだから、「切った方が良かった」という人
も多いだろう。
 馬謖は名将・諸葛孔明の腹心の部下である。「切るべし」と言
われている21世紀日本の政治家よりはるかに賢いはずだ。まあ
それを言うなら、安倍・麻生・鳩山各氏ら「将」の方を諸葛孔明
と比較すべきなのだろう。「将も卒も、このていたらく」となっ
てしまうのである。おそらく。